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予算特別委員会の内容⑤【不登校支援の拡充について~家庭教師派遣オンライン・リアルタイムの双方向型オンライン授業・動画配信授業~】

長谷川たかこ 委員

足立区の不登校者数は小・中学生合わせて1532名となっております。これらの児童・生徒に対する学習面でのサポートを手厚くすることが必要です。

足立区の家庭教師派遣は、欠席日数が120日以上の子ども達が対象です。

 

【問】必要な子ども達に支援が確実に行き届く施策として、欠席日数は30日以上にするなどし、欠席日数を下げることを要望します。条件緩和を求めますが、区の見解を伺います。

 

◎教育相談課長 

現在は、家庭学習支援事業につきまして、欠席日数が120日以上という長期化しているお子さんを対象にしております。ただ、60日以上欠席しているお子さんですと、その後120日以上になるケースが大変多くございますので、来年度令和7年度からは60日以上ということを目安に進めていきたいと考えております。

 

◆長谷川たかこ 委員  

ありがとうございます。是非、そちらの方を進めていただきたいと思います。

 

次に、家庭教師派遣を利用している保護者の皆さまから、今回、ヒアリングをしました。学校に馴染めない子ども達は、通塾も難しい状況です。保護者より、今ある支援をより充実した制度にするため、利用回数を増やしてほしいと複数要望が出ました。

 

『現在、家庭教師派遣は週に1回の利用、つまり月4回の利用が上限とされています。 ただでさえ、学習の遅れがある子ども達が月4回の利用では学習の遅れを取り戻すことはできませんし、そもそも学習の定着も望めません。 また、現状の家庭教師派遣のルールでは、保護者が在宅であることが条件であり、通勤を伴う共働き世帯は利用できません。家庭教師も自宅派遣だけではなく、対面が苦手な児童生徒の為に、オンラインによる家庭教師も導入して頂きたい』と、家庭教師派遣を利用されている保護者達から要望が出ました。

 

さらに、利用する際の状況について、お聞きしました。

委託先のスタッフと家庭教師、お二人との面談が最初にあり、委託先の会社からは、『週1回しか使えない。オンラインの話は全くない。』そうです。他の保護者からも同様のお話でした。保護者の皆様は、令和4年度、令和5年度の家庭教師派遣を利用した保護者です。

 

昨日、執行機関よりお話を伺いました。

家庭教師派遣の委託会社には、

  • 令和4年では1100万円、令和5年度では2200万円、令和6年度では2200万円もの委託料が支払われました。令和7年度では4100万円もの委託料が予算計上されています。
  • 契約内容は月8回分の授業で週に換算すると週2回受けられるようにしているとのこと。
  • さらには、オンライン授業も可能である契約をしている

とお聞きしました。この委託内容は令和4年度から変わりがないそうです。

 

しかし、私がヒアリングをした複数の保護者からは、『週に1回、最大月4回しか授業は受けられない』と最初の面談の時点で家庭教師派遣会社、当時のキズキから言われており、『オンライン授業が受けられることなど全く言われていない』とご主張されています。

 

複数の保護者に詳細をさらにお聞きしました。

SSW(スクールソーシャルワーカー)が自宅訪問してきた時、キズキの支援事業説明として、「足立区げんき先生ご利用にかかる同意書」を持参され、説明資料にアンダーラインを引きながら重要箇所を説明してくれたそうです。 その際、週1回にアンダーラインを引き、週1回を前提として話しが進んだそうです。

 

昨夜、保護者が再度この同意書を確認したところ、同意書には米印があり、「※最大月8回実施することができます。」と書いてありますが、説明では全く触れられていなかったそうです。従って、保護者は週1回しか選択の余地がないと思い込まれていたそうです。その後、委託先のキズキの会社スタッフが初回訪問にきた際には、週1回の利用が前提で話しが進み、オンラインについては、資料に記載がないように、『全く説明もなかった』そうです。 そもそも、キズキ同意書の説明資料1ページの【場所】の記載欄には、『ご自宅に講師が訪問し、授業を実施します。 ただし、やむを得ない事情がある場合、区の公共施設を使用することができる』と書かれているため、オンライン対応はないことが大前提となっています。

 

【問】足立区が行っている家庭教師派遣は、委託先事業者は令和4.5年度はキズキで、令和6年度はトライです。令和7年度については、入札はこれからと執行機関よりお聞きしております。

 

