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世田谷区 ユニバーサルデザイン視察

 今日は、民主党足立区議団のメンバーと、世田谷区で導入されている「ユニバーサルデザイン(以下 UDとも表記)」について、視察をしてきました。

 実は昨年の12月27日にも、私は個人的に世田谷区に視察に行っています。
 その時は、世田谷区が取り組んでいる「ユニバーサルデザイン」の中で、特に「カラーユニバーサルデザイン」を中心に、担当の方からいろいろとご説明を頂 きました。(その時の様子は、12月27日の記事をご覧ください)

 今回は、もっと広く「ユニバーサルデザイン」全体について、街づくりや区政にどのように取り入れているかを視察してきました。


 区役所では、条例などについての説明があり、ハード面、ソフト面から、公共施設への取り組み、普及活動、そして今後も区民の皆様への周知活動を行ってい きたいとの話しがありました。
 もともと、世田谷区では30年ほど前の1982年頃から、UDに関する取り組みがあり、さまざまな過程を経て、現在「ユニバーサルデザイン推進条例」と 「高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例」の2本の条例を軸に、UDを取り入れた街づくりを行っています。

 これらの条例についても担当者から細かくご説明いただきました。
 時間の都合で、私がいろいろ用意した質問を全てお聞きすることが出来ませんでしたので、後日、回答を頂くことになりました。
 回答を頂いたときに、条例の内容等も含めて、改めてご紹介したいと思います。


 条例等の説明の後は、実際にUDが導入された街づくりが行われている「松陰神社通り商店街」へ視察に行きました。

 この商店街は「元気でやさしい松陰神社通りまちづくり」として、ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業の一つになっています。

 街づくりにあたっては、
  ① 誰でも歩きやすい道、入りやすい店を増やそう!
  ② 放置自転車、はみ出し看板、商品がない道路環境を作ろうふれあいが
   生まれるやさしい商店街を作ろう!
  ③ 誰もが安心して歩ける区役所周辺地区にしよう!
 と大きく3つの目標が定められました。


 実際の街づくりでは、足立区でも力を入れている「協働」の考え方に基づいて行われています。

 事業を進めるにあたり、街づくり協議会「元気でやさしい松陰神社通り街づくりの会」を設立(平成16年9月)、商店主、地区住民の皆さんの参加を得て、 事業計画の提案、広報・啓発活動が行われました。
 街づくり協議会では、やさしい道路についての検討会を重ね、他の商店街整備事例を視察に行き、舗装、点字ブロックの実際の施工例の検証、そしてテスト道 路を作り、実際に車いす利用者や視覚障害の方に検証をしてもらっています。

 商店街は、誰でも歩きやすい道、入りやすい店になっており、店舗と道路の段差をなくすために排水を中央にし、視覚障害者のための点字ブロックは、車いす の方がまたぎやすいように幅が狭くなっていました。
 また、松陰神社参道の景観にも配慮し、石畳風の加工をした舗装もありました。

 大変、興味深かったのは、ユニバーサルデザイン商店街道路の環境を守り、地域の皆さんとのコミュニケーションを図るために、毎月地域の皆さんで清掃活動 をしており、参加をした方々には、商店街組合加盟店で使える買い物券(250円分)等がもらえるという取り組みも行っています。
 この活動は平成19年11月に世田谷区環境表彰を受けたそうです。

 やはり、事業を始めて、ハードを整備するだけでなく、その後の維持管理も含めた形で、どのように運営を行っていくかは、とても大切なことです。


 今回の視察で、世田谷区の取り組みを詳しく知ることができました。
 高齢化社会、外国人の増加、障害を持つ方の積極的な社会進出など、今後、「だれにでも安心、安全」というユニバーサルデザインの考え方は、ますます重要 になってきます。


 今後も、先進的な取り組みを行っている自治体に視察に行き、足立区としてのどのように取り入れていけるか、区議会議員として調査・研究を重ねて、よりよ い政策を提案し、実現していきたいと思います。

 最後になりましたが、長時間にわたり丁寧なご説明をしてくださいました世田谷区の職員の皆様、まことにありがとうございました。
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世田谷区の担当の方に丁寧なご説明をいただきました。

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カラーユニバーサルデザインに配慮した区役所内の案内所。

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「元気でやさしいユニバーサルデザイン商店街」

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商店街では、店舗への音声案内装置が導入されています。
店の前に来ると、手持ちのAMラジオから店の案内が店主の声で聞こえてくるようになっています。

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段差のない「誰にでもやさしい松陰神社通り商店街」。

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電車の踏切の段差も、極力小さくする工夫がされています。

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区が所有している土地に、何パターンか点字ブロックの幅などを作り、実際に障害をお持ちの方々に、検証してもらったそうです。

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障害をお持ちの方々の検証により、点字ブロックの幅が、車いすの方にも通りやすい幅になりました。