6月21日 開催の「環境サミット in 足立」について
先日の予算特別委員会(3月25日の記事参照)において、私は、他の多くの自治体で環境問題への取り組みのひとつとして実施されているプラスチックゴミの分別・リサイクルを実施していない足立区が、ホストとして環境サミットを開催することへの批判がある可能性について触れました。
(ゴミ問題に関しては、昨年の代表質問でも取り上げました)
予算特別委員会では、「環境サミット」において、足立区として何を発信していきたいのかという具体的な内容を問う質問をしました。
しかし、行政側からの回答は、「検討中」とのことで、具体的な内容は示されませんでした。
そこで、先週、民主党政調会長と一緒に、「環境サミットin 足立」について、環境部の方とお話しをしました。
環境サミットにお呼びする予定の方々を拝見すると、
・海面上昇により国土が消滅の危機にあると言われているツバルの副首相
・環境首都コンテストでも高い評価を受けている多治見市、宇部市の両市長
・命がけでエベレストなどのゴミ問題に取り組んでいる登山家の野口氏
などをお呼びすることが決まっています。
そのような、深刻な問題を抱えている国や、実際に取り組みを行い、国内外でも評価されている自治体、また、命を懸けて環境問題に取り組んでいる方を招いて、足立区がホストとして開催する以上、足立区でもそれらの方々と比較して、恥ずかしくない、見劣りしない取り組みを宣言し、また実際に実施していかなければなりません。
そこで、開催まで数週間となった現段階で、この環境サミットにおいて、具体的に、足立区として何を目玉に、誰に対して、どのような宣言、意志を示すのか、また、それらの宣言について、参加者の合意は得られているのか、また他の参加者の主張は反映されているのかお尋ねしました。
以下、話し合いの際に、行政に私の方から指摘させていただきました内容です。
【1】 「環境サミット」と言うからには、まさに「環境に関する頂上会議」であるべき。
【2】 今回、温暖化の影響もあるとされる海面の上昇により、国土が消滅の危機にあるツバルの副首相を招くということは、国際的にもしっかりした内容が必要。
【3】 「環境サミット」という名称にしては、温暖化に関することしか見えてこない。
今回、ゴミ問題に取り組んでいる野口氏を招くということだが、足立区でも大きな課題のひとつであるゴミ問題も、もっと前面に出して議論すべきではないか。
環境問題というと、このほか、大気・水質・土壌などの有害物質による汚染問題。環境ホルモンの問題。森林の伐採や放置林の増加などの(主に治水)問題などがあるが、それらは、どのように取り扱っていくのか?
【4】 足立区よりも先進的な環境への取り組みをしている宇部市、多治見市(両市とも、環境首都コンテストなどにおいて、国内外で高い評価を受けている)の市長らを招いてのパネルディスカッションがある。
東京23区が一律プラスチックの分別回収を話し合った時(特別区長会など)に、それに反対した区のひとつであり、全国多くの自治体で行われているプラスチックの分別リサイクルも実施していない足立区が、これら日本でもトップレベルの環境対策をしている自治体と何を討論するのか?
【5】 現時点で、宣言文や目標設定など、どのようなものにする予定なのか?
・足立区だけの目標なのか、国内外に呼びかける内容なのか?
・努力目標だけの内容なのか、具体的な数値など高い目標を決めるのか?
・宣言に同席する他の自治体や参加者との内容の合意は出来ているのか?
【6】 環境サミットのビラ(5月15日現在)では「地球にやさしいひと」宣言として、10項目挙げられているが、内容的に10年以上前から言われていることが多い。しかも、文言も強い意志を感じるというよりは、努力目標といった感じの文言ばかりの印象を受ける。
具体的な数字などを挙げて、区としての目標を目に見える形で内外に宣言するべきではないか。
(3月3日の予算特別委員会での私の発言に対して、環境推進課長より具体的に数値目標を前面に出すとの答弁あり。)
以上のような内容をお尋ねしましたが、環境サミットを契機に設置される「足立区温暖化防止区民会議」以外は、主旨や理念などの話しが多く、具体的な行動や数値目標を宣言に盛り込むか等は、まだ決まっていないようでした。
今回の定例会でも、足立区は「日本一地球にやさしいまちをめざす」との行政側からの発言がありました。
しかし、全国的にも多くの自治体(23区内だけでもおよそ半数)が、プラスチックに関して何らかの分別に取り組んでいる現在、プラスチックを一律焼却処分にしている自治体が、「環境(温暖化)対策」で「日本一」になるとは考えられません。
本当に「日本一地球にやさしいまちをめざす」なら、このゴミ問題にも真正面から真剣に取り組まなければなりません。
少なくとも、他の自治体よりも遅れを取っている、また消極的な政策では、「日本一」になれないのは明らかです。
すでに一律焼却ということで回収が始まってしまっている足立区の現状では、この段階で、いきなり全ての廃プラスチックを分別回収に切り替えることは、現実的ではないと思いますが、「出来る品目から分別回収していく」、「分別回収する品目を増やしていく」などの取り組みを今すぐにでも始めるべきだと思います。
「環境サミット in 足立」だけでなく、国際的に環境が大きなテーマになる「洞爺湖サミット」も開かれます。
これを機に足立区でも、行政と区民の皆さんが一体となって、
「未来の足立区のために、いま、私たちは何をしなければいけないか」
を、より具体的に考え、行動していく必要があると思います。