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決算特別委員会の内容③:【足立区公契約条例の実効性について】


足立区公契約条例は施行されて11年が経過しました。
先日の代表質問では、足立区公契約条例の実効性について提言しました。
足立区内の建設労働組合では、条例が施行して以降、毎月、適用現場に出向き、労働者から労働環境のヒアリング調査を行い、そのヒアリング件数は1000件を超えています。ヒアリング結果によれば、下限報酬額以上で就労している労働者は半分もいないとのご見解です。

 

私からは、先の足立区議会第3回定例会で、労働者が公契約条例を理解しきれていない状況もあり、元請け会社に確認するだけでは、課題解決とはならないのではないかとご指摘させて頂きました。


*****以下、委員会の質問と答弁(抜粋)です。*****


決算特別委員会の内容③:【足立区公契約条例の実効性について】


【長谷川たかこ】
【問】区長からは、「労働者の方々が公契約条例を理解しきれていないとのご指摘につきましては私も同感である」とのご見解でした。さらには、今後はすべての公契約の工事現場を訪れて条例の趣旨や労働報酬下限額等の制度を労働者の皆様方に周知徹底するとのご見解を頂きました。
このご回答をお聴きした足立区内の建設労働組合からは、「区の職員が現場に、いつ、どのように周知するのか、具体的な内容を知りたい」と区長よりご回答を頂きたいそうです。区長のご見解を伺います。

 

【契約課長】
公契約制度の具体的な周知方法ですけ れども、区職員と工事責任者との打合せですとか、 また、工事検査の機会などを捉えまして、周知を徹底していきたいと考えています。そして、ポスター掲示や周知カードの配布状況をできる限り把握してまいります。

 

【長谷川たかこ】
次に工事契約の予定価格についてです。

足立区では、国や東京都から示される積載基準に基づいて行っているとの区長からのご回答でした。


昨年度の足立区労働報酬審議会においても、受注者側から「予定価格が我々の請け負うべき金額とずれがある」という厳しい発言が出ており、足立区が積算する工事予定価格と受注者側が労働従事者に支払える額とに乖離があり、妥当ではないという議論が既に交わされている状況です。さらには、この審議会の中で区としては、「工事契約については、物価スライドの計算方法もある程度は定められたものがあるが、委託やその他の契約については、国からは適切に対応するようにという事だけで、具体的には、どのようにやるべきかという事は示されていない。」という見解を述べています。

 

【問】足立区労働報酬審議会での議論で、「既に国、東京都の基準では、元請け会社の見積額と足立区の予定価格にはズレがある」という声が出ています。区においては4年おきに郵送とインターネットによるアンケートを実施し、実態把握に努めていますが、それだけでは正確性に問題があります。区で独自調査をし、ズレが生じているか否かの事実確認が必要です。ズレが生じていることが明らかであれば国や東京都に意見書を提出し、即時に改善すべき重要案件です。その為にも、外部委託、もしくは調査をする為の専門部署を新たに設置し、専門家を交えた区独自の調査を行うことを求めます。
区長の見解を求めます。

 

【中部地区建設課長】
都の設計単価は、東京都の方で専門機関に委託して調査を行っているというふ うに聞いております。それは、やはり市場の実勢価格を取引している方からお話を聞いて設定しているというふうに聞いておりますので、足立区で改めて独自に調査をすることは、今考えておりません。

 

【長谷川たかこ】
この間、労働組合の方がおっ しゃるには、区長も同席のときに、区長からは、 やるべきではないかというお話があったということをお聞きしております。区長はどう考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【区長】
お目に掛かって、今長谷川委員のところに御要望があった件について、私たちも同じお話を伺っております。具体的に、どのように、組合の方とあとは工事を発注する側との考え方を埋めていくのかということについては、一朝一夕にはいかないと思いますけれども、区として、できる限りのことはやっていきたいとは思っております。 PTをつくるというようなことは、私ちょっとお話しした記憶はございませんけれども、区として、まずは全ての現場に入る、工事現場に入ると いうことから始めていきたいということをお話し いたしました。

 

【長谷川たかこ】
了解いたしました。その内容を是非とも進めていただきたいと思います。
区として、なかなか介入が難しい課題との認識でございますけれども、他の自治体、例えば、埼玉県、新潟県、福井県、京都府、鳥取県、三重県、 宮城県では、時数制限に取り組んでいる実態があります。そのような次数制限を行っている自治体の調査を早急に行うよう要望致します。区長の見解を伺います。

 

【契約課長】
長谷川委員おっしゃるように、埼玉県 などで、県レベルで取組を行っているということは認識してございます。ただ、まだ本質的に建設 業に関連する方々の問題でございますので、区として介入することは難しいと考えますけれども、 他自治体の取組については、引き続き、研究してまいりたいと考えてございます。

