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第3回定例会 一般質問②:子育て・待機児童問題

 昨日に引き続き、第3回定例会で行った一般質問の内容をご報告いたします。  今日は、後半部分の「子育て、待機児童問題」について行った質問の内容です。  足立区の待機児童問題は、以前から大きな問題のひとつでしたが、1年程前からのいわゆる「リーマンショック」と呼ばれる、世界的な金融不安の中で引き起こされた不況が、この待機児童問題にさらに拍車をかけています。  足立区では今年の4月に418名だった待機児童数が、8月には599人にも増え、深刻な問題になり、早急な対策の必要があります。  もちろん区でも、待機児童削減に向けて、対策は行っているのですが、その規模、効果とも、必ずしも十分とは言えません。  景気回復の兆しが見えず、引き続き厳しい経済状況の中では、収入の不足分を補うために働きに出るお母さんなどが増え、ますます保育園の需要が増えることが予想されます。  区の未使用施設や公立学校の空き教室の保育園(分園など)としての積極的な利用など、思い切った対策を求めました。  また、子どもたちを安心して預けら、遊ばせることが出来る場として、放課後子ども教室があります。  足立区には72校の公立小学校があり、その全てでの実施を目指し、9月20日現在57%にあたる41校で実施されています。  しかし、なかには週1日しか実施されていない学校もあり、平日毎日、全ての学校で実施されている状態を100%とすると、その実質稼働率は36%にしかならないのが現状です。  もちろん、学校それぞれに地域の事情などがあることは理解できますが、子どもを持つ親の立場からすると、やはり平日毎日、子どもを預けられるような状態が非常に助かると思います。  3ヵ年の実施目標があり、全校実施を急ぐのも分かりますが、各小学校において、本当に中身のある実施をするよう求めました。  最後に、足立区が行っている「赤ちゃんほっとスポット」事業についての、評価と検証、今後の事業のあり方などについても、質問・提案を行いました。 *****以下、質問とそれに対する答弁です(長文です)***** ※本会議でのやりとり同様、質問と答弁をそれぞれまとめて掲載してあります  次に安心して子どもを産み・育てられる環境づくりとして、子育て、待機児童問題についてご質問いたします。  先日、国政では民主党政権がスタートいたしました。  月額26000円の子ども手当に代表される子育て支援政策が、実現されていくことになります。  しかし、お金の手当だけでは、子育て環境をよくすることは、できません。  いま、子育て問題の大きな課題の一つに、子育てをする親でも安心して働くことができるシステム作りが挙げられます。  今年度の足立区の待機児童の数は、先日の区長の記者会見にありました今年4月現在の418名からさらに増え続け、8月現在で、599人にものぼります。  東京都全体で見ても、昨年までと比べて、保育園に入所できない待機児童は、昨年度より、2500人増え、8000人に迫る数です。  これは、経済状態の悪化により、夫婦共働きをしなければ家計を維持できなくなってしまったことが原因のひとつと考えられます。  足立区でも、様々な対策が考えられているようですが、約600名の全ての待機児童の解消に向けた、さらなる対策が必要と考えます。 【問】待機児童の削減は、国レベルの大きな、そして、緊急の課題と言えますが、足立区として、待機児童削減に向けた、早急にできる具体的な手法とは何か、お伺いします。 【問】待機児童の緊急対策として、必要な地域の、現在使われていない区の保有施設や、民主党のマニフェストにもある中学校の空き教室などを、保育施設として活用することはできないのか。  例えば、待機児童が多い地域の区有施設である、綾瀬二丁目の東部工事事務所跡地や、入谷南小学校、旧江北幼稚園、千住の旧第十六中学校などを保育園の施設として検討してはどうか、区の見解をお聞かせ下さい。  次に、学童保育、放課後こども教室についてお尋ねします。  小学校に入学してからの学童保育についても、待機児童が発生しています。  足立区としては、数は減ってきているものの、依然として、学童保育を受けられない児童がいるのが現状です。  一方で、国および区の政策として、放課後こども教室が進められています。 