まず、今年度の委託会社トライの実施状況の把握が必要です。

現在、区の執行機関が利用している保護者にアンケートを取っているとのことですが、週に2コマの月8コマ、そしてオンラインを希望するご家庭に確実になされているのかの確認を行うことを求めます。区の見解を求めます。

 

◎教育相談課長 

まず、家庭教師派遣の実施状況につきましては、毎月、事業者の方から報告をいただいております。その中で、月8回実施されているという生徒もいらっしゃいます。オンラインにつきましては、コーディネーターの説明のときに、利用者、家庭の事情などを聞きながら、利用者の希望を聞いて把握しているところでございます。4回しか説明がなかったというお話ですけれども、お子さんによってはいきなり月8回できますよというお話をしてしまうと、引いてしまう場合もありますので、お子さんの状況に応じながら、個別に対応しているような状況でございます。毎月、保護者の方と事業者とで要望を聞く面談も行っておりますので、そこで御家庭の要望も詳しく聞いていきたいと考えております。

 

◆長谷川たかこ 委員  

【問】家庭教師派遣の支援事業では、令和4年度は対象者25名、令和5年度は50名でした。事業利用者数は多くありません。令和4.5年度の利用者の保護者に大至急、過去の実施状況の調査をすべきです。

 

適切な事業が行われていたか否かを大至急、調査し、来年度の委託事業者が適切な事業を行うようにしないといけません。

 

過去の実施状況の調査をすべきと強く要望致します。区の見解を求めます。

 

◎教育長 

過去の利用状況については、先ほど所管にも確認しましたけれども、答弁申し上げたとおり、利用回数については把握しているということですので。ただ、その状況については、またその資料をしっかり確認させていただいて、実績についてはチェックしていきたいと思っております。

 

◆長谷川たかこ 委員  

足立区の調査結果で、もし適切な事業が、委託先会社で令和4・5年度にされていなくて、例えば足立区が委託した半分の事業しか、もししていないのであれば、今後その足立区の入札には一切この事業所を入れるべきではないと思います。またお金の返還請求をすべきだと思います。


このことについては、個々に子どもにうんぬんかんぬんと、鈴木教育相談課長から今お話ありましたけれども、もともと回数を増やして、最初からやりたいんだと言っている保護者の皆さんが、こういう声を上げていることで、私は以前から文教委員会でお伝えしておりました。

「家庭教師派遣は週1回しかない。週2回やるべきではないか、もっと回数を増やすべきではないか」というお話をさせていただき、鈴木教育相談課長は、「そうですね」というご回答でした。

 

週2回やっているなんて一切おっしゃっていなかったわけです。

直近の委員会でも。

 

どうしてここでこういう話をしたときにこのような話になるのか、つじつまが合いません。教育長いかがでしょうか。

 

◎教育長 

その過去の答弁に関しては、改めて確認させていただきますけれども、契約の中身を確認する限りは、基本的には週1回だけれども最大上限8回ということになっているのは、そこは確認しました。間違いないので、その範囲内で、個別の事情に応じて、事業を実施しているということであれば、契約書のとおりかなとは認識しておりますけれども、それがどのような形で実際に行われているかは、実績も確認させていただきたいと思います。

 

◆長谷川たかこ 委員  

これは文教委員会で、しっかりと御報告いただきたいと思います。というのは、もともとスクールソーシャルワーカーが自宅に来て御説明をされていたそうです。

 

マーカーペンで説明をされ、の書面を拝見させていただいております。

この書面には、週1回のところしかマーカーしていませんでした。

 

週1回の月4回しか使えないという話を、私に要望されたお母様たちが皆さん同じことをおっしゃっているんですよ。


しかもそれは、委託先がキズキのときの話です。

現在トライがどうなのか分かりません。

だけれども、キズキの段階で、これでは定着できないという以前から、何回も何回も畳みかけておっしゃっているお母様たちが何人もいる中での、統一見解です。

 

足立区がこのような契約で行っていると申されても、現場はそうではなかったという事実があるわけですから、しっかり調査をしていただきたいと思います。

 

活用した令和4年度は25名、令和5年度は50名の方々。今も50名の方々が活用しているということで、すぐにヒアリングなど、できると思います。

 

大至急調査をして報告を文教委員会でお願いしたいと思います。

教育長いかがでしょうか。

 

