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代表質問の内容⑤【地域防災計画について】

代表質問の内容の続きです。

今日のテーマは、「地域防災計画について」です。東日本大震災では、駅周辺での帰宅困難者滞留問題で、足立区でも混乱をきたしました。

災害発生時には、道路、通信、ライフライン、そして「人」など、あらゆるものが平常時とは違いパニック状態になります。

帰宅困難者を収容できる避難所は開設されたものの、避難所の数、備品、開設の判断、タイミング、周知・誘導方法など、検討すべき課題が多く残された現状があります。

買い物客や行楽客などの行き場のない帰宅困難者に対しては、行政のみならず民間事業者の協力を求めることが必須となります。東京都では都立施設や都関連施設を一時滞在施設として指定しましたが、それだけでは足りません。

区市町村でも、今後、民間事業者に対して協定を結ぶなどの働きかけを積極的に行うとともに、協定先の民間事業者(一時滞在施設)に対しても備品の確保を区として促していかなくてはなりません。

また、足立区には、外国籍の方や異国で生活を余儀なくされていた中国残留帰国者の方々が多く住んでいます。このような皆様は、言葉の壁もあり、災害時要援護者となる方々です。

帰国者や外国籍の方々が積極的に区の防災訓練に参加ができるよう、そのような方々を対象とした周知・啓発活動にも力を入れるよう要望をしました。

町会・自治会での防災訓練に、より積極的に参加して頂けるよう、町会・自治会にも広く声をかけていくことなど、あらゆる手法を考えていく必要性もあります。

今後も、足立区に住む全ての方々にとって、足立区が安全で安心できる区になるよう、あらゆる可能性を考えながら、ひとつでも懸念事項を解消していきたいと思います。

 

*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

 

<長谷川たかこ>

次に「地域防災計画」について質問をいたします。

いかにして「区民の生命と財産を守れるか」は区の最重要課題です。

東日本大震災では、首都圏で特に懸念されていた駅周辺での滞留者問題が、足立区でも北千住駅や綾瀬駅などの大きな駅で起こりました。

昨年出された東京都の帰宅困難者実施計画によると、東京都全体で帰宅困難者が必要とする一時滞在施設の最低需要人数は92万人、その内、都立施設などを活用した一時滞在施設は7万人分の確保がされています。そこで質問をいたします。

 【問】

区では、一時滞在施設の需要人数をどのくらい想定しているのか、お伺いします。

 【問】

帰宅困難者の一時滞在施設としては、東京武道館や都立高校などが挙げられますが、早急に民間事業者にも働きかけ、幅広く一時滞在施設を確保していくことが重要です。現在、民間事業者との間で、一時滞在施設の提供が確約しているところが何か所あるのか、具体的にお答えください。

 【問】

一時滞在施設となる民間事業者も、備蓄品を確保することは大切です。

現在、東京都は一時滞在施設を開設する民間事業者を対象に、備蓄品の購入費の補助を予定しています。区として、一時滞在施設となる民間事業者に対して、東京都の制度の照会はもとより、協定を結ぶ際には、備蓄品の確保の協力を明記し、徹底することが重要と考えますが、如何でしょうか。

 【問】

東日本大震災では、固定電話・携帯電話などの通信インフラが破壊され、大きな混乱をもたらしました。すばやい救助、必要な物資の振り分けなどにも、的確な情報が必要です。現在、区内全小中学校では、双方向の防災行政無線が導入されています。今後、一時滞在施設として指定される民間事業者にも、災害時に強い通信手段を確保することが求められますが、区として一時滞在施設の通信手段をどのように整備していくのか伺います。

次に、足立区は中国残留帰国者のみならず外国籍の皆様が多く住んでいます。足立区に暮らす全ての人にとって、区が緊急の災害時にでも、安心で安全な街にしていかなければなりません。

そこで、多文化共生の観点からご質問をいたします。


3年前、足立区中央本町では、区役所本庁舎内で中国残留帰国者向けに防災講演会などが行われ、中国残留帰国者の皆様にとって大変評価の高いものでした。

中国残留帰国者の皆様は、日本に来るまで地震を体験したことがなく、消火器を使ったことがない方や防災訓練にも参加をしたことがない方々が多くいらっしゃいました。言葉の壁もあり、災害時要援護者となる方々です。

