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予算特別委員会⑩3歳児健診における目の疾病及び異常の早期発見・早期治療の実施体制の確立を求めて

子どもの視力は1歳で0.2前後、4歳5歳で1.0に達するといわれており、ほぼ6歳児までに完成するとされています。3歳児健康診査において異常が見逃されると治療が遅れ、十分な視力が得られなくなります。視覚感受性期は6~8歳くらいまでで、それ以降は治療には反応せず、一生弱視となってしまいます。目を細めたりして見てわかる症状もありますが、症状が何もない場合も多く見受けられ、親も異常に全く気付きません。
平成29年4月、国の通知で「3歳児健康診査における視力検査の実施について」協力依頼が都道府県に通達されました。


内容は、
1. 保護者に対し、子どもの目の機能は6歳までにほぼ完成するため、3歳児健康診査において異常が見逃されると治療が遅れ、十分な視力が得られないことを周知すること
2. 家庭での視力検査ができなかった児に対しては、必ず3歳児健康診査の会場において視力検査を実施すること
3. 家庭での視力検査で0.5が見えなかった児及び視力検査を実施できなかった児については眼科医療機関の受診を勧めること
4. 3により眼科医療機関受診を勧めた場合には、結果について保護者に確認をすること


平成29年に厚労省から通達を受けたことで、群馬県を先駆けとして多くの自治体が、「従来の3歳児健診で行われている家庭での視力測定のみでは弱視を見逃してしまう」という判断から、これを補完するものとしてオートレフラクトメータという一般医療機器を導入し始めました。群馬県が県内市町村に推奨し、東京都では練馬区、埼玉県では幸手市、和光市、福岡県では田川市、嘉麻市などが導入し成果を上げています。

この補完する機能を持つカメラ型のオートレフラクトメータを使うことで、ほぼ、子どもの弱視を見逃すことなく治療へと導くことが可能となります。今回、この内容を提案するにあたって、綾瀬の眼科医の先生にご尽力を頂き、担当部署である衛生部長他、保健衛生課長とも何度となく話をさせて頂き、また。また、医師会に要望書を提出( 医師会要望書をダウンロード)させて頂き、その後も、区長や副区長にも資料をお渡しさせて頂き周知・啓発活動を行いました。結果、東京23区の保健所所長会で今期、2019年度の課題として挙げ、3歳児健診で見逃されている弱視の問題を議論して頂けることとなりました。


その進捗状況を把握しながら、有識者の皆様と一緒に考え、さらなるアクションをしながら、3歳児健診の際の簡易キットを補完する機能の構築に向けた取組みに全力を期していきたいと思います。


*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

 

3歳児健診における目の疾病及び異常の早期発見・早期治療の実施体制の確立を求めて

<長谷川たかこ>

3歳児健診における目の疾病及び異常の早期発見・早期治療の実施体制の確立を求めて
足立区における『3歳児健康診査における視力検査及び保健指導の適切な実施』を強く求めます。


現在、足立区では3歳児健診の視覚検査をアンケートによる家庭での視力チェック(ランドルト環)という方法が行われており、2次検査として、3歳児健診の会場で保健師や看護師が家庭でのアンケート表を基に家庭での視力検査で問題があった場合のみ、健診会場で視力検査を行うこととなっています。
この3歳児健康診査における3歳児の家庭での視力チェックいわゆるランドルト環を用いた視力検査の実施は困難なケースが極めて多く、適切にできなかった児童による目の異常が見逃されています。
親御さん達も「多分、できたと思う」という感覚しか持つことができず、保健師も家庭での視力チェックができているかを把握することができないため、専門の保健師が懸念する状況です。


平成29年4月、国の通知で「3歳児健康診査における視力検査の実施について」協力依頼が都道府県に通達されました。
内容は、
1. 保護者に対し、子どもの目の機能は6歳までにほぼ完成するため、3歳児健康診査において異常が見逃されると治療が遅れ、十分な視力が得られないことを周知すること
2. 家庭での視力検査ができなかった児に対しては、必ず3歳児健康診査の会場において視力検査を実施すること
3. 家庭での視力検査で0.5が見えなかった児及び視力検査を実施できなかった児については眼科医療機関の受診を勧めること
4. 3により眼科医療機関受診を勧めた場合には、結果について保護者に確認をすること


