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予算特別委員会の内容①子育て応援施策「妊産婦&乳幼児に対する手厚いケアを」

予算特別委員会の内容です。
2月28日~3月8日まで行われた、予算特別委員会での内容をテーマごとに分けてご紹介したいと思います。今回の予算特別委員会では、3月1日、5日、8日の3回に分けて計70分間の質疑を行いました。

出産後の女性は、心身や生活そのものが大きく変化するため、出産後をどのように過ごすかによって、その後の育児や家族の生活が変わってきます。出産で疲れた体をほとんど労わることがないまま、お母さんたちは24時間の育児が始まります。
出産直後からはじまる2~3時間おきの授乳や抱っこ。
出産で疲労した身体を十分に労わらずに赤ちゃんのお世話を24時間続け、育児に不安を抱きながら心身のバランスを崩してしまうお母さんたちが多くいるのが現状です。
高齢出産や様々な家庭状況により産後の支援が乏しい家庭にとっては、心身ともに不安定になりやすい産後の一定期間、母子の休息を目的とした産後ケアが必要不可欠です。

当事者だからこそ見えてくる課題に対し、制度が乏しければ声をあげ、私は新しい支援施策を全力で構築していきます!

必要な支援を訴え、新しくその制度を構築することで、同じように悩み苦しむ方々を救うことができます。しかし、産婦と乳幼児に対する手厚いケアについては、幾度となく議会で提案をし、お示しをしておりますが、中々、ご理解いただけていないのが現状です。
他区の状況も含め総合的に見る限り、足立区の子育て応援は東京23区でワースト1になってしまいました。国や東京都の補助事業の恩恵を唯一、足立区の妊産婦のお母さんだけが受けることができていない状況です。

区長には、この状況を認識して頂き、真摯に対応をして頂きたいと思います。改選後も強く提言し、一日も早くその実現に向けて、区長はじめ区担当執行機関と議論を交わしながら全力で妊産婦と乳幼児を手厚くケアする施策を進めていきます!


*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

子育て応援施策「妊産婦&乳幼児に対する手厚いケアを」

<長谷川たかこ>
私は2016年に第3子、そして昨年第4子を出産いたしました。勿論、第1子第2子も足立区で子育てをしております。子育て真っ只中、私がこの足立区で妊娠・出産・育児等をしてきた経験者として日々感じること、そして私と同じように子育てに励んでいる多くのお母さんたちの想いを私は代表して質疑をしていきます。

全国調査によると、うつ病などによる妊産婦の自殺がこの10年間で100名を超えています。妊娠中に自殺をした妊婦は妊娠2か月と最も多く、出産後に関しては、産後4ヶ月で自殺した人が多いそうです。特にホルモンのバランスの変化に伴う周産期のメンタルヘルス対策は重要です。トツキトウカ、大きくなる赤ちゃんをお腹で育て、家事・育児・仕事と妊娠出産に伴う身体的なダメージは年齢を重ねるごとにとても負担が大きく、経産婦だからと言って出産が軽くなるわけでもなく、心身ともに受けるダメージははかり知れないものがあります。妊娠していないときには感じないことも、相手の言動にとても敏感で傷つきやすくなっているのもこの時期です。

子育てについて、家族の在り方について、女性は周産期に多くのことを学びます。足立区でぜひとも妊産婦全員対象にした保健師による相談体制を整備して頂き、乳幼児の成長や発達、母親の心身の健康、家族全体の関係性と生活の安定を支援する居場所をこの足立区の中から創って頂きたいと強く望みます。

フィンランドのネウボラは、全員対象で個別に妊娠期から継続的にサポートを行い、1人1家族ごとの状況や支援のニーズを的確に把握して、支援の質を高めることを主な目的としています。妊娠期から子育てへと一歩一歩進もうとする本人たちに寄り添うことを重視しています。

妊婦やパートナーがネウボラでのかかりつけの保健師または助産師とのやり取りの中で話す内容は、日常生活の多様な側面に関することでもあり、継続した対話が途切れないことです。これは、利用者本人にも専門職にとってもメリットがあります。本人たちも専門職も前回までの話を共有し、さらに対話を積み重ねていくことで、その後の不安や悩み事や問題、リスク要因の把握とその対応がスムーズになります。

また、このようなサポートを通じて母親の気持ちが軽くなるとそれは直接的に子どもに対する虐待防止にもつながります。先ずは、子育ての中に、信頼して子育てを話せる人がいることが重要です。母親の気持ちが少しでも前向きになれば、子どもに対する虐待は防止できると私自身の子育ての経験からも痛切に感じるところです。

【問】妊婦、母親と胎児、乳幼児のリスク予防を目的とした母子に対するマンツーマンのサポートを早急に構築し、乳幼児たちの発達や母子愛着が健全であるかどうか、生育環境に大きな影響を及ぼす家族関係の状況といったデリケートな側面をサポートする支援を全妊婦にこの足立区で提供して頂きたいと切に願います。区長の見解を是非とも、求めます。

<区長>
基本的に、全ての女性が安心して子育てができる地域環境を整えるということは、非常に重要な自治体の責務だと考えております。

<長谷川たかこ>

4人の子育てをしながら私が感じたことは、お母さんを労わる施策を構築することが必要ということです。そのメニューは沢山あればなおよいと感じます。先ずは、出産した後も妊産婦が住み慣れた場所で安心して子育てをするためにも、子育てのサポートの拠点が日常生活の中にあり、妊娠から子育てを包括して支援を受けられる一貫した支援システムを構築することが求められます。そして、育児のスタートアップ期に母子ともに適切な愛情とケアを受ければ、母子の愛着形成が強固に築かれ、『母親自身が子どもに対して愛情深く、強い存在』になります。

