【8月4日:足立区議会議会改革を全力で推し進める会の視察1日目:静岡県島田市:島田市版ネウボラについて】
少子化は国家的な課題です。
2015年から国や東京都ではフィンランドのネウボラを模範とした子育て応援事業を行っていましたが、東京23区中、唯一、足立区だけが国や東京都の補助事業に手を挙げていませんでした。私の議会提案、そして有志の皆で議会への請願活動を精力的にし続けた結果、2020年9月からデイサービス型産後ケア事業やフィンランドのネウボラ制度を模倣した、とうきょうママパパ応援事業が実現し、2022年には宿泊型産後ケア事業が始まりました。
さらに我々は、子どもを産み育てる新たな支援策の拡充を行っていきたいと思います。
今回の調査は島田市の島田版ネウボラ事業についてです。
【ネウボラとは】
フィンランドで長年行われてきた母子保健システムのことです。
妊娠・出産・こどもの成長といった家族の節目に、健診や相談に応じながらその家族の担当保健師が、ずっと寄り添っていくサポートシステムです。
【島田市版ネウボラ】
島田市では、平成31年4月から「島田市版ネウボラ」がスタート。
同じ保健師が妊娠期から子育て期にかけてご家族を担当し、赤ちゃん訪問や健診などで、顔を合わせながら切れ目のないサポートをしていきます。
島田市では、家族が抱える問題や子どもの発達や家族関係、夫婦関係、経済面、養育者の心身の問題など複雑化し、専門的な知識が必要となるケースが増え,対応に要する時間も増加していたそうです。ハイリスク家庭への対応に追われるため,比較的リスク要因が少ないケースには目が行き届かず,問題が表面化したときには大きな問題となるといった悪循環も生じていたそうです。
【担当保健師がつきます】
担当保健師は、子育て世帯のご家庭を担当し、赤ちゃん訪問やお子さんの健診など、節目節目の機会に顔を合わせながら、相談に対応されます。
相談内容によっては、他の相談窓口につないだりとお母さんからの相談だけではなく、お父さんやおじいさん、おばあさんからのご相談にも対応しているそうです。家族全員へのサポート体制を完備。どこに相談したらいいかわからないことは、まずは担当保健師に相談するようにと心がけているそうです。
【家庭ごとに担当保健師がいると何がいいの?】
妊娠から始まり、出産後の赤ちゃん訪問、お子さんの健診の際の相談など、原則同じ保健師が担当することになるそうです。
その後家庭の状況やご両親の考え方、お子さんの様子をよく理解した上で対応できるようになり、担当保健師は、家族と顔見知りになることにより、どこに相談したらよいかわからないといった当事者家族の不安も少なくなり、些細なことも相談しやすくなるという利点があるそうです。
【担当保健師は、いつから配置されるの?】
令和元年度から母子健康手帳を交付した家庭から、担当保健師を配置。
そのほかのご家庭は、必要に応じて順に担当保健師を配置されています。
令和6年度までには、4歳未満のお子様のいるご家庭のすべてに担当保健師が配置されるようになっています。
【担当保健師は、どこでわかるの?】
担当保健師が決まっている場合には、母子健康手帳の最終ページに記載されるそうです。相談や困りごとがあった場合には、担当保健師に連絡すれば、即対応。
【担当保健師はずっと変わらないの?】
基本的には、人事異動や長期休暇とならない限り、変更はせず同じ保健師が担当。変更の希望がある場合は、お申し出により変更可能との事。
※※※
足立区においては、ハイリスク家庭との関わりでは支援事業をすでに構築していますが、ハイリスク家庭への対応に焦点を当ててばかりで、比較的リスク要因が少ないケースには目が行き届かず、問題が表面化したときには大きな問題となるといったことも生じています。
妊娠期に家族以外の支援者と多く関わり、信頼関係を築いた母親が、出産後も妊娠期に関わった保健師や他に寄り添ってくれる人に頼って相談する事が出来る環境が必要です。
また、母子を取り巻く家族や養育環境を把握し、アセスメントしやすい体制を構築し必要時に支援につなげやすい環境を行政主導で整備することが急務です。
足立区の母子保健システムをさらに見直して、
①妊娠期から同じ保健師などが継続して関わることができる仕組み
②父親を含めた家族を支援する仕組み
以上のものを足立区として構築していきたいとさらに感じました。
本日は、お忙しい中、副議長には土屋議員のお子様のお世話も長時間して頂きました。また帰宅の際には議長にも送るまでお送りいただき、大変恐縮でございます。
感謝でございます。
本当にありがとうございました。島田市の取組みをしっかりと足立区にも導入していきたい思います。


















