✩文教委員会【いじめ重大事態等調査委員会設置条例について問う】
【第143号議案説明資料】
足立区教育委員会いじめ重大事態等調査委員会設置条例
所管部課名:教育指導部教育指導課
内容:条例の制定理由
文部科学省が令和6年8月に改訂した「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の趣旨を踏まえ、調査の公平性・中立性を確保するために、普段から自治体のいじめ対策等への答申等を行う附属機関とは別に、いじめの重大事態の調査に特化した附属機関を新設する必要があるため今回、調査委員会の設置条例について、文教委員会で提示されました。
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いじめ被害者が救われていない現状が少なからずここ何年も生じている中で、「いじめ防止対策推進法」と「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の遵守、いじめの未然防止教育を徹底させることが急務であることを文教委員会や10月決算特別委員会で提言しております。また、遡る事、今年7月の第2回足立区議会定例会でも討論をさせて頂いているところです。
「いじめ防止対策推進法」(以下、法と記す)では、いじめに関しては、学校の設置者(教育委員会)に責任がある(法7条)、学校に責任がある(法8条)、と記載されており、いじめの重大事態が発生した場合は、「学校や教育委員会が行ってきた教育に問題はなかったか」も調査されます。ですから、第三者的な構成による「第三者調査委員会」による調査をすることとされています。しかし、重大事態の発生を把握していながらも第3者的な調査委員会を設置しない事例があり問題があるのではないかという見解を有識者の辰沼小学校元校長 仲野繁先生よりご指摘いただきました。
今回の条例制定について、子ども版地域包括支援センターを創ろうの会でも議論となり、辰沼小学校元校長 仲野繁先生を中心とした会の中でまとめました。
内容は以下の通りです。
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【子ども版地域包括支援センターを創ろうの会より提言】
まず、「意味のある報告書を作成するために必要な調査員とは?」という視点が不十分である。理解しておきたいのは、いじめ重大事態の調査は、「民事及び刑事の責任を問うためのものではなく、学校が適切な対応を行うための提言」のために行うものである。
〈評価できる点〉
調査は、第三者が行う点
〈不十分な点〉
区が提示する調査委員はアからウ
- 弁護士
- 調査する事案に応じて、心理や医学、福祉等、各種能団体より推薦された専門家
- 対象児童・生徒や保護者が要望する職域の専門家
ここでいう、対象児童・生徒や保護者が要望する職域の専門家が曖昧である。
調査の目的は、
①事案の解明
②事案の対処(被害者支援と加害者への教育)
③同種のいじめの再発防止策
の3つが挙げられる。
このうち、①は、弁護士が不可欠となり適任。
問題は ②③です。 ②③では、学校や教育委員会が実施する内容の提言を行う。例えば ②では、加害者が、再度、同種のいじめをしないような指導教育の提言をする。これについては、一般論は誰でも提言できるが、学校現場での実践可能な具体的な提言は学校での生活指導に精通した人間でないとできない。
具体的な委員の選定については、実効性ある人選を求める。
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主な制定内容:
(1)設置する附属機関の名称:足立区教育委員会いじめ重大事態等調査委員会(以下「調査委員会」という。)
(2)附属機関の所掌事項 いじめ重大事態等が発生した際の調査
(3)附属機関の組織 教育委員会が委嘱する委員5人以内で組織する。
一部改正する条例の内容概要:
本条例制定(附属機関の設置)に伴い、次の各号に掲げる条例を本条例の付則により改正する。
- 足立区いじめ等問題対策委員会設置条例
ア改正後の附属機関の名称の変更
足立区教育委員会いじめ等問題対策委員会
イ改正後の附属機関の所掌事務の変更 教育委員会、学校のいじめの防止策への助言、答申等 ※「調査」に関する規定を削除することにより、調査委員会の所掌事項との重複がないことを明確にする。
施行年月日:
令和8年1月1日から施行。
今後の方針:
本議案が可決されたならば、施行日以降、本調査委員会においていじめ重大事態等の調査を実施していく。