これは、中国残留帰国者の方々のみならず、外国籍の方々にも言えることだと思います。


現在、国際まつりでは、防災訓練を常設して行っていますが、一部の方の参加となっています。

 【問】

今回、足立区防災計画では外国人支援対策として、平常時から情報提供できる体制を整えることが明記されています。中国残留帰国者や外国籍の方々に対してどのように行うつもりなのか具体的にお示しください。

 【問】

今後、区の総合防災訓練や外国籍の方が多く居住している各自治会・町会の防災教育・避難訓練の際には、中国残留帰国者や外国籍の方も安心して参加が出来る様、通訳を付けるべきと思いますが、区の見解を伺います。

 【問】

また、中国残留帰国者や外国籍の方を対象とした防災教育を定期的に行い、意見交換なども含め、日頃から防災意識を高める取り組みを区が積極的に行うべきと考えますが、如何でしょうか。

 【問】

現在、区が発行している中国帰国者だより「故郷(ふるさと)」や区の広報を通じて外国籍の方にも多言語で防災に関する知識の周知・啓発活動を実施すべきと思いますが、如何でしょうか。

 

<危機管理室長>

私からは、地域防災計画についてお答えします。 

まず、帰宅困難者の一時滞在施設の需要数につきましては、東京都全体の帰宅困難者が517万人に対して、一時滞往者数は92万人と想定されており、区の帰宅困難者が10万7千人であることから、按分計算により、1万9千人程度と想定されます。

次に、民間事業者を活用した一時滞在施設の確保につきましては、現在、3個所の施設と交渉を進めております。平成25年度の早い時期には最初の協定締結に至る予定です。 

次に、一時滞在施設の備蓄品確保につきましては、東京都が平成25年度に購入費補助事業の実施を予定しておりますので、協定の締結に際しては、その活用を前提に備蓄品確保の協力を協定書に明記するよう努めてまいります。

次に、一時滞在施設として指定する民間事業者との連絡につきましては、基本的に電話等の通常の通信手段の活用を考えております。一方、各通信事業者によって、公衆無線LANの増設をはじめとした災害対策の強化が図られております。したがって、公衆通信網の信頼性向上の進展を見ながら、なお連絡手段が断たれる場合には、区の可搬型MCA無線機の配備についても検討してまいります。

次に、外国人に対する平常時からの情報提供体制についてお答えします。 

現在、ホームページの翻訳機能やわたしの便利帳、防災マップの外国語版を配布し情報提供しておりますが、日本語に不慣れな外国人に対しては、自らの命を守る上での最低限のことを、日本人以上に丁寧に伝えていく必要があると考えております。今後、関係する機関と連携して防災訓練への参加等を働きかけるほか、平成25年度に「あだち防災マップ外国語版」をよりわかりやすく改訂いたします。さらに、新規導入予定の「防災アプリ」につきましても、外国語版を作成する等、外国人支援対策を強化してまいります。 

次に、防災教育、避難訓練の際の通訳につきましては、昨年11月の総合防災訓練において、舎人会場の現地本部に通訳者を常駐させ、案内を実施しました。地域の避難所運営訓練につきましては、日本語に不慣れな外国人等の居住状況や言語の種類、通訳者の確保等がミスマッチにならない実施方法について検討してまいります。 

次に、中国帰国者や外国籍の方を対象とした防災教育や意見交換等の防災意識を高める取り組みにつきましては、毎年の「あだち国際まつり」において防災の普及、啓発を行っております。今後は、外国人を支援する団体等に協力を求め、意見交換や連携訓練の実施も視野に入れ、強化策を講じてまいります。 

次に、中国帰国者だより「故郷(ふるさと)」を活用した防災に関する知識の周知、啓発につきましては、平成22年に地震発生時の対応について掲載しましたが、今後も継続してまいります。また、区の広報としては、現行の媒体や防災アプリの活用を図ってまいります。