東京都の補助事業「ゆりかご・とうきょう事業」に手を挙げていないのは中央区、港区、荒川区、足立区です。しかし、足立区を除く3自治体は、少子化対策として国の補助金や区独自の自主財源で手当てをしています。

中央区では東京都の事業が開始する前から既に国の補助事業を活用し、妊婦に対するタクシー券の贈呈や出産祝いとして3万円の買い物券を贈呈。さらに、国の補助金を活用して産後ケア事業を開始しました。
港区においては、不妊治療の補助金を用意し5年でトータル150万円の支給。出産費用の助成も最高60万円まで支給しています。また、妊婦に対するコミュニティーバスの無料乗車券の発行をしています。

荒川区では、双子や三つ子などの多胎児家庭にタクシー券を支給。0・3歳児健診の際に絵本の贈呈。また、国の補助事業を活用して、平成29年度から産後ケア事業を開始。荒川区の東京リバーサイド病院だけでなく、平成30年度から葛飾区の産後ケアや台東区の産後ケアも2割負担の6000円で利用できるようになりました。区内には産婦人科が少なく、区外の産婦人科に通われている人が多い状況で、他区の産後ケアを利用できるようにしたそうです。荒川区の担当所管にお聞きした所、荒川区では、東京ゆりかご事業を来年度には導入をしていきたいとのことでした。

【問】足立区においては、荒川区と同様に区内に産婦人科が少なく、区外の産婦人科に通われている方が多い状況です。また、足立区には産後ケアがない状況です。そこで、多くの自治体でも行われているように、是非とも、他区の産後ケアを足立区のお母さんたちが利用できるよう補助券を発行して頂き、お母さんを労わる施策を構築して頂きたいと強く要望致しますが、区長、如何でしょうか。

<区長>
先程、見解については申し上げた通りでございます。

<長谷川たかこ>
それは期待してもよいということでしょうか?

<区長>
委員のおっしゃるご提案とは異なるかもしれませんけれども、区として総合的に判断をさせて頂いて、優先順位をつけてこれまでもやってきたように、これからもやっていきたいと思います。

<長谷川たかこ>
産後ケアで一緒になられたお母さん達からは、出産後、自分が住んでいる自治体がどれだけお母さんを労わる施策があるかによって、赤ちゃんをその後もう一人産むかどうかを考えるお母さん方が非常に多いのが現状です。近藤区長には是非とも優先順位を高く意識してもらい、この問題に取り組んで頂きたいと切にお願いをいたします。

平成27年度から始まった国や東京都の子育て応援事業には、東京23区中、唯一、足立区だけが手を挙げずに、ハイリスクの妊産婦に対してのみの支援としてA-SMAPという新たな事業を打ち出しました。妊娠届出時から特に支援を要する世帯を把握し、その世帯に対する個別ケアプランの作成とその相談支援です。国や東京都が進めている支援対象は全ての妊産婦です。しかし、足立区はハイリスクの妊産婦のみ。私自身、2016年と昨年出産をしており、生死の境まで行き、高齢出産ということもあり、また難産でハイリスク妊婦でもありました。しかしA-SMAPの枠にも入っておりません。そもそもA-SMAPの内容は他の自治体も足立区と同様に行っている内容であり、目新しいものでもありません。他の自治体では、さらにその上乗せで子育て応援として、他区にある産後ケアハウスを1日1割負担で利用できたり、1万円の育児パッケージで洋服やおもちゃを支給したり、タクシー券の発行やバスの乗車券、母乳マッサージ券であったりと様々なやり方で現物支給をされています。
他区の状況も含め総合的に見る限り、足立区の子育て応援は東京23区でワースト1になってしまいました。私は、この年齢で子育てを一から始めていますが、国や東京都の補助事業の恩恵を唯一、足立区の妊産婦のお母さんだけが受けることができていない状況です。

【問】区長にこの状況を認識して頂き、真摯に対応をして頂きたいと思います。区長は足立区のイメージを良い方向へと引き上げるために、この12年間ご尽力いただきました。女性区長として、今度は、私たち母親がこの足立区でもう一人産みたいと思える施策を是非とも強力に構築して頂きたいと切に願います。区長の強みは、女性として私たち母親の気持ちを理解できるところです。是非とも、幅広い年齢層の母親たちが、もう一人この足立区で子どもを産み育てたいとそう心から思える施策を近藤区長の裁量で新たな施策として進めて頂くことを私たち母親は強く望みますが、区長、如何でしょうか。

   
<福祉部長>
昨年12月の本会議の時、長谷川委員からご質問がありました。特に産後ケアの施策につきましては、私どもの方では、足立区版の新たな産後ケアの仕組みのようなことを今やっている事業を中心に再編することによって進めていきたいと考えているところと申し上げました。
こちらの方は区長の方からもご指示もありまして、そういった考えに立っているところでございます。そういった施策について、これから進めるように努力していきたいと考えております。

<長谷川たかこ>
私は母親の代表として代弁させて頂きました。この思いをしっかりと区長には感じて頂き、来期の施策に進めて頂けますでしょうか。

<区長>
先程来、お話している通りでございます。

<長谷川たかこ>
私は近藤区長が勤められた12年間を高く評価はしておりますが、この母親に対する施策が大変乏しく、気が付いたら東京23区でワースト1になっていました。是非とも近藤区長には、私たち女性の気持ちを酌んで頂いて来期、区長になられた際には、子の施策を強力に是非とも優先順位を高めて取り組んで頂きたいと切に思っております。
宜しくお願い致します。