代表質問の内容⑤:「ユニバーサルデザイン」について
代表質問の内容の続きです。
今日は、「ユニバーサルデザイン」についてご紹介します。
私はこれまで、カラーをはじめとしたユニバーサルデザインの推進を、何度も議会で提案をしてきました。
今迄、多くの行政職員の皆様のご協力を頂き、実現していただいたものがたくさんあります。
しかし、運用面で統一した基準が徹底されていないために、その取り組みに差が生じているのも事実です。
今回、「(仮称)足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が制定される運びとなりました。
現実的な運用と統一した基準づくりの根拠法となる条例となるよう、今後も運用面での政策提案をさせていただきます。
先日、区内の小学校の授業参観で授業内容を拝見させていただきました。
教育現場では、カラーユニバーサルデザインの必要性はある程度認識されているものの、実際には配慮が行き届いているとは言い難い状況で、改めて教育現場でのカラーユニバーサルデザインの必要性を強く感じました。
色弱者にとっては、色名は見れば分かるものではなく、かけ算の九九のように「桜はピンク色、芝生は黄緑色、枯れ葉は茶色」と暗記しなければならないものです。
しかし、学校の教育現場では、「ものを見れば誰でも間違いなくその色名を述べられる」ことを前提とした教育がなされています。
平成元年に文科省より配付された「色覚問題に関する指導の手引」や、平成15年に配付された「色覚に関する指導の資料」で色覚に関するさまざまな配慮が助言されていますが、教員免許取得後の自主的な自己啓発に任せるだけでなく、初任者教諭研修や人権研修会、養護教諭研修会など、様々な研修会などで、カラーユニバーサルデザインに関する内容を取り上げ、色弱者の子供に配慮した指導を周知・徹底することが必要です。
*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****
<長谷川たかこ>
次にユニバーサルデザインについてご質問します。
年内をめどに「ユニバーサルデザインのまちづくり条例」の制定に向けて、作業が進んでいると聞いています。
私は当選以来、ユニバーサルデザインに関してはライフワークのひとつとして、訴え続けてきたことなので、大変嬉しく思います。
また、ユニバーサルデザインを庁内横断的に進める「ユニバーサルデザイン担当課」も設置されました。
各部署で個別に取り組むのではなく、ぜひこの課が中心となって、総合的な取り組みを期待したいと思います。
これまで都市建設部、環境部や区議会事務局など、それぞれの課が独自で取り組んでいただいています。
【問】
今後、たとえば区が設置する案内表示や印刷する広報物などは、各担当部署だけでなく、最終的にユニバーサルデザイン担当課がチェックして、カラーも含めユニバーサルデザインに配慮されたものになっているか確認する仕組みを構築していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
【問】
また、各部署がそれぞれユニバーサルデザインに関するノウハウを蓄積しています。ユニバーサルデザイン担当課が中心となり、人事交流や勉強会・研修会などを通じて、情報やノウハウの並列化を行ってはいかがでしょうか。
(答弁)
【都市建設部長】
私からは、ユニバーサルデザインのご質問のうち、確認する仕組みと情報やノウハウの並列化について一括してお答えいたします。
区が設置する案内表示や印刷物などにつきましては、総務課を中心に点検を行っております。
ユニバーサルデザインのまちづくり条例制定後は、各部署が有する情報やノウハウの共有化をさらに進めユニバーサルデザインの徹底を図って参ります。
【問】
たとえば、これまで地図ひとつとっても作成する部署によって、カラーユニバーサルデザインへの取り組みに差がありました。
情報やノウハウの共有や、一元的なチェックのシステムを構築できれば、このようなことが回避できると思いますが如何でしょうか。
(答弁)
【都市建設部長】
カラーユニバーサルデザインにつきましては、平成21年3月にガイドラインを作成し、職員に徹底をしております。地図などの印刷物の発注の際には、各課でこのガイドラインに基づく点検を行い、その上で総務課において、点検に漏れがないか一元的にチェックしております。
今後も全庁的な水準を維持してまいります。
【問】
また区役所内だけでなく、他の22区や東京都などへも足立区の取り組みを発信し、ルール化していくことが出来れば、足立区のPRにもなると思いますがいかがでしょうか。
(答弁)
【都市建設部長】
足立区の取り組みの他区や都への発信につきましては、パンフレットの提供やホームページの案内を通じ賛同を求めるほか、12月に開催する予定のユニバーサルデザイン講演会への参加を呼び掛けるなど、積極的に取り組んで参ります。
足立区として今後の目玉になりうる政策だと思うので、よりよいものとなるよう、情報発信の仕方も含めて、引き続きの取り組みを期待したいと思います。
<長谷川たかこ>
先日、ある小学校の授業参観で授業内容を拝見させていただきました。また、各学校の現場の先生方の声もお聞きしましたが、教育の現場では、カラーユニバーサルデザインの必要性はある程度認識されているものの、その理解度にはどうしても個人差が生じてしまい、実際には配慮が行き届いているとは言い難い状況で、改めて教育現場でのカラーユニバーサルデザインの必要性を強く感じました。
【問】
足立区ではすでにカラーユニバーサルデザインのガイドラインがあります。また文部科学省が作成した「色覚問題に関する指導の手引き」もあります。
これらを全小中学校に配布して頂き、改めて先生方の研修に活用して頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
(答弁)
【教育指導室長】
教員が色覚障がいを正しく理解することは、児童・生徒により良い学習機会を与えるためにも重要であると考えます。
現在、色覚障がいに関する教員の理解が深まるよう、初任者教諭研修や人権研修会、養護教諭研修会において、カラーユニバーサルデザインに関する内容を取り上げ、色覚障害のある子供に配慮した指導を周知しているところです。
ご指摘の、「色覚問題に関する指導の手引き」は平成6年に、また文部科学省作成の「色覚に関する指導の資料」は平成15年に全教員に配布しているところですが、今後の研修に活用すべく、校長会などを通じて再度周知してまいります。