予算等区別委員会の内容⑧【多様化複雑化する教育課題への対応と新たな学びに向けた取組みについて】
全ての子供たちへのよりよい教育の実現に向け、学校における働き方改革と多様化複雑化する教育課題への対応と新たな学びに向けた取組みを行うことが喫緊の課題です。
1.発達障がい特性のある子どもに対する支援事業の拡充について
現在、通級による指導を受ける児童生徒数は増加しており、小中学校においては全国的には15万4千人、高等学校については約1700人が受けています。このうち学習障がい、注意欠陥多動性障がい、自閉症が6割を占めています。そして、高等学校における通級による指導については、平成30年度より制度化してから7年が経とうとしています。今後、通級による指導を受ける児童生徒数はさらに増加すると考えられ、新たな通級指導室の設置や通級による指導体制の整備や実施形態の検討も必要となってきます。教員一人一人が特別支援教育に関する理解を深めて、特別支援教育を担う教育の育成を図る事が重要です。
足立区では東京23区の中でもいち早く全校通級となるよう、全小中学校に配置されました。通級に関しては、原則的に自校通級・巡回児童を文科省として促していますが、他校通級(通級を行なっている学校に通う)を妨げるものではないとのことです。通い慣れた環境で児童生徒が授業を受けることが望ましいそうですが、同じ学校に通っている友達に知られたくない児童も多いため強制はしていないそうです。また、学校間によって支援に差があり、これらの事情で他校に通うことを決断されるご家庭もあるとお聞きしています。
足立区においては公立に通う子ども達には、全小中学校に通級が設置されており、公立に通う全児童生徒のみが対象です。国立・私立に通う児童生徒はその対象外となっています。文科省では、通級に関しては、受入先の学校の判断で他校の生徒でも実施可能との見解を示しており、国立・私立に通う児童が公立の通級を利用することを法令上で禁止しているわけではありません。今回、調査をしたところ、公立小中学校が受け入れると判断すれば、国立・私立に通う児童が他校通級を受けることは法令上可能であると文科省よりご見解を頂きました。
国立・私立に籍を置く子ども達の中にも入学後に特性故に生きづらさを抱えている子ども達がいます。学校の方では支援対応が不可で、退学になる子ども達が後を絶ちません。文科省の見解によると「特別支援教育就学奨励費」として他校通級に係る交通費等に対する支援を国事業として実施しており、当該事業を国立・私立に通う児童が受けることは可能です。文科省より回答を頂きました。そもそも足立区においては、辰沼小学校、保木間小学校、鹿浜五色桜小学校辰沼小学校、そして花保中、十中等で他校の生徒たちを集めて通級を行っていた歴史があり、東京都においても、私立学校の児童生徒が、区立学校の特別支援教室を利用するかどうかの可否は、自治体の判断としており、禁止をしているわけではありません。
国立公立・私立に籍を置く発達障がい特性ある児童生徒に対し、区内の公立小中学校の通級に通えるように支援の拡充を求めていきたいと思います。
*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****
【多様化複雑化する教育課題への対応と新たな学びに向けた取組みについて】
◆長谷川たかこ 委員
足立区においては、辰沼小学校、保木間小学校、鹿浜五色桜小学校、そして花保中学校、第十中学校などで、他校の生徒たちを集めて通級を行っていた歴史があります。
現在、言語の通級指導については、私立、国立小学校に在籍していても、中川東小学校、弥生小学校、千寿本町小学校の3校で行われている言語通級指導の支援体制に入ることが可能です。しかし、コミュニケーションや情緒における通級には入れません。東京都においては、私立、国立の児童・生徒が、区立学校の特別支援級を利用するかどうかの可否は、自治体の判断としており、禁止をしているわけではありません。先日、文部科学省からも、各自治体の裁量でできると見解を示していただきました。
国立、私立に籍を置く発達障がい特性がある児童・生徒に対し、区内の公立小・中学校の通級に通えるように、支援の拡充を是非とも行っていただきたいと強く要望いたします。
教育長の見解を伺います。
◎教育長
公立小・中学校だけでなく、様々私立も国立も、そういったところにそういった課題があるお子さんがいるのは承知しております。
ただ、区内の小・中学校の状況も、発達特性のあるお子さんの数が増えているという状況がありまして、現在あるコミュニケーション教室の方でも、なかなか定員がいっぱいで、教員がなかなか手が回らないという実態もありますので、ちょっとそれを踏まえて、現場の状況を踏まえながら、それについては考えていきたいと思います。ただ、今すぐにできるという状況ではございませんので、御了解いただければと思います。
◆長谷川たかこ 委員
先日もお話をさせていただきました。
特別支援級の人数が多くなっているということをお聞きしました。
公立通級学級の教室を広げる等の拡充が必要なのか、と思うところもありました。
引き続き、私の方からも、いろいろと調査研究しながら、御提案などもさせていただきます。私立・国立では、その支援の場がありません。問題行動が起きると、すぐに退学になってしまう状況も多々あります。知識ない故に、親御さんたちが、また次の私立学校に転校してしまい、同じような状況が起きているともお聞きしております。
是非とも、私立・国立に通う児童生徒が、公立の通級学級に通えるよう、門戸を広げていただきたいと思います。私も研究して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。