子どもの視力は1歳で0.2前後、4歳5歳で1.0に達するといわれており、ほぼ6歳児までに完成するとされています。3歳児健康診査において異常が見逃されると治療が遅れ、十分な視力が得られなくなります。視覚感受性期は6~8歳くらいまでで、それ以降は治療には反応せず、一生弱視となってしまいます。目を細めたりして見てわかる症状もありますが、症状が何もない場合も多く見受けられ、親も異常に全く気付きません。


平成29年に厚労省から通達を受けたことで、群馬県を先駆けとして多くの自治体が、「従来の3歳児健診で行われている家庭での視力測定のみでは弱視を見逃してしまう」という判断から、これを補完するものとしてオートレフラクトメータという一般医療機器を導入し始めました。群馬県が県内市町村に推奨し、東京都※では練馬区、埼玉県では幸手市、和光市、福岡県では田川市、嘉麻市などが導入し成果を上げています。


※東京都では、母子保健事業自体は区市町村のものなので、実施主体である各区の判断により、オートレフラクトメータを3歳児健診で導入してもよいとの見解を示しています。
群馬県ではオートレフラクトメータを導入するにあたって、この器機の使い方の手引きを平成30年3月に群馬県医師会と共同で作成をしています。


群馬県と医師会が協同で作成をした『3歳児健康診査における眼科医検査の手引き』によると、3歳児健診での家庭で行う視力測定のみでは、弱視を見逃してしまうと注意喚起をしています。この手引きには、眼科を受診した弱視児のうち、3歳児健診で家庭でのアンケート結果から健診会場で視力検査を行った場合では74.6%が見逃されていた、会場で視力が測れなかった場合(3歳児なので動いてしまい検査が適切にできなかった場合)に家庭で経過観察となった児童では100%が見逃されていた、という報告があげられています。群馬県では、この手引きを基に眼科医、視能訓練士がいなくても屈折検査ができるよう、オートレフラクトメータという一般医療機器を3歳児健診に導入することを推奨し、市町村が積極的に導入をしている状況です。群馬県ではすでに検証結果を出しており、この器機を使うことの有用性を示しています。

オートレフラクトメータという器機は、まだ視力検査ができない乳幼児(生後6か月~)の検査を瞬時に行うことができ、1メートルの距離から器械を見つめてもらうだけで、一瞬にして屈折異常や斜視や遠視、乱視などが発見できるようになっています。したがって、100%全ての乳幼児に高精度な検査をして、必要な場合には医療機関の受診を勧めることができます。


従来のアンケートによる家庭での視力チェック(ランドルト環)簡易キットでは、遠視や乱視は全く分からないそうです。そのまま放っておくと弱視になるため、現在の制度を補完する機能として必要であるとの認識から、多くの自治体がオートレフラクトメータを導入して、この器機を用いた高精度な視力検査を3歳児健診で行っています。
【問】まず、足立区における3歳児健診における弱視の早期発見・早期治療に対する認識を伺います。

<保健予防課長>
3歳児健診による視覚検査は、眼科疾患の早期発見には有用であると認識しております。また、長谷川委員のお話しにあるとおり、ランドルト環そのものは3歳6カ月、ないしは4歳児以降に実施するのが適当というふうに言われていまして、3歳児健診で行うことは難しい点があることは承知しております。
そのため、足立区におきましては、3歳児でもわかるようにリンゴの絵であったり、飛行機の絵であったり、視標といったものを使った眼科検診を実施しております。なおこの検診方法に関しましては、東京都のマニュアルに準拠したものとなっております。

