決算特別委員会の質問内容 第8弾:「環境サミット①」
先の議会で行われました決算特別委員会で、私の行った質問の内容をご紹介していますが、いよいよ最後のテーマ「環境サミット in
足立」についてです。
環境サミットについては、以前にもこのホームページでご紹介いたしました。(詳しくは、10
月2日の記事をご覧下さい。)
実際に「環境サミット in 足立」にかかった経費は4600万円以上。当初、予算特別委員会で審議し、採決した際の予算は430万円でした。
結果的に、議会で認めた予算規模の10倍以上のお金がかかったわけです。
もちろんこれらは、区民の皆さんの税金であることは言うまでもありません。
この問題に関しては、多くの区民の皆さんからも、問い合わせや批判のご意見をいただいております。
議会において、担当部署の部長、および区長からも謝罪の発言がありました。
しかし、「謝っておしまい」では、今後も同じことが何度も繰り返されてしまいます。
今回のことが起きた要因のひとつに、足立区が独自に採用している「包括予算制度」があります。
決算特別委員会の質問では、事実の確認と再発防止策、そして包括予算制度の適正な運用の仕方について、行政側に求めました。
また、そのような多額の費用がかかってしまった「環境サミット in
足立」を一過性のイベントとしないためにも、今後の十分な活用について、議論・提案をしました。
今回のテーマは長くなりますので、2回に分けてご紹介します。
前半の今日は、「予算とその執行のあり方」についてです。(後半は、「環境サミットの活用について」の内容をご紹介します)
−−−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−−−
【長谷川】
本日は環境サミットの件についてご質問をさせていただきます。
先日、別の委員の質問で区長が、また本会議で環境部長によって何度もお詫びをお聞きしているので謝罪を求めるための質問ではありません。
予算と執行のあり方について、環境サミットの今後の活用の仕方について、建設的で前向きな議論、提案をしていきたいと考えています。
まず環境サミットについては、既にほかの委員も質問をされていますが、今回のように予算で審議した額の10倍の経費がかかったというのはやはり異常で
す。
足立区にはほかの自治体では珍しい包括予算制度という、予算の枠にとらわれ過ぎないで比較的柔軟な予算の執行が可能な制度がありますが、この制度が始
まって以来、結果的に当初事業予算の2倍とか5倍、また10倍となったような事業は過去にあったでしょうか。
<財政課長>
すべてのデータを掌握しているわけではございませんが、事業単位で10倍となったものについては記憶がございません。ただ、個別の節単位ですとか、そう
いうものについては2倍、3倍はあったかと思います。
【長谷川】
そうしますと、やはり環境サミットで10倍という費用がかかってしまったということは、やはり過去に例を見ない異例な事態ということですね。
普通に考えて、予算審議のときに示した当初430万円で行う予定であったものと最終的に4,600万円以上もかかったものが当初予定していたイベントと
同じものとは言えません。
苗本の配布やサテライト会場など、当初の予定になかったこと、新たなことに多額の予算を充てています。
これは全く新しくプラスされたこと、当初予定されていなかったことです。
つまり当初の計画とは違ったものが行われたといえるのではないでしょうか。
8月20日に行われました産業環境委員会で、温暖化対策課長より当初の予定とは大きく異なったイベント規模で行おうと検討始めたのが4月ごろという説明
をいただきました。
4月には産業環境委員会が、また6月21目の環境サミット直前の6月16日にも産業環境委員会が開かれています。しかも、6月16日の委員会では、私も
委員として環境サミットについて質問もしています。
また、委員会などの場でなくてもそのような変更が検討されてから環境サミットが行われるまで2ヵ月近くあったことになります。
産業環境委員会での温暖化対策課長のお答えでは、『委員会への報告がなされなかったのは、準備が逼迫していたから』とお話でしたが、議会への報告という
のは、すなわち区民の皆さんへの報告です。
それが忙しいとか、ばたばたしていたなどの理由で後回しになるようなことだけはないよう、今後十分に気をつけていただきたいと思います。
また、私が環境部に対して環境サミット関係の経費について大まかな数字でも構わないので教えてほしいと資料請求をしてから、実際に資料が提出されるま
で、およそ50日もかかっています。
余りにも時問がかかり過ぎていると思いますので、この点に関しても今後このようなことがないよう十分に気をつけていただきたいと思います。
さて、改めて、議会で予算審議したものと全く別物といえるようなイベントが行われたのは問題です。
私も予算特別委員会の委員として審議に参加しましたが、これでは議会での審議の意味がありません。
何度も謝罪がありましたので、このようなことはよくないことと認識をされているものと思いますので、再発の防止を図る必要があると思います。
例えば再発防止の方法として事業予算が1.5倍以上とか2倍以上とか5倍以上とか、事業規模が当初事業予算と余りにも大きく変更されたときにはその段階
で、区長はもちろん、議会にも報告するというようなルールづくりはできないでしょうか。
<財政課長>
単純に金額、率だけだとなかなか難しいかと思いますが、事業単位で大きな変更かあった場合等については何らかの基準なり意識啓発する庁内でのルールづく
りなりなんなり、というもについては取り組んでみたいと思います。
ただ、決算ベースで申し上げますと、目款流用のものについては長の執行権限の範囲ではありますけれども、決算の概要参考資料として本議会にも提出させて
いただいているところです。
【長谷川】
ぜひ、大きな事業規模という形で徹底したルールづくりをつくっていただければと思います。
せっかくの予算制度が十分に活用できない、また予算の執行が窮屈になってしまい、スムーズな決定などができなくなってしまっては、やはり意味がないと思
います。
情報開示や報告、それからスムーズな執行のバランスがとれるようなルールを、ぜひ皆さんのお知恵を結集するような形で、つくっていただきたいと思いま
す。
今回の最大の問題点は、事業計画、予算の段階でどのようなことを行うかしっかりと決まっていなかったところにあると思います。
平成19年の会計監査委員からの意見書にも包括予算についてこのように書かれています。
『
部長権限となっている事業変更、流用の額、回数が非常に多くなってきている、柔軟な事業運営を行っていく上で必要なことではあるが、一部ではその状況には
目に余るものがある。
事業計画を立てる際の検討が十分であったのか、支出科目の選択などは予算事務規則等に即したものであったのか疑問が残るものも見受けられた。
事業計画策定時に十分な精査を行い、できるだけ事業変更、流用などを生じさせないよう留意されたい 』
とあります。
私もまさにそのとおりだと思います。
包括予算制度があるからとりあえず事業計画、予算案を出しておいて、具体的な内容は予算が通過してから後で考えるというような考えがあったとしたら、そ
れは包括予算制度の本来の趣旨からは大きくかけ離れてしまいます。
ルールづくりとあわせて、包括予算制度全体の運用の仕方もぜひ検討していただきたいと思います。