◎教育長 

改めて確認をさせていただきます。ですので、利用者の方のヒアリングも含めて、確認をした上で文教委員会に報告させていただきたいと思います。

その契約の際の説明が、担当者によって違っている可能性もなくはないので、令和7年度以降でこれからの話になりますけれども、何を説明したかということは、きちっと重要事項説明のような形でサインをいただくとか、そういったことは今後のことは考えたいと思います。


過去のことは、調べた結果をまた文教委員会で御報告をしたいと思います。

 

◆長谷川たかこ 委員  

教育長、いつまでに御報告いただけますでしょうか。

 

◎教育長 

2年分ですので、すぐには難しいかと思っております。最短で4月の文教委員会だと思いますが、それに間に合わなければ6月の文教委員会には報告したいと思います。

 

◆長谷川たかこ 委員 

来年度4,100万円もの予算計上です。

適切に過去行われていなかったとしたら、重大案件で、これはいかがなものかと思われます。本当に、もしきちんとされていなかったら、その分返還請求して、その返還請求された部分の金額を新たな支援事業とかに、私は付けたいという思いでもおります。

 

一部の方が月8回まで受けられている方がもしいたとしたら、不公平感のある事業になっています。公的機関の支援事業なわけで、アンフェアであってはいけません。区長、これを聞いてどう思われますか。

 

◎区長 

長谷川委員のおっしゃることごもっともだと思います。まず考えなければならないことは、令和7年度の本事業も執行が滞ってはいけませんので、原則1回、最大8回という原則はどういうときが原則で、8回というのはどういうときに8回できるのかというようなところに曖昧さがあってはいけませんので、令和7年度の仕様書については、そうした曖昧さが排除できるような形で仕様書は見直して、令和7年度については、きちっと、当初から施行していきたいと思います。


それについては中身を精査させていただくということと、過去のことと切り分けさせていただいて、確かに過去に問題があれば、それなりの区としても対処しなければいけないということもありますが、それによって令和7年度の家庭教師派遣事業が速やかに執行できないというと、また利用者の方にも御迷惑を掛けますので、過去の部分の分析と、また令和7年度の論理的なというか不公平感のない、公平な執行について切り分けて対処させていただきます。

 

◆長谷川たかこ 委員  

区長の方でしっかり目を光らせて対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


現在、チャレンジ学級と家庭教師派遣の併用はできません。チャレンジ学級では、週2回が利用上限となっています。理由は復学を目指しているからです。
区としては学校へ戻ることがゴールとなっているようですが、学習に関しては学校へ行っていなくても通っている子どもたちと同じように学ぶ権利はあります。学校に復学することをゴールにするのではなく、まずは子どもたちの学びの機会の確保をし、学びの機会を一番の優先順位に上げて仕組みの構築を再考していただきたいと強く要望いたします。家庭教師派遣とチャレンジ学級との併用ができるよう、支援の枠を拡充できないでしょうか。見解を伺います。

 

◎教育相談課長 

まずチャレンジ学級につきましては、外出できるお子さんを対象としています。家庭学習支援事業につきましては、外出できないでずっと家に閉じ籠もっているお子さんを対象にしております。そのように対象が異なっていますので、併用はできないような状況になっております。
先ほど長谷川委員の方から、週2回のチャレンジ学級上限というお話がありましたが、実際は毎日通うことも可能です。

 

◆長谷川たかこ 委員  

了解しました。支援の枠はいろいろメニューがあればあっただけいいと思いますので、一つの案として考えていただければと思います。


不登校児童・生徒のための家庭学習支援として、家庭教師派遣100名枠が開設されますが、1,532名に対する支援、そして行き渋りを起こしている子どもたちも含めた学習低下の子どもたちに対する支援を早急に構築していかなければなりません。


昨年6月から不登校の中学生にリアルタイムの双方向型オンライン授業エデュオプちばという支援事業を千葉県教育委員会が行っています。昨年6月の開始から3か月で400名以上もの生徒が登録し、主要5教科の授業に1日平均100名が参加をしているそうです。夏休みには、音楽や美術、食育などの授業や高校説明会も開催されています。授業を通じてコミュニケーション力向上も図っており、各種教育支援センターやフリースクールなどに通い、自分の教室で授業を受けられない中学生を対象に、オンラインでの授業配信を行っています。要件は30日以上の欠席、又は今年度連続して欠席をしており、現在も授業が受けられていない生徒が対象です。

