決算特別委員会の内容⑥:【デマンドタクシーの是正について】
【長谷川たかこ】
交通過疎地対策として、入谷・鹿浜地区におけるデマンドタクシーの実証実験が昨年6月より開始し、今年の4月1日より本格運行へ移行しました。デマンド型交通足タクでは、今年8月5日常東地区で実証実験の運行が開始され、10月20日より花畑地区において実証実験されます。
私は入谷・鹿浜地区のタクシー会社のヒアリングを継続的に行っておりますが、実証実験当初より懸念している複数の問題が、現在の本格運用にあたり顕在化してきている状況です。そもそも、この事業に参画をするための手を挙げる事業者が少ない上に、事業者からは地域貢献度が低く、営業上もメリットが低いとのお話です。午後は事業所にタクシーが待機しておらず、配車が著しく困難である事、電話による直接の申し込みは非効率的で利便性を欠くと事業者よりご指摘を頂いております。
利用者は運賃のお得性よりも乗車の確実性、即時性を重視しているとお聞きしております。
【問】利用したい方が利用したいときに予約をするためにも、再度、タクシー事業者の協力を頂けるよう区として、タクシー会社に再度の協力要請をお願いし、車の台数を増やすことが必要です。その為にも、北区のように区が1日車を借り上げ(参考:北区1日1台37000円位の15台の借り上げ)、運行してみたらいかがでしょうか。区の見解を伺います。
【交通対策担当部長】
足タクについては、この4月にも追加の募集、事業者の募集をさせていただい たところなのですけれども、残念ながら手が挙がらなかったところでございます。その点については、随時追加の募集等もやらせていただきたいというふうに考えております。
【長谷川たかこ】
了解いたしました。
【問】葛飾区においてはこれから足立区のように足タクが導入をされるそうですが、北区、葛飾区においては配車アプリを用いて、事前予約もできるそうです。足立区においても配車アプリを用いた仕組みを構築すべきと考えます。
しかし、グループ会社となっていないため、配車アプリが不可能ならば、コールセンターを設けるべきだとの声も挙がっております。現在、各事業所に利用者が電話をする仕組みになっていますが、これを1本化し、コールセンターを設置してもらいたいと実際に運行している事業者からご要望が強く入っております。
北区においては国の補助金を活用し、要介護、要支援認定者と障害のある方はワクチン接種会場へのタクシーでの移動支援を全額無料で行っており、荒川区においては、高齢者や障がい者、妊娠中の方、乳幼児を連れた方、またはその他の特定の状況にある方々が、必要な場合に無料でタクシーを利用できるようになっています。
それぞれの区では、利用したい方には前日までに予約をしてもらうシステムで、その際、事業者から事前予約の為の料金は発生しないシステムとなっています。
以前も申しましたが、利用者は概ね20分から30分前までに利用予約することとなっています。しかし、事業者のヒアリングでは、どこの会社も近隣駅に留まっている車が無線を受けてから現場に行くので、20分前では到底間に合わないとのお話です。
ご説明を受けた事業者からは、この実証実験を本気で成功させるためには、以下の点を改善させる必要があるとご指摘を頂きました。
- 利用される方にご不便をかけさせないために、利用する前日若しくは早朝までに事前予約を取り、各事業所に一斉に流してもらうのが良いとの話です。その為には、今、想定しているやり方を見直し、窓口を足立区で一本化し、事前予約では会社ごとに別料金を取らないことを予め締結する。無料のみの事業者に参画をしてもらう。
以上のご指摘です。他の自治体では、予約センターの運用、独自アプリの開発、東京無線5千台規模の無線配車提携など、効率的な運用をしています。
これらの仕組みを構築することを強く要望致しますが、区の見解を求めます。
【交通対策担当部長】
先ほど、たがた議員のところでも御案内させていただいたところでございます けれども、改善すべき点について、区としても今 洗い出し等を行っております。また、北区の事例、それから葛飾区で始まった事例につきましても、随時情報収集をしてまいりまして、この先、若い世代も利用できるような形での改定というのを目指していきたいというふうに考えております。
【長谷川たかこ】
そうですね。いろいろな世代の方々が使える、使い勝手のよい足タクを構築す ることが必要だと思いますので、是非とも建設的にいろいろと考えていただきたいと思います。
【問】さらに、利用エリア及び乗車ポイントの見直しを求めます。東京女子医科大学付属足立医療センターなどの医療機関や駅、公共施設等の見直しが必要であるとタクシー会社より強くご要望が挙がっております。区の見解を伺います。
【交通対策担当部長】
こちらの点につきましても、長谷川委員おっしゃるとおりで、やはり御意見等 いただいているところでございます。 また、実際にやっぱり範囲を広げるというのですか、行き先等を広げる場合には、やはり配車の問題等もございますが、あと、既存のバス路線の状況もございますので、そうした状況も勘案した 上で検討させていただきたいというふうに考えます。
【長谷川たかこ】
分かりました。
【問】地域限定の区民アンケートでは、キャッシュレス決済が出来るよう要望がありました。システムを構築し、利便性の高いデマンドタクシーとなることを望みます。区の見解を求めます。
【交通対策担当部長】
繰り返しになりますけれども、 葛飾区で始まったものには、やっぱりキャッシュ レスというのもございますので、そういったところも研究させていただきたいと思います。
【長谷川たかこ】
是非お願いいたします。
【問】タクシー事業者とのさらなるヒアリング、そして幅広く区民の皆さまのご意見を集めながら、ニーズの把握に努め、更なる施策交通過疎地を少しでも減らし、ほかの地域にも拡大した事業として成功するよう、修正を重ね、少しでも利用者が伸びるような制度にできるよう目配りが必要です。
区長の意気込みと見解を伺います。
【区長】
まだまだそうしたタクシーのサービスを求めている地域がたくさんあると認識しておりますので、一つ一つ丁寧にニーズを把握しながら、より充実した内容となるよう努めてまいります。