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代表質問の内容⑧ : 防災対策:避難所・ガソリン・通信の確保について

 今日も代表質問の続きです。
 今回は、防災対策の中で、避難所の確保、ガソリンの確保、通信手段の確保について行った質問のご紹介です。


 東日本大震災の例を挙げるまでもなく、災害が起こった際にはさまざまな事情で家で生活できない人たちが、学校の体育館などでの避難所生活を余儀なくされる状況が考えられます。

 実際に、区が想定する最大避難者数は19万5,000人にも上りますが、現在の避難所の収容人数は、そのおよそ75%しかありません。
 4万5,000人の方が避難所に入れない、もしくは定員を大幅に超えた避難所生活を送らなければなりません。

 その上、想定以上の避難者数、近接自治体からの流入、避難所が使用不可になる状況なども考えると、より多くの避難所の確保が必要です。


 そこで現在、避難所とされていない場所(区役所や児童館など)でも、場合によっては避難所として利用することも想定したマニュアルつくりの提案を行いました。
 利用されないに越したことはありませんが、想定外という言葉のもと、対応が送れ、区民の皆様方の負担が大きくなることは避けなければなりません。


 また、東日本大震災から得られた教訓として、災害発生時の燃料(ガソリン・軽油、灯油)の確保の重要性があります。
 特にガソリン・軽油は、緊急車両などを運用する際にも必要であり、区民の皆様の命に直接かかわってきます。

 災害発生時には、誰もが買いだめを行う可能性があるため、公共機関が使うガソリンの確保のために、ガソリンスタンドと提携をし、提携スタンドでは民間への給油を制限するなど、具体的な対応が必要です。
 今回の震災でも協定締結スタンドはあったものの、結果的にはガソリンが不足したと聞いています。
 必要最低限の燃料の確保のため、迅速な対応を求めました。


 さらに、災害時には、食料や燃料などと同じく、通信手段の確保が最重要課題です。

 東日本大震災では、固定電話・携帯電話などの通信インフラが破壊され、大きな混乱をもたらしました。
 すばやい救助、必要な物資の振り分けなどにも、的確な情報が必要です。
 質問では、災害に強く、東日本大震災でも非常に有用であった「衛星電話」の導入を求めました。


 いずれの質問も、想定を超えるような災害に見舞われた場合でも、混乱を最小限に抑えるためにも必要な措置です。
 引き続き、区民の皆様の生命と財産、安心と安全を守るために、防災に強い街づくりを目指し、さまざまな提案をしていきたいと思います。



*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

<長谷川>
 次に、大きな災害が起こったとき、足立区が避難所として想定している学校や体育館では足りなくなる可能性があります。

 実際に、区が想定する最大避難者数は19万5,000人にも上りますが、現在の避難所の収容人数は、そのおよそ75%しかありません。4万5,000人の方が避難所に入れない、もしくは定員を大幅に超えた避難所生活を余儀なくされることになります。

【問】
 そこで、現在避難所として検討されていない町会会館、児童館、区役所をはじめ、区有施設なども避難所として利用しなければならない事態のために、そのようなことを想定したマニュアル、備蓄品を追加すべきと思いますが、いかがでしょうか。


 次に、今回の大震災では、被災地はもとより、一時的ではありましたが、全国的にガソリンが不足しました。緊急車両や区の車両のガソリンがなくなると、安全面の確保や避難所の運営などに大きな影響を与えます。
 足立区は、災害発生時に優先的に給油を受けられるよう協定を結んでいますが、今回それでは不足したとの話を聞いています。

【問】
 供給量も含めて、協定の見直しと、いざというとき緊急車両や区の車両にガソリンを提供するために、発災直後から一般車両へのガソリンの提供の規制を行うルールづくりを早急に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、今回の災害で多くのことを学びましたが、その一つが、情報連絡手段の確立の重要性です。
 足立区には、災害時優先電話が、固定回線で17本、携帯電話で6本ありますが、災害時には地上の電話設備が全く使えない状況も想定されます。
 そのような状況でも、区内の被害状況の把握や避難所との情報交換などの連絡は必要となります。

【問】
 今回の大震災時には、衛星電話が非常に有効であったとお聞きします。国や他の自治体も、衛星電話を備えているところもありますので、足立区でも衛星電話の導入を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。



(答弁)
【危機管理室長】
 次に、現在、避難所として指定されていない区有施設等を避難所として開設する場合には、区内に6カ所ある拠点倉庫から備蓄物品を搬送するなどして対応してまいります。
 また、マニュアルにつきましては、既に地域防災計画の修正内容や所管部のマニュアルへの盛り込み作業を進めております。


 次に、燃料調達につきましては、東日本大震災ではサプライチェーンの被害により燃料の供給が絶たれてしまいました。
 足立区では、既に発災時に燃料の市場在庫を緊急確保するため協定を締結しておりますが、今後は対象事業者を増やすなどの対策を進めてまいります。


 次に、通信手段につきましては、防災無線、A-メール、災害時特設電話等、複数の通信手段を保有しております。
 今回の東日本大震災では、衛星電話がNTTから無償で提供され、活用されたとのことですが、通信衛星の寿命や導入機器のサポート期間などが他の通信システムと比較して短いことなどから、そういったことを十分考慮し、導入について検討してまいります。