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代表質問の内容⑨ : 防災対策:災害時相互応援協定・東京都との連携について

 今回も代表質問の内容の紹介です。
 今日は、「災害時相互応援協定」と「東京都との連携」について行った質問の部分をご紹介します。


 「災害時相互応援協定」とは、ある自治体が被災した場合、協定を結んでいる他の自治体が、食料などの提供や復旧を支援する協定です。

 2008年の予算特別委員会の質問でも、この協定の重要性とともに、足立区が協定を結んでいる自治体が、近隣や関東圏に偏在していることを取り上げました。
(詳しくは、2008年の予算特別委員会の質問の記事をご覧ください。)


 近隣自治体と協定を結んでも、大規模な災害(つまりは、応援を必要とするような災害)の際には、その自治体も被災している可能性が高く、とても他の自治体の応援どころではないはずです。
 また、足立区の規模と比べて、あまりにも規模の小さな自治体と結んでも、規模の大きな足立区に対して、実質的に十分な支援が得られるか検討が必要です。

 しかし、2008年3月の予算特別委員会での質問の答弁でも拡充を検討するとあったにもかかわらず、その偏在性などの解消をしていないばかりか、それ以降、1件の協定も結んでいないという現状があります。

 東日本大震災でも、各自治体間の応援協定は、大きな力となりました。
 しかし、同時に近隣自治体としか協定を結んでおらず、実質的に機能しなかった協定もあったようです。
 これらの現実を踏まえて、改めて偏在性の解消や締結自治体の拡充を求めました。


 また、東日本大震災では、足立区内でも綾瀬にある「東京武道館」にも避難所が設けられました。
 私も地元議員として、毎日のように避難所に足を運び、避難所の環境の改善や不都合な点の解消などを都や区に求めました。

 避難所は足立区にあるものの、東京武道館は東京都の施設であり、避難所の運営も東京都が行っていたために、避難者の皆様や地域の皆様のお声を受け、さまざまな改善の提案をさせていただくにも、「区」ではなく「都」に言う必要がありました。
 結果として、いくつか改善はしていただけたものの、やはり時間がかかります。

 より迅速な対応を可能にするために、東京都との連携の強化を提案しました。

 区内には、都が管理する施設(都立高校)や都立公園がたくさんあります。
 今後、災害発生時にそれらの管理や運営にあたって、地域と一体となった運営や地域の皆様の声をすばやく反映させるには、区がある程度関与するなど、「都と区」の連携が不可欠です。


   どちらの問題も、自治体間の都合や権限など、さまざまな課題もあるかと思いますが、一番は区民の皆様の生命と財産を守ることを一番に考え、今回の東日本大震災(東京武道館)の教訓を生かした対応を求めました。



*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

<長谷川>
 次に、災害時相互応援協定についてお尋ねします。

 私は、今から3年ほど前の平成20年の予算特別委員会の質問において、相互応援協定を結んでいる自治体が、首都圏を中心にそのほとんどが東日本大震災の都市であり、地域的に偏りがあることを指摘させていただきました。

 その際に、大規模な災害を想定して、例えば足立区から50㎞、100㎞、200㎞、500㎞など、段階的に距離の離れた自治体と結ぶべきではないか。足立区を支援できる体力のある自治体と結ぶべきではないかなど、具体的な提案もさせていただきました。

 その質問に対して、機会があれば締結する、考慮するとの答弁があったにも関わらず、また足立区地域防災計画にも協定締結自治体の拡大に努めるとあるにも関わらず、平成19年5月の相馬市以降、1件の締結もありません。


  【問】
 本来なら、区民の生命と財産を守るために積極的に拡大すべきであるにも関わらず、なぜ締結自治体の拡大やその偏在性の解消に至っていないのか、その理由をお尋ねいたします。
 また現在、協定締結に向けて交渉している自治体はあるのか、具体的にお伺いします。

【問】
 また、その際には、地域的な偏りを避けることはもちろんのこと、使用できなくなる道路があることも考慮に入れ、様々な方向から足立区にアクセスできるような地域に分散すること、また66万人を超える足立区を支援するだけの体力を持つ自治体であることなどを考慮に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


 次に、東京都との連携についてご質問します。
 今回、東京武道館が避難所として長期間にわたり開設されました。私も毎日のように避難所を訪れて、現状の把握や避難者の皆様のお声をお聞きしました。
 その中で、避難者の方々への区有自転車の無料貸出しや銭湯の無料券の配布など、要望したことにご対応いただいたことに感謝いたします。

 東京武道館は都の施設であり、運営は都の職員が行っていましたが、足立区にありながら、近隣に住む区民の声がなかなか届かないのでは、地域と一体となった支援ができません。
 今回、区としてできること、また地域住民の皆様からの支援の要請など、東京都の運営とのずれや、きめの細かさ、スピード感のなさも目についたことも事実です。


【問】
 東京都の施設であっても、避難所の運営という点では、施設のある足立区が主体となり、東京都と連携をしながら責任を持って運営をしていくような協定や取決めをしてはいかがでしょうか。

 これは都立公園や都立高校などにも言えることで、足立区にありながら足立区の意見がすぐに反映されない状態は避け、最大限活用できるようにするべきだと思いますので、是非ご検討をお願いします。



(答弁)
【危機管理室長】
 次に、災害時相互応援協定先の偏在の解消に至っていない理由につきましては、西日本の自治体との縁や交流が乏しく、適当な相手先の選定が進んでいないためです。
 現時点では、具体的な候補がありませんが、今後は、ご提案のとおり、地域的な分散等も考慮しながら、協定先自治体の拡大について検討してまいります。


 次に、3月17日から開設された東京武道館の避難所は、東京都が受入れの主体であり、足立区は足立区避難者支援センターを現地に設置し、各種相談受け付け等の支援を実施いたしました。
 今回は、あくまで区の被害が少ない状況で行われたため、区主体での運営の可能性も考えられるところですが、全ての状況で区がリードできるということはありませんので、東京都や地元町会等との連携により対応してまいります。