代表質問の内容②【全ての人が安心して暮らせる、みんなにやさしいまちづくり】
私はこれまでカラーをはじめとしたユニバーサルデザインの推進を提案し、区長をはじめ、執行機関の皆様のおかげで2012年にユニバーサルデザインを庁内横断的に進める「ユニバーサルデザイン担当課」が設置され、「足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が施行され、全庁的に取り組んで参りました。足立区を基地とした「みんなにやさしい街づくり」をさらに全国に発信するためにも、当事者の皆様からさらなるご意見を頂き、現実的な運用面でのさらなる強化を行って参ります。
※※※※※※以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。 ※※※※※
☆【全ての人が安心して暮らせる、みんなにやさしいまちづくり】
《長谷川たかこ》
「全ての人が安心して暮らしやすい足立区のまちづくり」を目指すためには、より実効性の高いものとして、『当事者の声を反映した街づくり』が重要です。全盲の方であっても、車いすの方であっても、介助者を必要とせずに個人で普通に歩いてみたいという人たちを応援する社会を私は、この足立区から構築して参ります。
その為にも、社会に参画するためには、先ずはその受け皿としての公共インフラの整備が必要です。現状の点字ブロックでは、複数のバス停が有るため、バス停や庁舎へ向かう分岐点を特定できず、迷って道を探しているうちに、自分が何処にいるのか、どちらを向いているのかが分からなくなってしまうそうです。この既存の点字ブロックに黒丸や三角といったマークをつけ、それをスマートフォンで読み取ると人工知能(AI)が視覚障がい者の単独歩行に必要な情報を音声で伝えてくれます。各バス停へつながるバスロータリー上の警告ブロックをコード化点字ブロックに加工することにより、視覚に障がいが有る来館者に対し、独りでも迷わず歩ける環境を提供できます。 さらに音声案内の内容は、サーバー通信で提供されるため、歩行サポート情報だけではなく、情報ジャンルの選択により、生活、観光、防災等の情報や、ウェブサイトや動画情報等、様々な情報を多言語で取得することが可能です。視覚障がい者のみならず一般の区民や外国人等に対して、分け隔てなくサービスが提供できる情報インフラとなります。
全国的には、鳥取市内では、現在、JR鳥取駅から視覚障がい者支援センターまで約500メートルの区間にコード化点字ブロックが設置されています。既に都内においては、杉並区や品川区でコード化点字ブロックの実証実験が行われています。
【問】足立区においても先ずはモデル地区を設定し、区役所本庁舎内にコード化点字ブロックを敷設し、検証をして頂きたいと思います。将来的には、足立区全域の主要施設、駅までの通りなどにも設置をし、視覚障がい者のみならず一般の区民や外国人等に対して、分け隔てなくサービスが提供できる情報インフラの構築を目指して頂きたいと強く要望致します。区の見解を伺います。
【都市建設部長答弁】
私からはコード化点字ブロックに関するご質問に一括してお答えいたします。
令和7年度に試験的に本庁舎バスロータリーにコード化点字ブロックを敷設する方向で準備を進めております。
次に将来的に足立区全域でコード化点字ブロックによる情報インフラを構築すべきとのご提案につきましては、生活、観光、防災等の情報提供の可能性についても実証実験し、その有効性を検証して参ります。
《長谷川たかこ》
鳥取県では、視覚障がいの方は障がい者手帳があれば級に関わらず、遠隔地にいるオペレーターが視覚情報をサポートする「鳥取県視覚障がい者遠隔サポートシステム・アイコサポート」が無料で使えるようになりました。
「アイコサポート」は、専用のアプリを使用し、スマートフォンのカメラ機能により映し出された映像をもとに、遠隔地にいるオペレーターが、視覚障がい者である利用者の必要とする視覚情報を音声で伝えるシステムです。当事者はタイムリーに視覚情報を得ることで生活面での利便性を高め、いつでも気軽に安心して行動できます。安心して利用してもらうため、コールセンターは、厳しい個人情報管理のもとで運営され、研修を受けた社員がオペレーションをしています。
参考:営業時間は9時から21時(土日祝日を含む毎日)
【問】先ほどから申し上げているように足立区においても、視覚障がいの方の生活面での利便性を高め、いつでも気軽に安心して単独でも行動できる環境整備を構築することを強く要望致します。障がい者手帳があれば級に関わらず、遠隔サポートシステム・アイコサポートが無料で使えるよう強く要望致します。区の見解を求めます。
【福祉部長】
私からは先ず、視覚障がい者に対する遠隔サポートシステム・アイコサポートの無料利用についてですが、単独での外出の安全性や容易性など、当事者や視覚障がい者団体の要望を伺いながら、アイコサポートの利用も選択肢の一つとして、調査・研究して参ります。
《長谷川たかこ》
【問】また、「アイコサポート」や「コード化点字ブロック」に対する普及啓発を区のホームページや広報などで行って頂きたいと強く要望致します。区の見解を伺います。
【福祉部長】
