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代表質問の内容⑨【子どもの能力を伸ばす教育の推進について】 読み書きに困難を抱える子ども達に合理的配慮を

いつもご教授いただいている明星大学心理学教授小貫悟先生から、一般社団法人読み書き配慮の代表理事である菊田史子さんをご紹介いただきました。

菊田さんご自身には読み書き困難を抱えるお子さんがいます。子どもの子育てを通して発達障がい児の親のセーフティネットの必要性を感じ、ペアレント・メンターの立ち上げや親に対する法律的制度の勉強会を幾度となく開催されており、また、新宿区教育委員のメンバーとしてて学校現場を直接ご訪問されながら、新宿区の教育行政にも関わってこられた大変有能な実力者です。今まで、大変ご苦労されながら、お子様と一緒に二人三脚で困難事例を打開され、その成功事例とすばらしいご実績があります。

読み書き配慮の菊田さんがおっしゃるように「読み書きに困難を抱える子どもたちが学び、進学し、自分の夢を実現していくために必要なのは、情報が必要です。1人でも多くの子どもたち、そして、それを支援する先生や保護者と情報を共有することが重要です。前例がないから配慮を受けられないのではなく、情報を必要としている人に必要な情報が行き届くシステムを構築し、私たちが気づいた配慮事例をもっと多くの人に伝えることが必要です。発達障がい特性で悩み苦しんでいる当事者やその家族にとって、一つでもそのロールモデルに出会うことができれば、自分たちの未来を創造することができるはず。」

1人でも多くの人の未来を広げるために、菊田さん、小貫先生、そして井上先生、うめだあけぼの学園の加藤先生、足立区の執行機関の皆様と共に、これからも新たな支援の仕組みをつくることに全力を期していきます。

 

*****以下、代表質問での発言要旨です。*****

☆【子どもの能力を伸ばす教育の推進について】

読み書きに困難を抱える子ども達に合理的配慮を

【長谷川たかこ】

教科書を音読すること、黒板の文字をノートに書き写すこと、テストの答案用紙に答えを書くこと、そんな当たり前の読み書きに困難を抱える学習障がいの子どもたちは、日本ではクラスに4.5%程度います。本当は学びたいのに、教室の中での学びに困難を抱える子どもたちがいることを、私たちは目を向けて、その配慮をしなくてはいけません。

【問】

まず足立区においては、読み書きに困難を抱える傾向にある子どもたちの割合を把握していますでしょうか。もし把握していないとすれば、全小・中学校を挙げて調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 【上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

子どもの能力を伸ばす教育の推進についてのご質問にお答えいたします。

まず、読み書きが困難な子どもの割合についてですが、平成30年4月に調査した結果では、特別支援教室利用の児童1,355名の中で、読み書きに困難な児童の割合は23%でした。令和2年度は小・中学校で、より詳細な調査を実施していく予定です。

【問】

読み書きの困難事例は区として把握しているのか、また、その配慮を必要とする子どもたちに合理的配慮がなされている事例はあるのか伺います。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

読み書き困難な事例の把握についてですが、中学1年生で、読み、書きに困難があり、学校と保護者、本人との話合いの結果、漢字にはルビを振る、ひらがなでの回答を認めるなどの配慮を行うという事例がございます。

【長谷川たかこ】

読み書きに困難を抱える子どもには鉛筆のかわりにICTを利用する、それだけで読み書きの困難から解放されるそうです。

【問】

足立区では、今年度よりタブレットが全校導入されています。全員にタブレットが行き届かないのであれば、読み書きで困難を抱える子どもには1人1台タブレットが渡るようにすべきであると考えます。

また、自宅からパソコンを持ち込むことも許可する仕組みをつくるよう強く要望いたします。区の見解を求めます。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

読み書き困難の子どものタブレット等の使用についてですが、まずは読み書きに困難がある児童・生徒が、タブレットを使用してどのように学習を進めていくのか検証する必要があります。その上で、学校に導入されているタブレットを使用するのか、持込みを認めるのかについて検討してまいります。

【長谷川たかこ】

合理的配慮の勉強会で、明星大学心理学教授小貫悟先生から、一般社団法人読み書き配慮の代表理事である菊田史子さんをご紹介いただきました。

菊田さんご自身には読み書き困難を抱えるお子さんがいます。子どもの子育てを通して発達障がい児の親のセーフティネットの必要性を感じ、親の会の立ち上げや制度の勉強会を開催されてきました。 また、新宿区教育委員として学校現場を訪問しながら、新宿区の教育施策にも関わってこられ、ご苦労されながら困難事例を打開された成功事例とすばらしいご活動とその実績を持ちの方です。

読み書きに困難を抱える子どもたちが学び、進学し、自分の夢を実現していくために必要なのは、情報です。1人でも多くの子どもたち、そして、それを支援する先生や保護者と情報を共有したい。その思いから、一般社団法人読み書き配慮では、学習障がいの配慮事例収集・検索サービス事業を始められています。