<長谷川たかこ>
私の3女が今、2歳6カ月になります。そろそろ3歳児健診ということもありますので、区のやっているチェックの仕方というのをしっかりと検証はしていきたいと思っております。
群馬県庁にお聞きした所、群馬県の市町村のほとんどがリース契約で導入をしているそうです。埼玉県和光市では頻回に使用するため、5年リース契約で1台1か月2万1千円ほどで常時お借りしているとのことでした(子どもがぶつかって壊してしまうこともある為、保険代込み)。また購入している自治体では1台110万円ほどで購入しているそうです。使用頻度や消耗を考慮しながら購入するかリース契約にするかを各自治体間で判断していると群馬県庁ではおっしゃっていました。また、この器機は簡単に撮影ができるため、資格は必要なく、誰でも簡単に撮影をすることができます。

来年度の予算として、足立区では新生児聴覚検査に18,475,000円を計上しています。同じように3歳児健診で見逃されている弱視の問題も喫緊の課題です。リースであるならば、この高精度な器機を月2万円強で借りることができ、それにより、弱視を未然に防止することができます。私の周りには、3歳児健診で見逃されてしまい、弱視のまま成人された方々が何人もおります。この子たちは、弱視であるがゆえに職業の選択も限られてしまっています。
【問】少しの予算で、多くの子どもたちが救われます。弱視を未然に防ぎ、子どもたちに明るい未来をどうか与えてください。少子高齢化社会を考えると子どもは日本の宝であり日本の未来を左右します。今、私たち大人が行動をすることで、それが少しでも日本の未来を明るくする要因となります。私は先日、足立区医師会にお話をしてまいりました。医師会と連携を図ることも必要かと思われます。是非とも医師会と協議をしながら、足立区の現在の制度を補完する機能としてオートレフラクトメータを用いた高精度な視力検査を3歳児健診で行い、弱視を未然に防ぐ取り組みを早急に行って頂きたいと区長に要望を致します。

<保健予防課長>
長谷川委員ご提案の機器導入に関しましては、機器そのものが海外製であり、日本での制度管理に関してのデータが少ないこと、またこれを受けて、日本における診療報酬点数の対象検査となっていないこと、加えて国及び東京都が示している3歳児視覚検査の推奨検査に入っていないこと、以上のことから機器の導入に関しましては、今後の研究課題とさせていただきます。

<足立保健所長>
乳幼児健診は東京都の場合、都の全自治体、都下の全自治体と東京都医師会という団体で実施しております。相互乗り入れもできますので、ある自治体だけが少しいいところがあるということで取り組むというのは少し困難なのです。ですから、今後の検討課題として、全自治体で研究していきたいと思います。

<長谷川たかこ>
東京都の保健部局にお聞きしました。この件に関しては、各区の判断に委ねるそうです。よって、オートレフラクトメーターについては、3歳児健診で導入するかどうかについての裁量権は各区にあるので、区独自の判断でやってくださいと言われました。現に練馬区ではオートレフラクトメーターを使った3歳児健診が行われています。
私が調べましたところ、多くの自治体で、導入しているところは医師会が推奨をし、これを使っているという現状がありました
私は足立区の医師会にお話をしました。要望書を提出; 医師会要望書をダウンロード

現会長が眼科医でいらっしゃるということで、まず医師会のほうでも眼科医、それから小児科医の先生方のご意見をこれから聞いて下さるということになっています。来週にも会議の俎上に挙げて頂けることになっています。


医師会の冊子にも掲載されている通り、多くの自治体の医師会でも、このオートレフラクトメーターを推奨しており、やはり3歳児の弱視が見逃されているという現状があることが指摘されています。また、多くの自治体がこの国の通達によって、まず、最初に動いており、そして医師会もこのことがきっかけとなって、動かれています。家庭での簡易キットでは不十分だという見解を医師会そのものが出されており、オートレフラクトメーターを推奨しいる状況ですので、私も足立区の医師会のご判断を待ちたいと思っています。


もし医師会のほうで動くときには、足立区でも積極的にオートレフラクトメーターの器機を取り入れ、3歳児の弱視が見逃されていた部分を補完する機能として導入して頂くことを是非ともご検討して頂きたいと切に思います。
区長、何卒よろしくお願い申し上げます。