「アイコサポート」普及啓発のための広報活動についてですが、遠隔サポートシステムの検討状況などを踏まえ、導入が決まりましたら普及啓発のための広報活動を展開します。
《長谷川たかこ》
鳥取県では市区町村の日常生活用具給付とは別に県独自にスマートフォンの購入費補助金を交付しており、令和4年6月から「情報アクセシビリティー コミュニケーション法」に基づいて、鳥取県では、視覚障がい者がICT機器を購入する際には補助が受けられるようになりました。
- 拡大読書器では、据置型又は携帯型のいずれかで99,000円の補助
- スマートフォンでは(音声ガイド機能が標準装備されている又は同機能をインストールするもので)3万円
- タブレット端末(音声ガイド機能が標準装備されている又は同機能をインストールするものに限り)3万円
- ウェアラブル端末(カメラの文字認識技術による音声読上げなど視覚障がい者の情報取得に資する機能が搭載されているものに)10万円
- パソコン(音声読み上げソフト、表示画面拡大ソフト等がインストールされている又は当該ソフトを同時に購入するものに限り)10万円
- プレクストークに44500円
- 情報・通信支援用具として、以上のスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、パソコンの情報機器を使用する際に必要な周辺機器のアプリケーションソフトに対する補助が2万円
となります。
【問】①足立区においても、ひとりでも多くの目の見えない人、見えにくい人達が、これが有ればひとりでできるという希望を持ち、一歩踏み出すきっかけになるものとして、スマートフォンの補助を行うことを強く要望致します。区の見解を求めます。
②また、ハード面の整備だけでなく、ソフト面の整備も重要です。
スマートフォンを使いこなせるよう、定期的に継続した教室の開催を要望致します。現在、年に1~2回の教室が開催されているそうですが、目が見える人に目が見えない人たちのマニュアル操作の不便さはわからないという話しが当事者団体からの声が以前から挙がっています。例えば、Voice Overの操作には限界があり、マニュアル通りには行かないため、講師を担当する企業側が、視覚障がいの皆様に研修講師を頼んでいるそうです。
自治体での継続的な教室の開催となると頻回に講師が派遣できる所を探さないといけませんが、企業では当事者の不便さまで熟知しきれないため、視覚障がい者団体からは、直接に依頼があれば、NPOで対応可能であるとのことです。
区が当事者団体に委託をすれば、障がいをお持ちの方々への雇用の創出にもつながります。是非とも、毎月でも行える教室の開催と雇用の創出を併せた取組みを行って頂きたいと強く要望致します。区の見解を伺います。
スマートフォンを一例に出しますが、当事者団体からのご要望でも、区行政では、スマートフォンを現在どれくらいの人達が利用しているのかといった観点で議論が交わされていたかと思います。しかし、そのような着眼点ではなく、視覚障がいの方々が自立するために必要なアイテム、スマートフォンを使うことで一人で勇気をもって外に向かう事が出来る環境を整えるといった着眼点でとらえて頂きたいと切に願います。
【福祉部長】
視覚障がい者に対するスマートフォンの補助についてですが、令和5年に日本視覚障害者ICTネットワークが実施した視覚障がい者の支援技術利用状況調査では、スマートフォン利用率は93.8%でした。
このため、視覚障がい者の多くが既にスマートフォンを利用していることから、スマートフォンの補助を実施する考えはありません。
次に、スマートフォン利用のために毎月でも行える教室の開催と小用の創出を併せた取組みについてですが、具体的に操作方法の難しい点や視覚障がい者の雇用について、当事者や団体の意見を伺いながら検討します。
《長谷川たかこ》
【問】障がいの有るなしに関わらず質の高い社会生活ができ、誰もが明るい未来を想い描くことが出来る環境を構築することが大切です。足立区が先進的な施策を次々と進めることで、それをお手本として全国の自治体に広がり、同じように困っている人、不便を感じている人の問題も軽減されていきます。そして、足立区がユニバーサルデザインに配慮されたやさしい街になることで、足立区に住まう人達の心に余裕が生まれて、みんなの意識がやさしい・思いやり溢れる街へと変わっていきます。ハードからソフト面の全てにおける、強力な推進体制を求めます。区の見解を伺います。
【都市建設部長答弁】
次にユニバーサルデザインに配慮されたやさしい街に向けて、ハードからソフト面の全てにおける、強力な推進体制を構築すべきとのご質問にお答えいたします。区では、平成27年度からユニバーサルデザイン推進計画に基づき、区が実証するユニバーサルデザイン施策の適切な評価検証を行い、各施策のスパイラルアップに努めております。
また、多くの人が利用する公共施設や民間施設を人に優しい施設へ誘導すべく、令和7年度にユニバーサルデザイン推進計画の改訂作業に着手し、内容の充実を図って参ります。
今後も、庁内関連部署との連携を一層深めながら、ハード・ソフト両面からユニバーサルデザインに配慮されたやさしいまちづくりを強力に推進して参ります。