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決算特別委員会の内容⑫:【不登校生徒に対する学習支援について】

【長谷川たかこ】

現在、全国的にも、高校生の不登校生徒数が増加傾向となっています。

文部科学省が発表した高校生の不登校生徒数は、令和5年度には過去最多の約68,770人に達しました。これは新型コロナ以降、継続的に増加している傾向で、区内では令和5年度、長期欠席に該当する不登校児童・生徒が小学校で572人、中学校で960人、合計1,532人にのぼり、前年比で31.8%の大幅増(小54.2%増・中21.4%増)となっています。

 

私の所へご相談が入りました。今年4月、通信制高等学校に入学した1年生のお子さんが、通学もできず、オンライン授業も受けられず、不登校の状態となっています。そのお子さんは中学2年生から不登校となり、十分な学習を積み重ねられないまま高等学校へ進学しました。

 

進学先の高等学校には不登校への理解があり、一定のサポートもあります。けれども、中学校過程の学習内容に大きな抜けがあるため、授業についていくことが難しく、結果的に通学もオンライン授業も困難になっています。現在は参考書を用いて自宅で自学していますが、疑問点を解決できる環境がなく、自宅学習には限界があります。特に英語と数学で大きくつまずいており、特に数学は積み重ねが必要な学問であるため、中学校の内容からの学び直しが不可欠です。一度理解につまずくと、その後の学習も理解できず、インターネット等で調べながら取り組んでいるそうですが時間がかかり、高等学校の学習に追いつくことが困難な状況です。

 

・「学びの保障」が急務の課題

不登校になっている子どもに対して「無理に行かなくていいんだよ。」という言葉は浸透してきましたが、ではその後どうしたらよいのか?その子どもの主体の学びの場という受け皿が完全ではありません。

 

文部科学省の最新の調査によれば、不登校の小中学生の数が約30万人と過去最多になり、高校生でも2年連続で増加しているのに加え、専門機関とつながっていない子ども達が11万人以上に上るなど、不登校支援は依然として学校や自治体が最優先で取り組むべき喫緊の課題となっています。文部科学省は、不登校支援の充実と問題解決に向けて全国的に「誰一人取り残されない学びの保障」を目指すCOCOLOプランなど不登校対策を打ち出しました。その背景には、専門機関につながらない子ども達が11万人を超えており、国としても大きな課題として問題視され始めました。子どものSOSを受け止め、子どもの心に徹底して寄り添い、教育委員会や民間団体などが関係する機関と連携し、きめ細やかな不登校対策支援を行う事が喫緊の課題です。

 

足立区においては、夜間中学を活用した学びの場づくりとして、足立区立第四中学校夜間学級があります。また、足立区在住の中学生及び中学まで利用していた高校生、高校中退者・未進学者を対象とした学習支援、居場所支援、食事提供として梅島にあるカタリバ・アダチベースがあり、さらには、キッズドアによるyour placeあやせがあります。都立高校では、昼夜間定時制・単位制の「チャレンジスクール」が足立区小台に開校されました。不登校や中途退学経験のある高校生が、自分の生活に応じた時間帯で学べる教育の場として提供されています。

 

しかし、先ほども申し上げました通り、専門機関につながらない子ども達が全国的にも11万人を超えている実態とこの課題を何とか駆け足で解決していく必要性があります。優先順位を上げて課題解決のために取り組んでいくことが、喫緊の課題です。

区内不登校特例校の学校説明会に参加をした保護者からの話によると「小学校1年生から不登校で勉強が付いていけないような場合には、お断りをすることになると思います。」と告げられたそうです。不登校特例校でありながらも、学び直しの基準が小学校まで遡らず、あくまで中学校の内容の学び直しをする程度の学習支援になっていると悲痛な叫びをお聞きしました。

 

この件を足立区教育委員会に申しましたところ、早速のご対応を頂きました。足立区にある不登校特例校では、その後話が変わり、『学力で決めるのではなく、本人がチャレンジする意思があるのか?』を見ているとのご見解を示されました。私に相談された当事者の保護者へ教育委員会からのご回答をお伝えしましたが、小学校の基礎学力がついている生徒しか入学をさせないという話しを学校関係者から言われたそうです。対応する職員によって話が二転三転しているようで、学校に対する不信感につながる話です。

 

【問】小学生時代の不登校故に小学校まで遡っての学び直し支援が必要なのは当然のことです。不登校特例校で「あくまで小学校の基礎学力が備わっていることが前提」のカリキュラムとならないよう、つまずいている小学校の学年まで遡って学習支援を行うべきです。区内にある不登校特例校に対し、遡っての学習支援をしっかりと行うよう、区として申し入れることを強く要望します。先の話からだと個々の職員によって対応が違うのかと疑わざるを得ない状況です。区の見解を伺います。