足立区においても、まずは千葉県教育委員会が始めたリアルタイムの双方向型オンライン授業エデュオプちばという支援事業を視察し、文教委員会で報告をし、よいものであれば区として導入を視野に入れていただきたいと要望いたします。区の見解を伺います。

 

◎教育相談課長 

不登校のお子さんに対しまして、授業をオンラインでというお話ですが、今までチャレンジ学級、あすテップの方でオンライン授業をやっておりましたが、実際に対面の方が分かりやすいとか、あとは授業が難しい、放映されている授業が難しいとか、今のところもう1回聞きたかったんだというお話もあったことから、今年度をもちましてチャレンジ学級、あすテップのオンライン配信事業は廃止するという方向で、文教委員会で1月に御説明したとおりでございます。なので今後、エデュオプちばにつきましては、どういった事業なのかというのは参考にさせていただきますけれども、こちらの方で導入を視野に入れてということは、今のところ考えておりません。

 

◆長谷川たかこ 委員 

例えば、小学校低学年における学習能力が低下している子どもたちへの家庭支援は、ある意味、親の寄り添い支援がキーだと思います。勉強がさほど難しくない小学校低学年に関しては、一番の教師は親だと私は思っております。

学力向上の取組の一つとして、カリキュラムがしっかりと組まれた動画配信事業はとても有効です。我が家でも、親子で民間塾の動画配信授業を受けており、子どもたちの学力アップにつながっています。ただし、子どもに任せた受け身の授業ではなく、小学生であれば、できるだけ親も寄り添い、一緒に学ぶことで、子どもの学力は着実に上がります。


小学生用に各単元のカリキュラムで動画配信事業を行うのはいかがでしょうか。例えば、まずは算数、国語だけでもよいので、民間企業に委託をし、単元ごとの授業の動画配信を行い、各御家庭で動画配信授業を受けることができる仕組みを、是非とも構築していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

 

◎教育相談課長 

繰り返しの答弁となってしまって申し訳ありませんが、授業については、なるべく対面で、できれば個別指導が最も有効的だと考えております。足立区版の動画配信事業を作成するつもりはありません。ただ、お子さんたちが学びたいときに学べる環境というのは整えていかなければいけないと考えておりますので、不登校児童・生徒からの要望があった場合には、授業をオンラインで受けられるように、引き続き学校に要望してまいります。

 

◆長谷川たかこ 委員 

足立区版ではなくてもいいんですよね。民間でやっている動画配信、学力定着動画配信がありますが、すごくよくできているんです。単元ごとで、面白く興味を引き出す内容です。子ども1人だけに受けさせるのでは全く学力定着にはつながらないので、親の協力が必要になってきますが、親御さんにも一緒になって寄り添ってもらい、一緒に動画を見てもらいながら問題を解き、採点をする。一連のことをすることで、子どもの学力はアップします。
 

子どもを4人育てていて4人とも実践をしていますが、学力の定着につながっています。成功体験があるので是非やっていただきたいと思いますが、いかがですか。

 

◎教育指導部長 

今、いろいろな御提案をいただきました。まずは、学力向上というところよりも、学習意欲を少しずつ上げていくというところが、最初にやるべきことかなと思っています。そういう面では、今あるサービスを十分に活用していただくことを考えたいと思っております。

 

◆長谷川たかこ 委員  

教育指導部長もそう答弁していただいたので、正に今ある既存のものを活用しながらだと私も思っています。プラス親が、どれだけそれをきちんと理解し、把握しながら、子どもと一緒に伴走できるかというところもキーだと思っています。

私が今一番言いたいのは、親も寄り添うことが必要で、子どものやる気にもつながります。是非親も一緒に伴走し、子どもの成長を見守りながら学力を見守るという働きかけや促しを区として是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

◎教育指導部長 

それが理想だとは思いますけれども、なかなか御家庭の事情でそれがかなわないような御家庭もいるようでございます。保護者の連絡会を始めておりますので、そういったところからも声を聞いてまいりたいと考えております。

 

◆長谷川たかこ 委員  

親に心の余裕がないと、なかなかそこまでできないかもしれないという事は、私も親として感じるところです。しかし、できることを区として発信をしていけば、共感し、心に響く親御さんたちはたくさんいらっしゃると思います。

少しずつ浸透させるような形で、親の伴走を付けた子どもの学力支援や見守り支援、不登校支援の仕組みを是非つくっていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。