予算特別委員会の内容⑦【共同親権の支援制度の構築について】
◆長谷川たかこ 委員
離婚後の子育てに関する知識や支援があれば、より生きやすい社会になります。両親の離婚後も離れて暮らす親子が自然に会える社会の構築と共同養育を基軸に広めていくことが子どもの福祉にとって重要です。
先日の代表質問において、福祉部長よりご回答を頂きました裁判外紛争解決手続(ADR)利用者への支援及び親子交流支援の実施については、令和8年5月の施行予定の共同親権の導入と関連して、足立区としては、国の動向を注視しながら東京23区で導入している他区の支援を参考にするなど、区における支援の在り方について研究を進めて行くとのご見解でした。
ADRの支援は、親の離婚による子どもの心理的負担の軽減と安定した生活の確保を図るために必要な制度で、「子どもの気持ちを真ん中においた話し合いの場づくり」がしやすくなります。 離婚で揉めると、弁護士に相談し、裁判所での調停・裁判という流れになりやすいですが 「争うよりも歩み寄りを」をモットーに、子供のため、親子交流をすることが実現できます。夫婦が離婚を考えた際、弁護士に相談をし、裁判所での調停・裁判という流れが一般的です。しかしながら、「争うよりも歩み寄りを」をモットーに親子交流を促進することこそが、子の福祉の観点より重要視されつつあります。
【問】先ずは、ADRという制度が存在することを区民に知ってもらうことが必要です。区の戸籍課・親子支援課・区民の声相談課の弁護士相談を通じ、区民への周知啓発活動に是非とも力を入れて頂きたいと思います。裁判所を使うと係争は長期化します。ADRを使うことで時間を短縮し、親子断絶の期間を最小限にすることが出来ます。区の見解を求めます。
東京23区においては練馬区、江戸川区、文京区、墨田区がすでにADRに助成金を設けています。件数が少ないのは、周知啓発がうまくいっていないからではないかと思われます。必要な制度の為、ぜひ、足立区で導入してもらいたいと当事者団体より強い要望が出ています。
◎親子支援課長
今、国の方で、この共同親権の導入などの法改正の施行に向けて、具体的な制度の検討をしているところです。その中の検討課題の一つに、ADRの利便性の向上というのも挙がっておりますし、法務省の方では、当事者が、自ら紛争解決の手段を選択できるような体制づくりも必要だというのを述べておりますので、今後は、国の方から、この周知啓発活動に関する情報も下りてくると思いますので、まずはそれを活用した上で、関係機関で連携しながら、区でできる周知啓発活動をしてまいりたいと思います。
◆長谷川たかこ 委員
是非、区民の皆様に、ADR、どのような制度なのかということをしっかりと周知啓発することが、活用につながっていきますので、そこの部分、しっかりとこれから検討して、前向きに考えていただきたいと思います。
【問】共同親権導入後は、別居親・同居親「両方の立場」を理解すること求められます。当事者団体・親子ネットは国が法改正の際に、政府より法制審議会委員に指名され、立法側の立場を担いました。足立区として先ずは、別居親・同居親「両方の立場」の理解を深める事が求められます。別居親・同居親「両方の立場」を理解するためにも、事者団体・親子ネットを講師にお呼びし、区職員に対しての研修、講習会を早急に開催して頂きたいと強く要望致します。区の見解を伺います。
◎親子支援課長 長谷川委員おっしゃるとおり、いろいろな立場の方を理解するのは、とても重要だと思います。同居親、別居親以外にも、子どもの気持ちもありますし、支援団体又は学識経験者等の意見も伺いながらと思っています。
今、職員は、この法改正の施行に向けて、国や都以外にも、NPO等の民間でもたくさん研修を受けております。最近はリモートで受けられますので、自席で動画視聴研修というような形でたくさん受けることができています。
親子ネットも、幾つかそういったリモートでの研修もされていますので、まずはそちらを案内して、いろいろな立場の方を理解するように努めたいと思っております。
◆長谷川たかこ 委員
区の職員の皆様の御理解というところが一番大切となりますので、是非、御活用いただいて、研修を深めていただきたいと思います。
来年度相談窓口の設置や親子交流コーディネート事業などの実現を目指していただきたいと要望させていただきますが、いかがでしょうか。
◎親子支援課長
先ほども申し上げましたが、国の方が今、具体的な検討をしている中で、相談の在り方というのも、検討課題の一つに挙がっています。それから、親子交流については、この度の改正で、初めて親子の交流などという項目が挙げられ、家庭裁判所の役割等も明記されておりますので、これも同じような答弁になって恐縮ですが、国からの情報に合わせて、区の方針を検討していきたいというふうに考えております。
◆長谷川たかこ 委員
建設的にいろいろと構築していただきたいと思います。
強く要望いたします。お願いいたします。