決算特別委員会の質問内容⑥ 中国残留帰国者問題について
引き続き、決算特別委員会の質問内容のご紹介です。
今回は、中国残留帰国者への支援について質問を行った部分です。
足立区内の中国残留帰国者数は146世帯231名です。(2009年12月1日現在)
これは東京23区内でも、多くの方が足立区で生活をされています。
昨年の2月25日の本会議での一般質問のなかで、多文化共生のひとつとして、「血縁のふるさとは日本ですが、育ったふるさとは中国」という特殊な事情を持つ、「中国残留帰国者」の皆さんへ施策について、提案をさせていただきました。
(詳しくは、 3月1日の議会報告をご覧下さい)
その答弁の中で「中国残留帰国者だより(仮)」の発行する予定との話しがありましたが、その後、実現し、先月12月には、第2回目の中国帰国者だよりが発行されました。
担当職員の皆さんのご尽力に感謝申し上げるとともに、残留帰国者の皆さんへの情報提供・交流のツールのひとつになればと思っています。
今回の質問では、前回の質問の後の中国残留帰国者への支援や交流事業、また中国帰国者だよりについて質問をしました。
残念ながら、「中国帰国者だより」の編集の部分では、当事者の方(中国残留帰国者)を入れての運営までは至っていませんでしたが、その取り組みは着実に進んでいるという実感は持ちました。
中国残留帰国者問題のポイントは、帰国者の皆さんを支援の対象としてだけとらえるのではなく、足立区の構成員の一員として、一緒に暮らしやすい環境を作っていくための仲間として協力していく体制を作ることです。
今後も議会等の質問や担当部署の職員の皆さんとの協議を通じて、足立区民の一員である帰国者の皆さんが、日々心温まる生活ができるよう、取り組みを進めていきたいと思います。
(補足)
今回の中国帰国者だよりは、帰国者の家族・友人にも読んでもらうために、各世帯に2部同封をしたそうです。
なお、足立区では、「帰国者だよりの名前」の募集も今回しています。
皆さんも、是非、素敵なお名前を考えて下記の事務所にご連絡をください。
連絡先:中部福祉事務所 3880-5111
西部福祉事務所 3897-5011
*****以下、質問の内容の要旨(抜粋)です*****
【長谷川】
次に、中国残留帰国者についてお聞きしたいと思います。
今年の2月の一般質問で中国残留帰国者問題の取り組みについて質問提案をさせていただきました。
その中で、福祉部長より中国帰国者に対する区民の理解をより深めるため、地域の方々との交流会を実施して参りますとのお答えをいただきました。
私も今年の8月に鹿浜自治会で行われました中国残留帰国者の皆さんとの交流の場として企画された餃子づくりやカラオケ大会の納涼会に参加をさせていただきまして、そこで自治会の皆さんや中国残留帰国者の皆さんの生き生きとしたお顔がとても印象的に感じられました。
この取り組みについての区の評価をお聞きしたいと思います。
<中部福祉事務所長>
今年の8月に実施しました鹿浜地区の地域交流今につきましては、地域の納涼祭と一緒に実施したこともございまして、非常に盛況に行われました。
その後も地域の人達と顔見知りになったりとか、日常でも挨拶が交わされるようになったといううれしい声も聞こえてきております。その点は大変良かったと思っております。
【長谷川】
今回行われた鹿浜自治会のような取り組みが、現在他の地域ではどれくらい行われているのかという点と、今回も含めた周知の仕方はどのような形でされたのか教えていただけますでしょうか。
<中部福祉事務所長>
この取り組みは平成20年度から実施されておりまして、現在までに渕江地区で1回、鹿浜地区で2回、合計3回実施しております。
周知の方法についてですが、今年度実施いたしました鹿浜地区につきましては、事前に一部日刊紙に掲載されたことに加えまして、チラシ、ポスター、看板等で周知をいたしました。
【長谷川】
是非このような取り組みを今後もほかの地域に広がるようにしていただきたいのと、また、今回のようなこういう鹿浜での取り組みが、他の自治会や他地域の中国残留帰国者の皆さんが知ることができるように、今後、区として運営とかそれから広報の全面的なバックアップをしていただきたいと思います。
同じく2月の代表質問で、中国残留帰国者を対象とした「中国帰国者だより」を発行し、情報の提供と中国帰国者相互の交流を支援してまいりますというご答弁をいただきました。
地域とのコミュニティ、帰国者同士のコミュニティのどちらの形成にも情報の提供というのは非常に大切だと思います。私も「中国帰国者だより」というのを頂きましたが、現在に何回これは発行されましたでしょうか。
<中部福祉事務所長>
2009年3月に創刊号を発行しただけでございます。
(注:その後、12月に第2号が発行されました)
【長谷川】
この中国帰国者だよりを見て、これを楽しみにしていらっしゃる帰国者の方々は沢山いらっしゃるので、是非、毎月、1回発行できるように区として取り組みを進めていただきたいと思います。
私がこの中国帰国者の方々の研究をするに当たっていろいろなところを調査しましたところ、支援交流センターなど、とても前向きに、足立区との連携を今後していきたいというお話をいただいたり、あと中国残留帰国者の方々がつくられているNPO法人、中国帰国者日中友好の会というのがありますけれども、こういうところとの連携というのは、今、足立区としては行っておりますでしょうか。
<中部福祉事務所長>
現在では連携というのは特に行ってございません。
【長谷川】
この間ちょっと私、中国帰国者日中友好の会の残留孤児の家の開所式が行われまして、これは帰国者の皆様が自分たちの集う場所をつくりたいという思いから台東区に設立されたものなのですけれども、行って参りました。
そこでは、情報提供なども沢山しておりまして、常駐の職員さんがいらっしゃったり、情報誌というものを発行し、運営されていらっしゃいました。
是非、足立区としてこういう支援交流センターや今後NPO中国帰国老日中友好の会と連携をとっていただいて、相互に情報提供をしながら、こういう「帰国者だより」の中にその情報を盛り込むなど、足立区内の中国残留帰国者の皆さんに情報を届けてはどうかと思いますが、如何でしょうか。
<中部福祉事務所長>
中国帰国者の方々も大分高齢化してきておりますので、非常に情報メディアの重要性というものは認識しております。
今後、中国帰国者だよりの発行回数を増加していく中で、そうした情報も取り込んでまいりたいと考えております。
【長谷川】
それと、以前にもお話ししましたけれども、中国残留帰国者の皆さんを支援の対象として捉えるだけではなくて、自立を促すというためにも、こういう帰国者だよりという情報誌をつくる際に、区の職員だけではなくて、中国残留帰国者の皆さんの中から、有志の方で、やりたいという方はたくさんいらっしゃると思いますので、そういう皆さんと一緒に運営、作成をしていただくということを是非行っていただければと思いますが、如何でしょうか。
<中部福祉事務所長>
中国帰国者相互の交流を支援するという視点におきましては、効果があるのではないかと思います。まずはしっかりとした編集体制を構築した上で徐々に拡充してまいりたいと思います。
【長谷川】
是非、そのような方向性でやっていただけますと、中国残留帰国者の皆さんの集える場としての意味合いも持つと思いますので、中国残留帰国者の皆さんのお力もかりながら、いろいろな方向性を持って進めていただきたいと思います。