✩文教委員会⑧:令和5年度第3回学校生活及びいじめに関するアンケート調査【有効ないじめ対策の実施を求める請願】
○吉田こうじ 委員長 (2)5受理番号12 有効ないじめ対策の実施を求める請願を単独議題といたします。前回は継続審査であります。
また、報告事項(8)令和5年度第3回学校生活及びいじめに関するアンケート調査が本請願と関連しておりますので、併せて説明をお願いいたします。
◎教育指導部長 恐れ入ります、文教委員会の報告資料22ページをお開きください。
令和5年度の第3回学校生活いじめに関するアンケート調査の御報告でございます。
項番1でございます。このアンケート調査は、年に3回、6、11、2月と実施しておりますが、今回の御報告は2月の御報告でございます。
項番3でございます。結果の概要でございます。
ちょうど1年前、前年2月との比較になっております。詳細は24ページ以降に掲載をしておりますが、その中で主立ったものを抜粋しているのが項番3になっております。まずこの表の中で、「相談できる人がいない」というのが415人、これは前年よりも0.2ポイントの増となっております。また、「冷やかし、からかい、悪口を言われた」というものも0.3ポイントの増となっております。
それから未提出数でございます。こちら746件ということで、ポイントにすると0.3ポイント増でございますけれども、そのうちの524件が不登校のために回収に至らなかったというものでございます。
項番4でございます。アンケートの結果の分析と今後の対応でございますが、まずアのところ、11月の調査と比較しますと、数値は改善しておりますけれども、「相談ができる人がいない」という児童については、個別に面談等を行いましてフォローしていくようにいたします。また、スクールカウンセラーをはじめとする相談先、こちらについても改めて周知をしてまいりたいと考えております。
23ページのエのところを御覧ください。
未提出数の増加についてでございます。こちら、実施期間中に居住地以外に在住、又は日本語の読解が困難ということで、外国にルーツを持つ児童・生徒が増加していることがこの未提出数の増加につながっているものと考えております。
今後の対応でございますけれども、音声翻訳機の活用ですとか、日本語学習ルームと連携しまして、必要な相談ができるようにしてまいりたいと考えております。
項番5の今後の方針でございます。学校とこの情報を共有いたしまして、改善に努めてまいりたいと考えております。
○吉田こうじ 委員長 それでは質疑に入ります。何か質疑はございますか。
◆ぬかが和子 委員 今、御報告いただいたところの24ページですけれども、毎回着目している主な相談先なんですけれども、これいつもこちら言っているのは、ぬいぐるみとか、そういうものは相談先に値するのかという質問をさせていただいていたのですが、今回消えたんだけれども、自由記載の中でそういう回答はないということなのか、それともここからは消えたということなんでしょうか。
◎教育指導課長 その点につきましては、このぬいぐるみが消えたのがどういう理由かというのは、再度確認をさせていただきたいと思います。
◆ぬかが和子 委員 恐らくこれ事前に聞いたときにはあったのではないかと、あったというような話を言っていらしたと思うんです。事前説明を受けたときには、やはり本当にその人がよりどころとなるようなところというのは、この間の区の議論では、ぬいぐるみに話しかける、ペットに話しかける、それが自分のよりどころなんだということで、相談先とは言っているんだけれども、やっぱりそういう実態というのは、それはそれでいいことだけれども、相談先とは言えないのではないかということで、もっと支援を強めていく必要があるだろうと思っているんです。
それと、次のページ25ページの10番のところですけれども、「どういうことでいじめられましたか」という、「ほかのことでいじめられた」の自由記載で非常に気になっているんですけれども、「ノリ程度でやっているのに、先生に言われたり、責められたり、自分のせいにされたりする」というのが、要は先生からのハラスメント的な記載というか、そうなっているんです。これを見たときに、もちろんアンケートだから個別の事例については分からないと思うんです。だけれども、これを見た私の印象は、やはり乗り程度で本人はやっているという、やっていることは何なのかと。もしかしたら、そっちの方が人が嫌がることをやっているかもしれない。だけれどもそのことを自分で気が付かないで、それを注意されたことが問題だ、これがいじめだとなって記載しているんだとすれば、やはりそこにまだまだ本当にいじめをなくそうというような、いじめはよくないことだというのが、分かってないことの現れではないかと、そう見て取れるんですが、その辺はどうお感じでしょうか。