【問】いわゆる縦割り行政の弊害をなくし、子ども政策の一元化という意味で、学童保育と放課後こども教室の連携・融合が必要と考えますが如何でしょうか。 【問】このことは、民主党は政策として、幼稚園・保育園の一元化、子ども政策の一元化を掲げています。今後、民主党政権で実現していくと思われますが、足立区でも先行して行っては如何でしょうか。  学童保育と放課後こども教室の連携・融合の際に、夏休みや冬休みなどの学校が長期の休みの間の保育について課題が残りますが、 【問】その対策として、児童館での特殊利用を長期の休み限定として変更し、またその間に限っては拡充することで、長期の休みのときでも、同じような保育システムが確保できる体制作りを行っては如何かお伺いします。  次に、現在、足立区で進められている放課後こども教室についてもお尋ねいたします。  3カ年計画で、足立区の全72校で実施という予定で、計画が進んでいます。  以前もお願いいたしましたが、待ち望んでいる保護者の方は多くいらっしゃるので、引き続き、計画が前倒しで進むようにお願いしたいと思います。  資料から現在までに開設している学校の数だけ見ると、9月20日現在で、72校中41校であり、全体のおよそ57%になるものの、その中には、週1日しか開設していない学校もあります。  全小学校において、月曜日から金曜日まで、毎日行われている状態を100%とすると、現在の足立区の放課後こども教室の稼働率は、36%にしかなりません。 【問】これを100%、つまり、すべての小学校で、毎日行われている状態にすることによって、放課後こども教室の意味をなすものと考えますが、区として 100%の稼働率を目指すつもりはあるのかお伺いします。 【問】また、そのためには、どれくらいの期間が必要となると考えられるのかお伺いします。 【問】さらに、現在、放課後こども教室が毎日開けない最も大きな理由は、空き教室がないとのことですが、校庭、体育館、特別教室等を使うことによって、この問題を解決することができると思いますが如何でしょうか。 【問】また、そのような特別教室が使えないようであれば、区としてどのように、この放課後子ども教室の場所の問題を克服していくのか、具体的な方法をお示しください。  次に、赤ちゃんほっとスポットについて、お伺いします。  赤ちゃんほっとスポット事業は、当初は、足立区立の全保育園で、450万円以上の予算をかけ実施する予定でした。  しかし、私も所属していた少子化対策調査特別委員会での審議で、利用の頻度が高いと予想される18園に限定し、予算も当初の10分の1以下の事業としてスタートしたものの、実際の利用者の数は、1回も利用されない保育園が、半数にのぼる等、利用は進んでいません。 【問】利用が進んでいない原因と、今後の赤ちゃんほっとスポット事業のあり方について、継続するかどうかも含め、お聞きします。  外出先で、おむつ替えや授乳が気軽にできる施設は、小さな子どもを育てているお父さん・お母さんには、とても助かります。  しかし、保育園では利用者も限られてしまうことが分かりました。 【問】今後は、区民事務所、子育てサロンなどの区の施設地域はもちろんのこと、イトーヨーカドー、丸井、SEIYU、サミット、ベルクスなど、大型のショッピングセンターや、郵便局、高齢者福祉施設など民間の施設などと連携、協働、協力していくことは如何でしょうか。 【問】赤ちゃんほっとスポットのような、おむつ替えや授乳ができる施設を設置、維持してくれる民間施設に対して、補助金をつけることや「子育て環境を良くし、地域の活動に貢献している施設」として、区のホームページ・広報などで、紹介・表彰するなどのインセンティブを付けては如何でしょうか。 【問】また大規模な施設だけでなく、普段から親しんでいる近所の商店街で、おむつ替えなどができる場所を確保できるように、商店街などにも協力を求めることはできないでしょうか。 【問】今後、そのような施設に、おむつ替えや授乳が気軽にできるよう、わかりやすい目印をつけ、区内全域に広げ、各地域ごとのマップを作成することは如何でしょうか。 【問】また、「子育て環境日本一の足立区」を目指し、区民の皆さんへの周知や協力など、広報活動の一つとして、区民の皆さんが親しみやすいイメージサイン、例えば、キャラクターやフレーズ等の一般公募をし、今後、足立区の子育て政策共通のシンボルとしていってはいかがでしょうか。  