 

【不登校施策推進担当課長】

当該学校にも確認させていただきましたが、小学校期からの学び直し、 また、習熟度別の学習をしていることは確認をさせていただいております。

また、一般論にはなるかもしれないのですけれども、子どもが継続して通学するというところには、保護者の思いというのもあるかと思います。しかし、子ども御自身が自分で通学すると決めた意思を最優先にすることが重要ではないかと認識しております。

 

【長谷川たかこ】

実際のところ、再度、保護者の私がお聞きした所、保護者からは「学力で決められてしまっているという話しが直接あったんだと」お訴えになられております。その時に対応した職員によって二転三転しているという事実があるようです。

その事実をしっかりと教育委員会の方で把握をされ、不登校特例校にお話をしていただけますでしょうか。

 

【教育指導部長】

今頂いた御意見につきましては、 お伝えいたします。

 

【長谷川たかこ】

お願いいたします。議員 として授業料の補助の提案をし、不登校の子どもたちを受け入れる学校でへの支援の補助が付きましたが、学力で入学の基準を設けていたのであれば、それこそ前代未聞です。是非とも遡っての学習支援が行われるよう強く要望いたします。区からも強力に働き掛けをしていただきたいと思います。

 

【問】次に中学校過程の学び直し支援制度の導入が必要です。

通信制・不登校を経験して高校進学した生徒が、特に英語・数学など基礎科目でつまずかないよう、専門家による個別指導や学習相談を受けられる既存の制度の周知啓発に努める事を要望します。既存の事業で「家庭学習支援事業(家庭教師派遣制度)」の支援対象者拡充を政策提言し、現在は小中学生にまで対象者を広げ、各50名の人数の拡充と月回数の拡充として月8回まで、オンライン付きの支援事業の拡充をして参りました。今回、この支援を高校生にも行ってもらいたいという区民の声が複数挙がっております。高校生にまで年齢を拡充させ、基礎学力の補完を促すことは重要です。現在、若年者支援協議会で様々な課題が議論されていますが、高校生の不登校生徒に対する学力の支援をここでも議論していくべきです。区の見解を求めます。

 

【子どもの貧困対策・若年者支援課長】

高校生以上の若年者支援については、今後区としても取り組 んでいくべき課題であるというふうに認識しております。

 

御質問のあった家庭学習支援事業につきましては、不登校児童・生徒を対象としまして、家庭教師を派遣して、学習面の支援に加えて、講師との関係づくりからコミュニケーションの向上も図りながら、チャレンジ学級などの学びの機会につなげていくということを目的として運用されているようです。一方で、高校生の場合につきましては、義務教育ではないという点、それから、就労とか専門的な学校など学びの選択肢も多種多様にありますので、小・中学校とは状況とか対応方法が異なる部分がそこにあるだろうというふうに考えておりま す。

 

したがいまして、現時点では家庭学習支援事業を高校生に拡充するというところについては考えておりませんけれども、頂いた御意見につきましては、若年者協議会の中で関係者と共有してまいりたいというふうに考えております。

 

【工藤てつや委員長】

 残り1分です。

 

【長谷川たかこ】

夜間中学やチャレンジスクールとの連携強化を求めます。

すでにある教育の場を活用し、高校生が気軽に参加できるよう環境を整備することが重要です。特に夜間中学のような柔軟な学びの空間やチャレンジスクールとの連携は有効な手立てとなります。区として、足立区立第四中学校夜間学級が気軽に活用できる環境づくりと都立小台橋高校の周知啓発に努めることを強く要望致します。区の見解を求めます。

 

【工藤てつや委員長】

簡明にお願いします。

 

【不登校施策推進担当課長】

小台橋高校並びに第四中学校夜間学級についても、それぞれの特色をしっかりと引き続き丁寧に周知を図っていきたいと考えております。

 

【工藤てつや委員長】

簡明に。

 

【長谷川たかこ】

足立区の不登校者が増加している中、高校進学後も学びの抜けが原因で苦しむ生徒が確実に存在しています。全国的な課題として、高校段階での学び直しの必要性が高まっており区としても柔軟かつ包括的な支援策を講ずることは重要です。足立区での夜間中学やチャレンジスクールといった実践的な取組を生かしつつ、足立区に住む全ての高校生が「安心して学び直し」に取り組める環境を、これからも是非全力で環境を整えていただきたいと思います。

強く要望いたします。ありがとうございました。