◎教育指導課長 ぬかが委員御指摘のとおり、この乗り程度、子どもによっては自分でまだいじめの認識がない、あくまでも遊びの範疇であると。正にそこが問題点であると思いますので、その点につきましては、学校に対して、また、子どもたちに対してもそうですが、いじめの定義とは何か、人を傷つけることは何かということをしっかりと周知させていきたいと思っております。
◎教育指導部長 最初の質問の方のぬいぐるみのお話でございます。今までは全て自由記載のところを載せていたんですけれども、少し精査したようなところがございます。ただ、それが重要な視点ということももちろん承知しておりますので、記載の仕方については工夫してまいります。
◆ぬかが和子 委員 ありがとうございます。今、教育指導課長に答弁していただいたとおり、そこがやはり大事にしなければいけないところかなと思っておりまして、前回若干紹介させていただいたけれども、今、小学校の中で校長会なんかで交流しながらなのでしょうか、辰沼小のキッズレスキューまではいかなくても、いい取組が本当に広がっていると思っているんです。
私、1番いいと思っているのは、やってもらってうれしかったことをやってあげようと、やってもらってうれしかったことを見える化して、そういうことで、やってもらって嫌だったことはやらないようにする気風を学校全体の風土としてつくり上げていく、こういうことは大事だと思っていて、その辺は是非強めていただきたいというのが1点と、それから、この間議論してきたように、辰沼小学校の精神については、しっかり広げていこうということが、この間答弁していただいているわけですから、そこについて新年度どのくらい、どういうことをやろうとしているのかというのも併せて答弁をお願いしたいと思います。2点です。
◎教育指導課長 辰沼小学校の取組、私も以前統括上、主事でいた時代に存じ上げております。辰沼小の事案が小学校67校、中学校35校にどれだけ広げられるか、また、地域の実態、子どもたちの実態もありますので、そういったものも考慮しながら、その学校に合ったいじめ対策ということをしっかりとやっていきたいと思っております。
◎教育指導部長 いいことの見える化というお話がございました。私も学校を回っておりますと、同じように、こんなことをされてうれしかったというのを掲示してある学校が多くあります。そういったことも好事例を共有してまいりたいと考えております。
◆長谷川たかこ 委員 いじめのアンケートの統計を取る上で、相談先にぬいぐるみ、ペットという記載がないよう外すべきだと思うんですが、どうお考えでしょうか。
◎教育指導部長 自由記載の分でこのような記載がございました。先ほど報告事項の中で申し上げましたが、スクールカウンセラーへの相談なども増えておりますので、そういったところで相談先を幅広く周知をしてまいりたいと考えております。
◆長谷川たかこ 委員 アンケートを取る上で、ぬいぐるみ、ペットというのは相談先にはならないということは、アンケート前段の部分で明記するなりすべきではないのか。統計を取る上ではそれは外すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎教育指導部長 この取り方については検討してまいります。
◆長谷川たかこ 委員 ぬいぐるみ、ペットというのを相談先の中に入れてしまうと、きちんとした統計が出ないと思います。そもそも自由記載ということですが、自由記載の中で、それは相談先にはならない、なり得ない。だって相談しても返ってこないわけですから、きちんと統計を取るべきだと思います。再度いかがでしょうか。
◎教育指導部長 選択肢の中にはぬいぐるみなどは入っていないのですが、自由記載欄がありまして、それを児童・生徒がそこに書き込んだというものでございます。そこについてはしっかりその子をキャッチして相談につなげてまいりたいと考えております。
◆長谷川たかこ 委員 25ページの未回収となった主な理由です。
不登校の箇所では、未回収になってしまった人数は524名となっています。
