2月25日の一般質問の内容 Part 2:多文化共生・中国残留帰国者
昨日に引き続き、25日の一般質問のうち、「多文化共生・中国残留帰国者問題」について行った、質問・提案をご紹介いたします。
足立区は、全国でも外国人登録者数がトップレベルで、今後、ますます増えていくことが予想されます。
そんな状況の中、足立区として、日本以外の文化圏で育った人たちをどのように受け入れ、どのように協力して生活していけるかを、考えています。
また、多文化共生の調査・研究を進めるうちに、日本人でありながら、中国語を話し、中国文化の中で育った、いわるゆ「中国残留帰国者」の問題にも突き当 たりました。
足立区は、全国的にみても、多くの中国残留帰国者の方が生活されています。
大変、悲惨な体験をし、複雑な環境の中で育ってきた中国残留帰国者の皆さんを、足立区がどのように支援し、自立の道を開けるか。
また、それらの方々をどのように受け入れ、地域に溶け込み、共に生活していけるかについての質問・提案を行いました。
外国(日本以外の文化圏)で育った方というのは、足立区の人口で見れば、決して多い数ではありません。
しかし、「足立区に暮らす全ての人にとってやさしい街づくり」を目指す中で、外国籍や中国残留帰国者の皆さんをどう受け入れ、また、支援や保護の対象と してとらえるだけでなく、その能力をどのように生かしていくかを、足立区として考えていかなければならないと思います。
最後に、質問の議事録(後半)を記載します。
また、本会議の様子は、足立区議会のホームページから、ビデオ動画で見ることもできます。
足立区議会ホームページより〜長谷川たかこ25日の質問の様子
※クリックをすると、動画が再生されます。再生時、音量等にご注意ください。
——————以下、本会議の議事録の要旨です——————
(本会議での質問は、まず始めに、質問者が全ての質問を問いかけ、その後に、行政側が、質問に順番に応えていくという形ですが、今回は、質問と答弁を対応 しやすくするため、質問と答弁を交互に記載しました)
[長谷川]
次に、足立区に暮らす全ての人にとって優しい街づくりという観点から、もうひとつ、ご質問をさせていただきます。
足立区は、外国人登録者数が全国でもトップレベルです。
今後、ますます国際化が進み、足立区で生活する外国人数は増加するものと予想されます。
公共施設の案内などを3ヶ国語表示、4ヶ国語表示にしていくことは、実際に多くの自治体や公共施設等で取り組みが進んでいます。
【問】
そこで、増加が予想される外国人に対して、公共施設、特に区役所本庁舎の案内表示を多言語化すべきであると思いますが、如何でしょうか。
<資産管理部長>
先ほどご答弁いたしました本庁舎のサイン表示の見直しと併せまして、多言語化についても検討してまいります。
【問】
在住外国人にとって、大きな問題のひとつに、日本語が十分に話せない方々の問題があります。
外国人の子供が多く通う、ある地域の学校では、自治体やPTAが協力し、学校通信などの、学校からの重要な通知を翻訳するなどの支援体制がとられていま す。
足立区においても、区に登録をしているボランティアや地域の人たちに呼び掛け、連携をし、そのような支援体制をとることは可能でしょうか?
現在の通訳等の派遣だけでは、手続きや人員の問題もあり、きめの細かいサポートができません。
外国人の数が多く、需要が多いと思われる足立区でも、そのような支援体制が必要だと思いますので、ご検討をよろしくお願いいたします。
<区民部長>
日本語が十分に話せない在住外国人の方々の支援としましては、現在、都内自治体では17箇所と最も多く設置されている日本語ボランティア教室をご利用い ただいております。
また、今年度から「外国人のためのくらし講座」を実施し、初級日本語や生活習慣を学ぶ機会を外国人や中国残留帰国者の方々に提供しています。
翻訳につきましては、通訳が出来る保護者や地域の方の協力を得るなど、学校でのさまざまな工夫により、連絡体制を取っております。
[長谷川]
次に、足立区は、中国残留帰国者の居住者数においても、全国でも1,2番目を争う多さです。
中国残留帰国者は、中国語を話し、中国文化の中で生活してきたため、生まれ(育ち)の故郷は中国ですが、血縁の故郷は日本という複雑な状況におかれてい ます。
また、いわゆる中国残留邦人と呼ばれてきた人々の中には、終戦時およびその後の混乱の中で、悲惨な体験をされた方が多くいらっしゃいます。
中国残留帰国者への対策については、2008年4月に大きな転機を迎え、法律の改正により本年度から新しい支援制度が始まっていますが、言葉の問題、地 域社会への参加、2世、3世の就労問題など多くの課題もあります。
そこで、足立区の現状と課題について、質問・提案をしたいと思います。
4月からの老齢年金の満額支給や支援給付金の支給などにより、経済的には、対策がとられるようになったといえます。
実際、足立区でも本年度の4月からの支給は行っていますが、国の新制度の決定から開始まで、十分な情報と準備期間がなかったこともあり、本年度は十分に 支援事業が進んでいないのが現状です。
【問】
初めに、来年度、足立区としてどのような支援事業を予定しているのか?
