決算特別委員会の質問内容④ 雇用対策について
引き続き、決算特別委員会での質問の内容です。
今回は、雇用対策についての質問をご紹介します。
現在の厳しい状況の中で、職を求めている方々がたくさんいます。
国の緊急雇用創出事業が進められ、区としても雇用確保のための事業が行われています。
その一方で、足立区が抱える大きな問題のひとつに、生活保護を受ける方の数が多く(およそ2万人)、生活保護費の支出が区の財政に大きな影響を与えている現実があります。
生活保護を受けている方の中には、働きたくてもうまく仕事がマッチングしない方もいます。
そこで、区として雇用創出の事業を進めるにあたり、生活保護を受給している方を積極的を雇用することにより、結果的に雇用の創出と生活保護費の抑制という2重の効果が得られるのではないかという観点から、今回、質問の中で提案いたしました。
この質問を行った後に、産業経済部で検討が行われ、来年度の国の緊急雇用創出事業に、区の生活保護者の方々を優先的に採用できないか検討していただけることになりました。
趣旨をご理解いただき、迅速にご対応してくださり、ありがとうございます。
今後も、より具体的で効率的な政策を積極的に提案し、区民の皆さんにとって有益な施策をひとつでも多く実行していただけるよう、近藤区長をはじめ職員の皆さんと協力していきたいと思います。
*****以下、質問の内容の要旨(抜粋)です*****
【長谷川】
次に、雇用対策関連でご質問させていただきます。
昨年の秋の世界的な金融危機から1年が過ぎようとしています。
現在、最悪な状況は脱したとの見方がされていますが、それでも一連の景気の悪化により職を失ったり、収入が減収したりしている人が多く見受けられます。
それに伴い生活保護を受ける方の事由として、勤労収入の減少や喪失が主な理由とした人が、今年は昨年の2倍に上るなど、市民生活には まだまだ厳しい状況が続いております。
足立区でもさまざまな雇用創出策が打ち出されて、実際に実施されているものもあります。民間企業がなかなか雇用をふやせない状況、また、民間企業が年齢や経歴などを理由になかなか雇用してくれない人にとって、公的機開による雇用は大きな救いになることは間違いありません。
足立区で行っている雇用を生み出す事業の多くは、委託事業によって行われています。
これらの多くは委託事業がハローワークなどで人を募集しているとお聞きしておりますけれども、実際に委託事業者がどのような人をどういう経緯でどれだけ雇用しているというのは、区として把握していますでしょうか。
<産業経済部副参事(緊急経済対策担当)>
委員のご指摘の点ですけれども、委託契約を結ぶ前に当たりまして、委託契約書というものによりまして、失業者の方を何人雇い、どのぐらいの期間を雇用し、どういった募集方法をとるかということを提出していただいております。
まだ終わっている事業は少ないのですけれども、事業が終了した後には、実績報告書により詳細にどういった方が雇用されてきたかということを報告することになっております。
【長谷川】
それらは本当に生活のために仕事を求めている人が、採用の対象となっているシステムになっているのでしょうか。
<産業経済部副参事(緊急経済対策担当)>
対象者というのは失業者ということで限定されております。
すべてが失業者というわけではないのですが、この委託事業にかかわる国の緊急雇用創出事業につきましては、4分の3が失業者であるということが要件になっております。
失業者というのは、ハローワークで職を求めている方、もしくはハローワークでなくても今、職を求めていることがわかる方であればいいということになっておりますので、生活のために働く場を求めている方たちが応募してきていることになると思います。
【長谷川】
足立区として抱えている大きな問題の一つに、先ほども少し触れました生活保護の受給者数、支給額とも23区内でトップレベルということがありますが、足立区の財政の中では大きな割合を占めていると思います。
現在、足立区で生活保護を受給されている方のおよそ2万人のうち、病気や高齢、障がいや家庭の事情などを除いた働く能力があるとされる人は、700人以上いるというデータをいただいております。
これは生活保護受給者のおよそ3.7%に当たります。その中には、働く意欲があってもうまく仕事がマッチングしないた生活保護を受給している方も多くいるようです。
そこで、区として行っている雇用の創出を伴う事業に生活保護の受給者のうち働ける人、働く能力のある人を積極的に採用するシステムはつくれないでしょうか。
例えば委託事業者が雇用を行うときに、足立区に在住する生活保護受給者の雇用を条件とするような委託契約というのは可能ですか。
<産業経済部副参事(緊急経済対策担当)>
現在行っております雇用創出の事業ですが、もともとは国の基金事業でございまして、この目的は幅広く失業者を対象とするものとなっております。
しかし、いま委員がおっしゃられたように、足立区の現状をかんがみれば、足立区で生活保護を受給している方からの採用という枠についても、事業の内容によっては考えていかなくてはいけないかと思っております。
<産業政策課長>
ハローワークを通じて応募いがたくということは、ある程度の原則に近いものとなっております。
実はハローワークに新たに求人にいらっしゃる方は、毎月ですが、3,000人以上、最近もっとふえておりますので、これは職を失ってすぐの方が多いのでございます。
ある意味で新たに職を求めて来た方でございまして、もし失業状態が続くと最終的に、大変申しわけないのですけれども、生活保護の制度を使ってその受給者となる可能性が高くなってくるのかなと思うところがございますので、ある意味でその予防策と言っては大変失礼ですが、そういう意味でも新たな失業の方も現在生活保護を受けていらっしゃって、そこに対しても同じように扱っていくものが本筋だと思っております。
【長谷川】
確かに生活保護受給者からの雇用をしていってほしいと話を進めていくと、ほかの人の雇用機会を奪ってしまう給果にはなってしまうと思うのですけれども、ある程度、例えば雇用のうちの何%かを生活保護受給しているから雇用するとかの割合を設定するという方法はいかがでしょうか。
<産業経済部長>
確かに両課長が答えたように、さまざまな課題はあるのですけれども、理論的にはできないことがないだろうと、また確認はしていませんけれども、ホームレスとか障がい者、若者を雇用してやっても構わないというのは質疑応答案で流れていますので、できるかもしれませんけれども、実際の話として非常に厳しいと。
事業をやる側は雇用失業者を集めなければいけないということになります。その上に生活保護の方も含めてやってくださいということになりますと、例えば私どもがやっている就労支援事業とかということの内容になってきますと、かなり厳しい、そういう問題はあります。