菊田さんは、発達の凹凸がある子どもや特性が強く出ているけれどもグレーゾーンと言われる子どもを育てるには少々コツが必要で、我が子のために親が気がついたそのときから始められるポイントがありますとおっしゃっています。

【問】

まず今回、区内でユニバーサルデザインの教育を構築するに当たって、運営委員会のメンバーに、日野市のユニバーサルデザインの教育にご尽力された明星大学心理学教授小貫悟先生を入れていただき、多くの実績を持っている一般社団法人読み書き配慮には、教員対策に研修を行ってもらうことで、学習障がいの観点も含めた合理的配慮の取り組みを、この足立

区でも全力で進めていただきたいと要望します。区の見解を伺います。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

ユニバーサルデザインの教育を構築するための特別支援検討委員会への外部専門家の参加や教員研修についてですが、当区のユニバーサルデザインの教育を構築するに当たり、どのような学識経験者にご協力いただくかについては、区として慎重な検討が必要と考えます。ご提案につきましては参考とさせていただきます。

【問】

また、一般社団法人読み書き配慮の事例集を是非とも足立区で活用し、区内全小・中学校に落とし込み、支援を必要とする親や教員に広げていただきたいと強く要望いたします。事例集のデータバンクを活用し、本人や本人を取り巻く協力体制の一助となるよう、事例集を区内に導入していただきたいと強く要望いたしますが、区の見解を伺います。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

読み書き配慮の事例集の活用についてですが、事例集は大いに参考になると考えております。現在、区独自のユニバーサルデザインの事例集を作成中ですので、その中に読み書きの事例集を加えさせていただくとともに、まずは教員研修などで活用し、合わせて保護者等への周知にもつなげていければと考えております。

【長谷川たかこ】

東京大学先端科学技術研究センターが主催するDO-IT Japanというプログラムでは、障がいや病気のある小・中・高生、大学生の高等教育への進学と、その後の就労への移行支援を通じ、将来の社会のリーダーとなる人材を育成するため、テクノロジーの活用を中心的なテーマに据え、セルフ・アドボカシー、障がいの理解、自立と自己決定などのテーマに関わる活動を行っています。

【問】

このようなプログラムがあるということを足立区教育委員会でも研究し、区内大学と連携をするなりして、足立区でも同様のプログラムを区内の子どもたちに提供できないか研究していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

プログラムDO-IT Japanについてですが、障がいなどを持つ児童・生徒へのITを活用した支援には、現在様々なプログラムが開発されております。どのようなプログラムの活用が効果的か研究してまいります。

【長谷川たかこ】

現在、EテレWebサイトで、学習障がいの情報が配信されています。これは2分アニメで、合理的配慮が必要な学習障がいのお子さん本人の声で配信されています。

【問】

このWebサイトを学校現場でも積極的に活用し、道徳の時間などに子どもたちにも見せ、区内全生徒に合理的配慮の必要性を周知啓発していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

【定野司教育長】

私からは、EテレWebサイトの学校現場での活用についてですが、EテレWebサイトの配信は、教員が学習障がいのある児童・生徒を理解する上で有意義な内容であると認識しております。

合理的配慮の必要性について、教員の理解を更に深めていくことが必要なことから、まずは教員研修の中でこのサイトを活用し、周知啓発を図ってまいります。

【問】

セルフ・アドボカシーについての教育を受ける学びの機会を子どもたちにつくり、生活上の障がいや困難のある子どもたちが、自分に必要な支援や要求、権利を自分の声で主張することができる環境を、是非とも構築していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

セルフ・アドボカシーの考え方を教育に生かしていく環境づくりについてですが、障がいのあるなしに関わらず、自分の考えを主張できる教育、すなわち、自ら考え、行動できる力を全小・中学校で指導していく必要があると考えておりますので、各学校で取り組んでいくよう働き掛けてまいります。

【問】

すぐにできる取り組みとして、保護者が学校と相談する際には、何がその子どもにとって学校で支援が必要と思うのか、その困り感を補うためのプロセスを建設的な対話として、必ず当事者である子どもを交えた対応をしていただきたいと思います。

例えば、本人と保護者が必要な支援を学校に要請する場合、支援会議に子ども本人も同席させることが必要であると、当事者の皆様たちからも声が上がっています。区の見解を求めます。

上遠野葉子 こども支援センターげんき所長】

保護者が学校との相談をする際に、必ず当事者である子どもを交えた対応をすることについてですが、中学校では、基本的に学校、保護者、本人との3者面談を実施しています。

小学校についても、児童の発達状況を考慮しながら、学校と保護者が判断して三者面談を進めていくことは可能であると考えますので、今後学校現場にも周知し、取り組んでまいります。

【長谷川たかこ】

前例がないから配慮を受けられないのではなく、情報を必要としている人に必要な情報が行き届くシステムを構築し、私たちが気づいた配慮事例をもっと多くの人に伝えることが重要です。

1人でも多くの人の未来を広げるために、私は気づきのある人たちとともに、これからも新たな支援の仕組みをつくることに全力を期してまいりたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。