静岡県浜松市視察① 「予算を活かすインセンティブ」浜松方式
浜松市役所の前で。
午前中に訪れた三重県庁を後にして、急いで電車に乗り、お昼として新幹線の中でお弁当を食べながら移動し、午後から浜松市役所に伺いました。
浜松市では、「予算を活かすインセンティブ」と「ユニバーサルデザイン」の2つ取り組みについてお話をお聞きしました。
今日は、「予算を活かすインセンティブ」浜松方式についてご紹介いたします。
予算のインセンティブ方式については、7月29日の記事で横浜市の取り組みについての視察をご紹介しました。
(詳しくは、2011年7月29日の記事をご覧ください。)
浜松市と横浜市の予算を活かすインセンティブの取り組みについては大変注目されていて、国会の方でも勉強会が開かれたこともあるそうです。
浜松市では、平成14年度から、予算の執行段階で節減、収入の増加を図った部署に対して、その評価に対応して予算額を付与する「予算のインセンティブ方式」を実施しています。
予算の節減においては、その創意工夫度や先進的な取り組みであるかなどの評価ポイントにより、付与額が変わってきます。
また、予算の節減だけでなく、広告の獲得など収入を増やした取り組みに対しても評価するところが工夫されています。
導入の背景としては、
・予算編成のおける歳入確保や経費削減の取り組みに加え、
・予算執行段階における明確なコスト意識に基づく一層の経費削減の推進、
・余った予算を全部使い切ってしまうといった使い切り予算の見直し
を図ることを目的としています。
「予算は使いきるもの」ではなく、「予算は限度額」という職員の意識改革を図り、予算執行段階から創意工夫により経費の節減を積極的に行うことで、節減額の一部を財源として各部局に配分し、事務事業の見直しを進め、より多様で効果的な事業展開につなげています。
また、新たにグッドジョブ改善活動や時間外勤務縮減への取り組みの成果に対してインセンティブとして財源付与を行ったそうです。
制度導入から9年が経過していますが、職員意識の改革という目的は達成した感があるとのお話しもありました。
事業仕分けなどに見られる事業の見直しは、予算の節減効果だけではなく、創意工夫によって、より区民の皆様に効果的な事業に予算がつけられることを目的とすべきだと考えています。
また、インセンティブ方式の導入などにより、職員の皆様の意識の向上と、ひとつの取り組みを全庁的に適用していくシステムの確立なども必要だと感じました。
足立区では、区民評価委員会で一定の事業評価は行われているものの、全国各地で行われている本格的な事業仕分けは行われていません。
横浜市や浜松市の先進的な取り組みを参考にしながら、包括予算制度というめずらしいシステムを導入している足立区において、両市のようなすばらしい取り組みがどのように適用していけるのかも含め、さらに研究を進めていきたいと思います。