また、今後、解決していかなければならない大きな課題は何か、お聞きします。
<福祉部長>
平成21年度も中国帰国者を経済的に支える支援給付とともに、中国帰国者に対する区民の理解をより深めるため、地域の方々との交流会を実施してまいりま す。
また、交流会後には自主的な活動へと発展するように支援してまいります。
また、中国帰国者を対象とした(仮称)「中国帰国者だより」を発行し、情報の提供と中国帰国者相互の交流を支援してまいります。
課題といたしましては、高齢化に伴う医療・介護の問題、生活習慣や言葉の問題、生きがいや精神的な豊かさの問題、地域との相互理解等と認識しておりま す。
[長谷川]
次に、私は、実際に、足立区に住む中国残留帰国者の当事者の方にも、何人もお会いし、お話しを聞くことができました。
その中で身近な地域で学んだり、集える場が欲しいというお声をよく聞きました。
言葉の問題や育った環境の違いなどにより、一般の方が利用するサロンでは、なかなかなじめないのが現状です。
純粋に日本語の学習というよりも、年齢的にも、当人のケアや周囲の人とのコミュニケーションなどを目的とし、進める必要があります。
【問】
そこで、区内の中国残留帰国者やその家族が、いつでもどこでも身近で日本語や生活習慣を学んだり、気軽に集える場を、提供するような事業を進めてはいか がでしょうか?
<福祉部長>
都内の中国帰国者支援・交流センターでは、日本語教室のほか、文化、スポーツなどさまざまな講座が行われており、当区からも多くの中国帰国者が通ってお られます。こうした事業に参加するときには、交通費や教材費を支給しております。
住区センター等での事業につきましては、中国帰国者支援・交流センターとも連携し、地域の方々との交流を深めるとともに、中国帰国者の相互のネットワー クづくりを進めてまいります。
【問】
その際、新たな施設となると、場所や経費も多くかかることが考えられるため、既存の住区センターなどの、コミュニティーセンターの中に、そのようなブー スやコーナーを設けるはいかがでしょうか?
<福祉部長>
なお、住区センターに中国帰国者のためのブースやコーナーを常設することは困難と考えますが、住区センターは全ての方に開かれておりますので、帰国者の 方々も気軽に利用していただければ、幅広い交流ができるものと考えます。
[長谷川]
次に、大きな問題のひとつである「介護」「「就労問題」についてご質問します。
帰国者の高齢化が進む中で、介護の問題と、その2世、3世の方々の就労が大きな問題になっています。
【問】
中国残留帰国者は今後、ますます高齢化が進み、介護が必要となってくる世代が増えてきます。
全国的にも人数が多い足立区として、特殊な事情をもつ中国残留帰国者の介護の問題をどのように考えているかお伺いします。
<福祉部長>
次に、中国残留帰国者の方の介護についてお答えします。
中国残留帰国者の方の高齢化が進んでおります。
言葉・生活習慣の違いから、住居・就労・医療・日本語取得など、さまざまな課題を抱えながら生活しているとの厚生労働省の調査がございます。
長年、習慣の違う社会で生活をされてきた中国残留帰国者の方の介護サービス等の申請支援や中国の習慣等を十分に理解した介護者の育成等が必要と認識して おり、可能な限り取り組んでまいります。
[長谷川]
中国残留帰国者の高齢化に伴い、医療・介護は、さらに深刻な問題になっていきます。
その中で、2世、3世の方々は、「中国語ができる」「中国残留帰国者について理解がある」点で、帰国者問題解決の鍵になりうる存在です。
【問】
そこで、中国残留帰国者に理解のある、2世3世に、帰国者の介護の現場で活躍してもらうことは、その能力の活用という点からも非常に有効であると考えま すが、如何でしょうか。
<福祉部長>
次に中国残留帰国者の2世、3世の介護の現場での就労についてお答えします。
中国残留帰国者の多くの方は、子どもを連れて帰国している方が多いと伺っております。
この2世、3世の方が、介護の現場で就労されることは、1世の中国残留帰国者の方を支える重要な施策であると考えております。
【問】
また、具体的な方法として、高齢化が進み、介護が必要となってくる世代と、就労が必要な世代の問題を同時に解決するために、2世、3世の方々が、ヘル パー等の資格を取る際に、区として補助金を出す制度や、足立区訪問介護員 養成研修に中国残留帰国者枠を設定することなども考えられますが、いかがでしょ うか?