子ども政策は、未来への投資といえます。  日本全体もそうですが、足立区が抱えるもっとも大きな問題であり、緊急の対策が必要であるというご認識は、先日の記者会見、そして議会での発言から、私も近藤区長と同じ思いであると感じています。  ぜひとも、足立区の未来のため、足立区で育つ子供たちの未来のための政策を進めていただきたいと思います。  以上の質問に対し、執行機関の皆さまの誠意ある前向きなご回答を期待します。  ご清聴、ありがとうございました。 ===以下、行政(執行機関)からの答弁です=== <子ども家庭部長>  次に、待機児童に関する質問に一括してお答えします。  待機児童解消に向けた早急にできる具体的な手法としては、弾力入所や家庭福祉員の増員、東京都認証保育所の整備があります。  さらに、新たな区独自の施策として、空き店舗等を利用した短時間就労の保護者向けの小規模保育施設の整備や、子育てホームサポート事業への月ぎめ利用制度導入等を検討しております。  このことで、21 ・ 22年度の2年間で約560名分の保育定員を確保することを予定しております。  また、現在利用していない区有施設については、耐震補強工事が必要な施設が多いこと、改修に時間や費用がかかること、待機児童が多い地域か否か等の理由から活用することが困難な状況です。  なお、学校の教室の活用は、今後の国の動向等を踏まえた上で検討してまいります。 <区民部長>  学童保育と放課後子ども教室の連携・融合についてお答えします。  現在、融合化を目指して、鹿浜西小学校に隣接する鹿浜いきいき館でモデル事業の準備を進めているところでございます。 <子ども家庭部長>  次に、幼稚園・保育園の一元化、子ども施策の一元化についてお答えします。  保育園及び私立幼稚園については、昨年度から子ども家底部が一元的に所管しております。  なお、全庁組織である「子ども施策推進会議」では、子ども施策全般について、また、学校教育部と子ども家底部で構成する「幼児教育のあり方検討委員会」では、幼稚園・保育園における幼児教育のあり方について議論をしております。 <区民部長>  次に児童館の活用でございますが、足立区では待機児解消を優先課題として、今年度、学校の長期休業期間に「児童館特例事業」を行ったところでございます。  来年度は平日についても実施を検討しているところでございます。こうした事業を行いながら、放課後の子どもの安全な居場所づくりの体制作りを進めて参ります。 <障害学習部長>  あだち放課後子ども教室についてお答えします。放課後子ども教室の開催日数等の実施内容については、地域の方々を中心とした実行委員会において決定しております。  平日の放課後、子どもたちが毎日安全・安心な居場所で伸び伸びと活動できるよう、開催日数等の拡大を目指してまいります。  平日毎日開催実現までの期間につきましては、地域や学校によって事業の定着状況や環境が異なりますので、一概には申せませんが、実行委員会や学校と連携を回りながら可能な限り早期実現に努めてまいります。   次に、活動場所の確保について一括してお答えします。毎日開けない最も大きな理由は、空き教室がないとのご指摘ですが、学校によって状況が違いますので、一概には申し上げられません。  しかし、活動場所の確保は、学校長の積極的な協力や学校開放団体との利用調整等と同様に、開催日数等の拡大に当たっての課題の一つであると認識しております。  既に開設している学校では、学校の状況に応じて余裕教室、校庭、体育館、特別教室などを活用しております。今後引続き、使用出来る学校施設の拡大に向けて、学校長に対し強く働きかけてまいります。 <子ども家庭部長>  次に、赤ちゃんほっとスポット事業について、一括してお答えします。  平成20年度から実施している赤ちゃんほっとスポット事業での利用が進んでいない原因としては、利用者が保育園の園庭開放等の親に限られてしまう傾向があると考えております。  この事業のあり方については、利用者や実施保育園の意見を聞きながら検討してまいります。  今後は、乳幼児を抱える親がよく利用する施設・店舗等への普及を図る必要があると考えており、民間施設や区内商店街等への協力依頼を検討してまいります。  また、広報やわかりやすい目印等情報をいかに利用者に届けるかについては重要であると考えており、子育てしやすい足立区を目指して子育て施策を推進する観点から検討してまいります。