足立区には1,000人以上の不登校児童・生徒とか、何人もの登校渋りの子どもたちがいます。子どもたちに焦点を当て、きちんとしたヒアリングなどをしていくと、この中でのいじめという人数が浮き彫りになってくると思います。
どのようにお考えですか。
◎教育指導課長 長谷川委員の御指摘のとおりでございまして、この524名がどういう理由で不登校になっているか、これがいじめをどう気にしているのかというのは、当然そこを把握したいところでございます。不登校ですので、その子たちにどのようなアプローチをしていけば、このいじめアンケートに回答してもらえるのかというところも、引き続き検討しながら良策を練っていきたいと思っているところでございます。
◆長谷川たかこ 委員 辰沼小学校の元校長の仲野繁先生曰く、いじめというのは、予防が7で事後対応が3ぐらいの割合でやっていかなければいけないそうです。
正に私もそう思うんです。ですから、まずアンケートというところからも、未回収であった部分、今、不登校であったり、行き渋りのお子さんとか、もっと丁寧にヒアリングを重ねていけば、いじめの実態が更に浮き彫りになってくると思います。
そのようなお子さんたちに焦点を当てた丁寧なヒアリングを行っていただきたいと思います。いかがでしょうか。
◎教育指導課長 現在でも、学校はこの524名に対してそれぞれの学校で丁寧なヒアリングを行っているところではございますが、まだ長谷川委員の御指摘のようなこともございますので、ここも引き続き、教育委員会も一緒になりながら、解決に向けて取組を行っていきたいと思っております。
◆長谷川たかこ 委員 前教育指導課長とも話したときには、より丁寧にというところはまだ抜けているところがあったという御回答をいただいているんです。
新しくこちら来られて(新たな課長)まだ間もないと思われますが、そういう部分で足立区の実態をしっかりと把握していただきたいと思います。そのような個所に目を向けて、更にヒアリング、それから浮き彫りになった場合には予防というところでの対策の取組みをお願いしたいです。
もう起きてしまっているかもしれないというところの事後対策としての支援、その支援の中には加害者も含まれてきます。加害者と被害者の原状回復も必要だと思います。原状回復についてはどうお考えでいらっしゃいますでしょうか。
◎教育指導課長 原状回復につきましては、まずそこにそれぞれのお子さんたちの人権が絡んでまいりますので、まずは一人一人の人権というものをしっかりと把握した上で、人権尊重の視点に立って、加害者、被害者共に、前に向かってよりよい大人になれるようにという視点を持って取り組んでいきたいと思っております。
◆長谷川たかこ 委員 大筋、加害者が謝ったというところで終わってしまっています。学校側もそれで終わってしまっているという部分があるんです。しかし、被害者は、心に傷を負い、そこから2年経ち、3年経ち。トラウマとなって長らく引きずったまま、不登校になってしまっている状況があります。
加害者に対するアプローチを同時に考えていかなくてはいけないと私は思っています。
いかがでしょうか。
◎教育指導課長 そこのアプローチは、私も3月まで学校におりましたので、大変難しいところでございます。それぞれ保護者の皆さんの考え方によってアプローチも変わってきますので、その辺は校長をはじめとして、まずは校長がリーダーシップを取りながら、1人1人のお子様、1人1人の御家族に対してより合った方法をしっかりと構築しながらやっていくことが1番だと思っていますので、その点を引き続きやっていきたいと思っております。
◆長谷川たかこ 委員 期待しております。よろしくお願いいたします。
○吉田こうじ 委員長 他にございますか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
○吉田こうじ 委員長 質疑なしと認めます。
それでは、各会派の意見をお願いします。
◆くじらい実 委員 継続でお願いします。
◆たがた直昭 委員 継続でお願いします。
◆ぬかが和子 委員 採択でお願いします。
◆長谷川たかこ 委員 採択でお願いします。
◆佐藤あい 委員 継続でお願いします。
○吉田こうじ 委員長 それでは、採決をいたします。
本件は、継続審査とすることに賛成の方の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
○吉田こうじ 委員長 挙手多数であります。よって、継続審査と決定いたしました。