これは、慢性的な人手不足の介護現場にとっても、大変大きなメリットがあると思います。
<福祉部長>
次に、2世、3世の方のヘルパー資格取得について、お答えします。
中国残留帰国者の2世、3世の方の自立支援を図るために、足立区訪問介護員養成研修について、優先枠の設定を検討してまいります。
【問】
次に、帰国者やその家族は、中国語ができる、太極拳や中国の伝統的な料理、楽器などができる人が多くいらっしゃいます。
保護や支援の対象者として捉えるだけでなく、その能力を有効に活用するという考え方から、地域コミュニティーを作る際に、たとえば講師を依頼するなど、 それらの能力を生かし、活躍をする場を提供することにより、地域社会への浸透を図る方法もあると思いますが、いかがでしょうか?
<区民部長>
帰国者やその家族の能力の活用につきましては、すでに「あだち国際まつり」において、ステージに出演していただき、二胡などによる中国音楽を披露してい ただいたり、食のテントに出店していただいたことがございます。
今後も外国人相談などで区役所を訪れる機会を通して、その方の得意とする能力や特技をお聴きし、「外国文化紹介講座」や「食文化を学ぶ会」などの講師を 依頼していきます。
身近な外国文化や食を通じて、人々が相互にそれぞれの文化を理解しあい、より公平で平和な関係や文化をつくり出そうとするような多文化共生社会を目指し たいと考えております。
[長谷川]
中国残留帰国者への対応については、日本語が不自由という点だけを捉え、他の外国人と同じような政策を進めると、さまざまな問題を引き起こす事が考えら れます。
心のケアなどに十分配慮しながら、急ぎすぎないように、じっくりと地域社会への参加を進めていっていただきたいと思います。
中国残留帰国者のみならず、足立区に暮らす全ての人にとって、「足立区が優しい街、温かい街」となるように、是非、取り組みを進めていただきたいと思い ます。
足立区は、全国でも外国人登録者数がトップレベルで、今後、ますます増えていくことが予想されます。
そんな状況の中、足立区として、日本以外の文化圏で育った人たちをどのように受け入れ、どのように協力して生活していけるかを、考えています。
また、多文化共生の調査・研究を進めるうちに、日本人でありながら、中国語を話し、中国文化の中で育った、いわるゆ「中国残留帰国者」の問題にも突き当 たりました。
足立区は、全国的にみても、多くの中国残留帰国者の方が生活されています。
大変、悲惨な体験をし、複雑な環境の中で育ってきた中国残留帰国者の皆さんを、足立区がどのように支援し、自立の道を開けるか。
また、それらの方々をどのように受け入れ、地域に溶け込み、共に生活していけるかについての質問・提案を行いました。
外国(日本以外の文化圏)で育った方というのは、足立区の人口で見れば、決して多い数ではありません。
しかし、「足立区に暮らす全ての人にとってやさしい街づくり」を目指す中で、外国籍や中国残留帰国者の皆さんをどう受け入れ、また、支援や保護の対象と してとらえるだけでなく、その能力をどのように生かしていくかを、足立区として考えていかなければならないと思います。
最後に、質問の議事録(後半)を記載します。
また、本会議の様子は、足立区議会のホームページから、ビデオ動画で見ることもできます。
足立区議会ホームページより〜長谷川たかこ25日の質問の様子
※クリックをすると、動画が再生されます。再生時、音量等にご注意ください。
——————以下、本会議の議事録の要旨です——————
(本会議での質問は、まず始めに、質問者が全ての質問を問いかけ、その後に、行政側が、質問に順番に応えていくという形ですが、今回は、質問と答弁を対応 しやすくするため、質問と答弁を交互に記載しました)
[長谷川]
次に、足立区に暮らす全ての人にとって優しい街づくりという観点から、もうひとつ、ご質問をさせていただきます。
足立区は、外国人登録者数が全国でもトップレベルです。
今後、ますます国際化が進み、足立区で生活する外国人数は増加するものと予想されます。
公共施設の案内などを3ヶ国語表示、4ヶ国語表示にしていくことは、実際に多くの自治体や公共施設等で取り組みが進んでいます。
【問】
そこで、増加が予想される外国人に対して、公共施設、特に区役所本庁舎の案内表示を多言語化すべきであると思いますが、如何でしょうか。
<資産管理部長>
先ほどご答弁いたしました本庁舎のサイン表示の見直しと併せまして、多言語化についても検討してまいります。
【問】
在住外国人にとって、大きな問題のひとつに、日本語が十分に話せない方々の問題があります。
外国人の子供が多く通う、ある地域の学校では、自治体やPTAが協力し、学校通信などの、学校からの重要な通知を翻訳するなどの支援体制がとられていま す。
足立区においても、区に登録をしているボランティアや地域の人たちに呼び掛け、連携をし、そのような支援体制をとることは可能でしょうか?