 

【長谷川たかこ】

是非とも時数制限を行っている自治体の研究を行っていただきたいと思います。足立区公契約条例第10条には、下限額を下回る場合、その事実を足立区総務部契約課に申し出ることができるとの通報制度がありますがその通報制度は、この11年間、工事部門において労働者側からの問い合わせは年に数回程度で通報レベルまで至っていないのが現状であると先日も申しました。

第10条の通報制度は、機能を果たさない状況が続いていると組合から今年も痛切なお訴えがあります。

 

今以上に、行政がもっと主体的に関わることが条例の実効性を上げるポイントの1つとして、国レベルにおいては、法律の実効性を高めるために建設Gメンと言われる専門チームが設けられているので、足立区においても、同様の専門チームを立ち上げ、公契約条例がきちんと施行されているか否かのチェック機能の強化を求めました。これに対する区のご回答は、新たに専門チームを設けることは考えていないとのご見解です。

 

【問】国は建設業担い手の存続に危機感を持って、担い手3法を3回変えました。足立の地域を守るのは地域の建設職人です。地域の守り手を育成する公契約条例の実効性を高めることは最も重要なことです。だからこそ、条例の実効性を高めるためにも行政がもっと踏み込むべきです。

公契約条例が施行されて11年が経過しましたが、条例が機能していないのは明白です。その理由として低い労働費による工事請負金額の見積もりが原因であると考えられます。建設業法でも、そのことが禁止事項であるので、足立区がもっと積極的に踏み込んで調査すべきであると代表質問が終わった後も、足立区内の建設労働組合から強くお訴えが連日のようにあがっております。

このお訴えを聞いて、区長はどのように感じ、今後、どのように動いていくおつもりなのか、区長の見解を求めます。

 

【区長】

連日ということではありませんけれども、 本会議答弁の後も、土建の皆様方とは、一部の事務局の方とはお話をしております。まずは、先ほどから申し上げてるとおり、全ての工事現場に入って、条例の内容等の周知をする、今できること から始めていきたいということは申し上げております。

 

【長谷川たかこ】

連日というのは、代表質問を終わりまして、私のところに、毎日のように建設労働組合さんとお話をしております。今度、衆議院の森ようすけ氏、東京13区選出ですけれども、この件について国の方に提言をするというふうに申しております。今度、現場の方にもお伺いし、皆様とお話をする予定でもございます。そういう状況の中で、連日というふうにお話しさせていただきました。

【問】労働報酬下限額を下回っていることの正確な確認ができないとのご回答でしたが、条例違反かどうかのラインが日額で数百円程度なら正確な賃金の確認が必要ですが、足立区内の労働組合の調査では、5000円前後の乖離があるとのお訴えです。このことについて区の見解を求めます。

 

【契約課長】

この東京土建組合が行った調査は、現場で口頭での調査と聞いております。どなたか個 人も特定できない状況で、なおかつ給与明細など、根拠資料もない状況でございますので、正確な確認ができない状況では、この調査だけをもって条例違反であるということは即断できないと考えてございます。

 

【長谷川たかこ】

だからこそ、区独自で、是非 ともその部分を担っていただきたいというお話が 入っているわけでございます。是非、そういうことも鑑みて動いていただきたいと思います。

【問】「工事現場の朝礼は、作業を安全かつ効率的に行うため、当日の作業の内容や注意点、従事者の体調確認等を行う時間のため、区職員が条例を周知する時間には適さないと考えます。」と区からご見解を頂きましたが、条例周知は一同が集まる朝礼が最も適しており、『労働報酬下限額以下は条例違反』という1点に絞れば容易に伝わり、強いメッセージとして周知につながると区内の労働組合が強くご主張されております。

是非とも、再考を強く要望致します。区の見解を求めます。

 

【契約課長】

繰り返しになりますが、工事現場での 朝礼というのは、作業を安全かつ効率的に行うために、当日の作業内容や注意点、そういったもの、 また従事者の体調管理とかそういったものを確認する貴重な時間でございますので、この条例を周知するという時間にするというのは適さないと考えております。ただ、確かにこの条例の周知というのは必要だとは、重要だと思っておりますので、区としてもできる限り周知に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 

【長谷川たかこ委員】

この課題解決に向けて、今、 これからも国に衆議院の森ようすけ代議士もいろいろと提言をするというお話も入ってきております。私も、この足立区において、どういうふうな形で課題解決ができるかということを日々研究してまいりますので、皆様、建設的にこの課題解決に向けた御尽力、是非ともよろしくお願いいたします。