決算特別委員会の内容①:【カラーユニバーサルデザインについて】
9月下旬から10月に審議した決算特別委員会の内容です。
テーマごとに分けて、順次ご紹介していきます。
決算特別委員会での私の質問は、3日間80分です。
本当に区民の皆様のお役に立つ政策、区民の皆様のための政策にお金が使われているかを予算の審議、決算の審議などを通して、チェックすることは、議員として大切な役目のひとつです。
先ずは決算特別委員会の初日では、少数派の方々の見え方について18年間取り組んできた内容について再度の提言をしました。
*****以下、委員会の質問と答弁(抜粋)です。*****
決算特別委員会の内容①:【カラーユニバーサルデザインについて】
【長谷川たかこ】
私が足立区議会に当選して1期目、初めての代表質問でカラーユニバーサルデザイン(CUD)の政策を提案してから18年が経ちました。特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構(略称 NPO CUDO(クドー))と足立区が協働でCUD推進事業を締結し、歩行者系案内サインマニュアルの策定や「足立区公共建築物整備基準」や「足立区公共施設等整備基準」についても、「全ての人の利用に配慮したユニバーサルデザインの考え方」を導入して頂きました。2008年には全国初の認証マーク付きの防災マップが作成され、2009年には足立区カラーユニバーサルデザイン(CUD)ガイドラインが作成されました。
私の政策提言が実現し、2012年には都市建設部にユニバーサルデザイン担当課を設置して頂き、同年には足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例を超党派の皆様のご理解と執行機関の皆様のご尽力により、策定となりました。足立区議会議員1期目、初めての代表質問から毎回の政策提言と足立区行政とNPOCUDOとの連携により、足立区議会1期4年で全国一番の取組みを実現しております。
全国的にも足立区の取組みは高く評価を頂き、マスコミや各自治体のお手本として、足立区は今もトップランナーです。足立区ではカラーユニバーサルデザイン(CUD)ガイドラインを策定し、印刷物に限らず区が制作・発行するあらゆる情報において、多様な色覚を持つ方に配慮した情報提供を進めてまいりました。これは従来、不十分であった色のバリアへの対応を先駆的に実行してきたものであり、現在も有効に活用されております。
ガイドラインの内容は普遍的なもので、根本的に改める必要はありません。
一方で、読みやすいフォントやレイアウトの工夫は印刷業界が長年取り組んできたものであり、区として発注の際にチェックポイントを設けるなどの活用は十分に検討可能です。東京ユニバーサルデザインガイドラインにおいては、前半の多くがCUDに関する内容であり、足立区のガイドラインと重複しています。そもそも、東京都のガイドラインも特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構が監修しており、その内容は足立区が既に策定しているものと大きな差異はありません。足立区のCUDガイドラインを全面的に置き換えるのではなく、フォントやレイアウトに関する部分を補足的に整理し、必要に応じて「別途」追加資料としてまとめていくのが適切であると考えます。区の見解を求めます。
【総務課長】
区のカラーユニバーサルデザインガイドラインにつきましては、長谷川委員をはじめ、議員の皆様の御協力もいただきながら、今お話のありましたカラーユニバーサルデザイン機構に内容や製作や監修をいただいたものでございます。
委員おっしゃるように、現在もこちらの区のこのカラーのガイドラインの概要は十分に有効な内容ですので、こちらは改訂せず、このまま使っていきたいと思っております。
今お話のありましたほかのフォントの部分などに関しましては、今回東京都のガイドラインで少し新しい要素がありますので、別に区が作成しているユニバーサルデザインの印刷物に配慮した印刷物ガイドラインというのがありまして、そちらの方に盛り込むなどして、それで補足追加などしていきたいと考えております。
【長谷川たかこ】
見やすく分かりやすいフォントやレイアウトの技術の教育については、公共的 な印刷物において、読みやすさを確保することは、 ユニバーサルデザインに限らず、従来から当然求められてきた編集スキルに属します。
これらは、 本来、印刷業界が自主的に担う事項ではございますが、区として発注する際にどのような点をチェックするべきかを示したマニュアルについては、 別途整備する意義はあると考えます。当事者からの要望を受けながら、改善を重ねていただきたいと要望いたしますので、よろしくお願いいた します。
【東京ユニバーサルデザインガイドラインの中身について:
NPOカラーユニバーサルデザイン機構より講評を頂きました】
足立区では「カラーユニバーサルデザインガイドライン」を策定し、印刷物にとどまらず、区が発行・制作するすべての媒体で多様な色覚に対応した情報提供を保障する取り組みを進めてきた。従来、日本社会における多様な色覚への配慮はきわめて不十分であり、多くの色弱者が人に言えず困難を抱えていた。足立区は先駆けてガイドラインを整備し、継続的に施策を実行してきた実績があり、その内容は基本的かつ普遍的で、現在も十分に有効である。
東京都ガイドライン36ページのうち、前半18ページと30~33ページはカラーユニバーサルデザインに関するものであり、その内容は足立区が既に策定しているものと大きな差異はない。したがって、全体を作り直すのではなく、19~23ページのフォントやレイアウトに関する内容、および24~29ページの個別対応一覧を新たに整備するだけで十分ではないだろうか。
また、委員から指摘のあった「見やすくわかりやすいフォントやレイアウトの技術教育」については、公共的な印刷物において読みやすさを確保することは、ユニバーサルデザインに限らず従来から当然求められてきた編集スキルに属する。ただし、当事者からの要望を受けて改善を重ねていくことは望ましい。これらは本来、印刷業界が自主的に担うべき事項ではあるが、区として発注する際に「どのような点をチェックすべきか」を示したマニュアルを
『別途』整備する意義はあると考える。