現在の通訳等の派遣だけでは、手続きや人員の問題もあり、きめの細かいサポートができません。
外国人の数が多く、需要が多いと思われる足立区でも、そのような支援体制が必要だと思いますので、ご検討をよろしくお願いいたします。
<区民部長>
日本語が十分に話せない在住外国人の方々の支援としましては、現在、都内自治体では17箇所と最も多く設置されている日本語ボランティア教室をご利用い ただいております。
また、今年度から「外国人のためのくらし講座」を実施し、初級日本語や生活習慣を学ぶ機会を外国人や中国残留帰国者の方々に提供しています。
翻訳につきましては、通訳が出来る保護者や地域の方の協力を得るなど、学校でのさまざまな工夫により、連絡体制を取っております。
[長谷川]
次に、足立区は、中国残留帰国者の居住者数においても、全国でも1,2番目を争う多さです。
中国残留帰国者は、中国語を話し、中国文化の中で生活してきたため、生まれ(育ち)の故郷は中国ですが、血縁の故郷は日本という複雑な状況におかれてい ます。
また、いわゆる中国残留邦人と呼ばれてきた人々の中には、終戦時およびその後の混乱の中で、悲惨な体験をされた方が多くいらっしゃいます。
中国残留帰国者への対策については、2008年4月に大きな転機を迎え、法律の改正により本年度から新しい支援制度が始まっていますが、言葉の問題、地 域社会への参加、2世、3世の就労問題など多くの課題もあります。
そこで、足立区の現状と課題について、質問・提案をしたいと思います。
4月からの老齢年金の満額支給や支援給付金の支給などにより、経済的には、対策がとられるようになったといえます。
実際、足立区でも本年度の4月からの支給は行っていますが、国の新制度の決定から開始まで、十分な情報と準備期間がなかったこともあり、本年度は十分に 支援事業が進んでいないのが現状です。
【問】
初めに、来年度、足立区としてどのような支援事業を予定しているのか?
また、今後、解決していかなければならない大きな課題は何か、お聞きします。
<福祉部長>
平成21年度も中国帰国者を経済的に支える支援給付とともに、中国帰国者に対する区民の理解をより深めるため、地域の方々との交流会を実施してまいりま す。
また、交流会後には自主的な活動へと発展するように支援してまいります。
また、中国帰国者を対象とした(仮称)「中国帰国者だより」を発行し、情報の提供と中国帰国者相互の交流を支援してまいります。
課題といたしましては、高齢化に伴う医療・介護の問題、生活習慣や言葉の問題、生きがいや精神的な豊かさの問題、地域との相互理解等と認識しておりま す。
[長谷川]
次に、私は、実際に、足立区に住む中国残留帰国者の当事者の方にも、何人もお会いし、お話しを聞くことができました。
その中で身近な地域で学んだり、集える場が欲しいというお声をよく聞きました。
言葉の問題や育った環境の違いなどにより、一般の方が利用するサロンでは、なかなかなじめないのが現状です。
純粋に日本語の学習というよりも、年齢的にも、当人のケアや周囲の人とのコミュニケーションなどを目的とし、進める必要があります。
【問】
そこで、区内の中国残留帰国者やその家族が、いつでもどこでも身近で日本語や生活習慣を学んだり、気軽に集える場を、提供するような事業を進めてはいか がでしょうか?
<福祉部長>
都内の中国帰国者支援・交流センターでは、日本語教室のほか、文化、スポーツなどさまざまな講座が行われており、当区からも多くの中国帰国者が通ってお られます。こうした事業に参加するときには、交通費や教材費を支給しております。
住区センター等での事業につきましては、中国帰国者支援・交流センターとも連携し、地域の方々との交流を深めるとともに、中国帰国者の相互のネットワー クづくりを進めてまいります。
【問】
その際、新たな施設となると、場所や経費も多くかかることが考えられるため、既存の住区センターなどの、コミュニティーセンターの中に、そのようなブー スやコーナーを設けるはいかがでしょうか?
