予算委員会の質問⑤(3月4日) 放置自転車問題
予算委員会での質問のうち、今日は「放置自転車問題」について行った質問をご紹介します。
自転車盗難の温床にもなるだけでなく、街の景観を損ない、安全な交通の妨げともなる放置自転車問題は、以前から幾度となく取り上げ、またさまざまな提案を行ってきました。
現在、足立区では自転車監視員の皆さんによる監視を、主要4駅(北千住、綾瀬、西新井、竹ノ塚)で行っています。
少しずつ効果は上がっているようですが、個人的には根本的な解決にはなっていないのではないかと感じています。
例えば、綾瀬駅周辺で見ると、平日の朝、綾瀬駅に乗り入れられる自転車の推定数と、周辺の駐輪可能数を比べると、駐輪場の数が多いというデータもあります。
このことから、放置自転車問題の根本は、
①駅に近く便利で使いやすいところに駐輪場がない
②お買い物の際の一時利用に適した、便利な駐輪場がない
③駐輪場の料金が高い
などが考えられます。
その解決策として、駅の近くなど利用者にとって便利な場所に、一時利用も可能な駐輪場の設置を、これまでも訴えてきました。
このたび、東京都の行った放置自転車調査で、綾瀬駅183台、北千住駅162台、竹ノ塚駅218台に対して、西新井駅28台という結果が出ました。
利用者の多い同じ足立区の駅として、西新井駅の放置自転車の数の少なさが目立ちます。
放置自転車が少なくなった要因として、西新井駅西口近くに商業施設が完成し、それにともなって大型の駐輪場が整備されたとのことでした。
今回の例は、民間事業者による駐輪場の設置ですが、この例からも分かるように、やはり放置自転車の減少には、監視員による監視よりも、近くて便利な駐輪場の設置の方がより効果があるということが分かります。
これまでも駅に近い駐輪場の設置などを提案してきました。実際に綾瀬駅周辺では、近くの商業施設のご協力で一時利用に適したラック式駐輪を設置していただき、いままで歩道などに、はみ出していた自転車が、かなり整理された経緯もあります。
東京都の調査で放置自転車が多いという結果が出た綾瀬駅周辺に関しても、近隣には東綾瀬公園(東京都所管)や、葛飾区と一緒に整備計画が進んでいる古隅田川など、駐輪施設が設置可能なスペースがあります。
駅周辺に巨大な地下駐輪場を設置して、放置自転車をゼロに近い数字にまで減らした江戸川区の例もあります。
足立区でも、今後、区の職員の皆さんと一緒に、さまざまな可能性を検討していきたいと思います。
*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****
【長谷川】
次に、足立区の大きな課題の一つである放置自転車問題についてお伺いします。
予算資料の中に、来年度の放置自転車対策強化事業の目標として、放置自転車の多い綾瀬、北千住、竹ノ塚、西新井の駅周辺の放置台数を半減させるとあります。
【問】 いただいた資料をみると、放置自転車について、昨年の東京都実態調査の結果として、綾瀬駅183台、北千住駅162台、竹ノ塚駅218台に対して、西新井駅28台とありますが、西新井駅がこれだけ少ない理由は何だと考えられますか?
<交通対策課長>
西新井駅の西口につきましては、特にパサージュ(昨年開設)の600台とパーク24が229台あります。その環境の中でその中で西新井については特段、違法駐輪が少ないと考えております。
【長谷川】
私も以前から、放置自転車はマナーや駐輪場の数だけでなく、やはり便利で使い勝手のいい駐輪場の不足が原因ではないかと言ってまいりました。
今回の西新井の例は、まさに便利な場所に使い勝手のいい駐輪場ができた結果ではないでしょうか?これは、他の地域にもお手本になると思います。
同じように駐輪監視員が監視をしている4つの駅で、西新井駅だけ顕著な結果が出ているということは、駐輪監視員を増員強化するよりももっと効果的な方法がある、つまり便利で使いやすい駐輪場を設置することが、放置自転車問題解決への有効な手段であるということではないでしょうか?
そこで、西新井の例は民間の事業者が駐輪場を設置したわけですが、同じく放置自転車で悩む他の地域でも、区が積極的に便利で使いやすい駐輪場の整備を進めては如何かと思います。
【問】 例えば、綾瀬駅周辺では、都立公園ではありますが東綾瀬公園を含め、現在整備が進んでいる古隅田川の周辺などに、空きスペースが多くあります。
そのような場所を利用して、地下式の駐輪場も含めて、一時利用なども可能な便利で使いやすい駐輪場の整備は出来ないでしょうか?
<交通対策課長>
北千住につきましては、来年4月から総合委託の中で駐輪場の運営と街頭指導員それをセットにすることによって違法駐輪を減らしたいと思っています。
綾瀬につきましては、昨年来、東綾瀬公園内について東京都と調整をいたします。
当初は地下式しかだめとの話でしたが、現在については、地上についても何とか向こうの意向が違ってきましたので、今後も強くなんとか地上の一時利用を考えたい。
古隅田川に関しては綾瀬南、当初、緑道計画に伴って駐輪台数が作れない状況でしたが、一時利用も含めて足立区と葛飾区で何とか現在900台ほどある駐輪場を何台か緑道の中にとめたいということで、今後、緑道の中にも自転車をとめられるようにしていきたいと思います。
【長谷川】
綾瀬駅周辺は葛飾区と入り組んでいるわけですから、是非とも葛飾区の区役所の皆様とご協力をしあいながら、是非ともそのような方向性で進めて頂きたいと思います。
放置自転車問題の解決には、もちろん利用者のマナーや監視も必要かとは思いますが、のべ何百人の監視よりも一つの駐輪場が問題を解決してくれることもありうるのだと、西新井の例は示していると思います。
例えば、綾瀬駅周辺も以前のお話しでは、駐輪可能台数の総数は足りているとの計算がありました。問題は、駅周辺の駐輪可能台数の総数ではなく、便利で使い勝手のいい駐輪場の数です。
ぜひとも、問題の効果的な解決のためにも便利で使いやすい駐輪場の整備をお願致します。