<福祉部長>
なお、住区センターに中国帰国者のためのブースやコーナーを常設することは困難と考えますが、住区センターは全ての方に開かれておりますので、帰国者の 方々も気軽に利用していただければ、幅広い交流ができるものと考えます。
[長谷川]
次に、大きな問題のひとつである「介護」「「就労問題」についてご質問します。
帰国者の高齢化が進む中で、介護の問題と、その2世、3世の方々の就労が大きな問題になっています。
【問】
中国残留帰国者は今後、ますます高齢化が進み、介護が必要となってくる世代が増えてきます。
全国的にも人数が多い足立区として、特殊な事情をもつ中国残留帰国者の介護の問題をどのように考えているかお伺いします。
<福祉部長>
次に、中国残留帰国者の方の介護についてお答えします。
中国残留帰国者の方の高齢化が進んでおります。
言葉・生活習慣の違いから、住居・就労・医療・日本語取得など、さまざまな課題を抱えながら生活しているとの厚生労働省の調査がございます。
長年、習慣の違う社会で生活をされてきた中国残留帰国者の方の介護サービス等の申請支援や中国の習慣等を十分に理解した介護者の育成等が必要と認識して おり、可能な限り取り組んでまいります。
[長谷川]
中国残留帰国者の高齢化に伴い、医療・介護は、さらに深刻な問題になっていきます。
その中で、2世、3世の方々は、「中国語ができる」「中国残留帰国者について理解がある」点で、帰国者問題解決の鍵になりうる存在です。
【問】
そこで、中国残留帰国者に理解のある、2世3世に、帰国者の介護の現場で活躍してもらうことは、その能力の活用という点からも非常に有効であると考えま すが、如何でしょうか。
<福祉部長>
次に中国残留帰国者の2世、3世の介護の現場での就労についてお答えします。
中国残留帰国者の多くの方は、子どもを連れて帰国している方が多いと伺っております。
この2世、3世の方が、介護の現場で就労されることは、1世の中国残留帰国者の方を支える重要な施策であると考えております。
【問】
また、具体的な方法として、高齢化が進み、介護が必要となってくる世代と、就労が必要な世代の問題を同時に解決するために、2世、3世の方々が、ヘル パー等の資格を取る際に、区として補助金を出す制度や、足立区訪問介護員 養成研修に中国残留帰国者枠を設定することなども考えられますが、いかがでしょ うか?
これは、慢性的な人手不足の介護現場にとっても、大変大きなメリットがあると思います。
<福祉部長>
次に、2世、3世の方のヘルパー資格取得について、お答えします。
中国残留帰国者の2世、3世の方の自立支援を図るために、足立区訪問介護員養成研修について、優先枠の設定を検討してまいります。
【問】
次に、帰国者やその家族は、中国語ができる、太極拳や中国の伝統的な料理、楽器などができる人が多くいらっしゃいます。
保護や支援の対象者として捉えるだけでなく、その能力を有効に活用するという考え方から、地域コミュニティーを作る際に、たとえば講師を依頼するなど、 それらの能力を生かし、活躍をする場を提供することにより、地域社会への浸透を図る方法もあると思いますが、いかがでしょうか?
<区民部長>
帰国者やその家族の能力の活用につきましては、すでに「あだち国際まつり」において、ステージに出演していただき、二胡などによる中国音楽を披露してい ただいたり、食のテントに出店していただいたことがございます。
今後も外国人相談などで区役所を訪れる機会を通して、その方の得意とする能力や特技をお聴きし、「外国文化紹介講座」や「食文化を学ぶ会」などの講師を 依頼していきます。
身近な外国文化や食を通じて、人々が相互にそれぞれの文化を理解しあい、より公平で平和な関係や文化をつくり出そうとするような多文化共生社会を目指し たいと考えております。
[長谷川]
中国残留帰国者への対応については、日本語が不自由という点だけを捉え、他の外国人と同じような政策を進めると、さまざまな問題を引き起こす事が考えら れます。
心のケアなどに十分配慮しながら、急ぎすぎないように、じっくりと地域社会への参加を進めていっていただきたいと思います。
中国残留帰国者のみならず、足立区に暮らす全ての人にとって、「足立区が優しい街、温かい街」となるように、是非、取り組みを進めていただきたいと思い ます。