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代表質問の内容②【養育費の確保について】

私は2014年、未成年の子どものいる夫婦が別居や離婚をする際に養育費や面会交流の取り決めを促す養育プランや合意書のひな形・作成の手引の表記などを求める政策提言をし、その後、足立区政策経営部や戸籍住民課、区民の声相談課の各担当部署や弁護士・社団法人家庭問題情報センター(FPIC)などの皆様とも何度も打ち合わせをした結果、2015年には「離婚後の子どもの養育費や面会交流について」を作成・発行をしました。

子どもは足立区の未来。

足立区に住む全ての子どもたちが心穏やかに安心して暮らすことが出来る様、子ども達を軸足にした生活基盤を築くことが大切です。 親の責任として、面会交流や養育費の分担が行われ、子どもにとって最善の利益が尊重される社会と心穏やかに安心して暮らすことができる環境整備の構築に向け、今後もさらなる支援の拡充に努めていきたいと思います。

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

☆【養育費の確保について】
<長谷川たかこ>
養育費の確保について伺います。
離婚や別居に際し、養育費の額など専門家を交えて取決めすることは子どもの福祉の部分からも当然と言えるものです。しかし実際には、離婚を先走るばかりに、口約束したことによって、離婚してから養育費が支払われずに泣き寝入りするパターンが多く、生活保護にまで陥っている方がいます。

【問】
離婚や別居に伴う子どもの養育をサポートするためには、法テラスや弁護士会・公証役場、公益社団法人家庭問題情報センターとの連携を総合的に行う必要があります。相談体制の充実化・参考書式の配布・関係機関との連携という3つの観点からの支援が重要です。このような機関と連携を図りながら、行政が家庭に関与し支えていく取り組みを積極的に展開し、行政が子どもの立場に立った支援を行うことを前提にした「こども養育支援ネットワーク」の設立を求めますが、如何でしょうか。
【問】
現在、ひとり親家庭に向けた「サロン豆の木」事業がありますが、こちらを活用して、区がひとり親世帯に対し、「こども養育支援ネットワーク」相談窓口を設け、養育費未払いによる相談が入った場合には、迅速で適切なアドバイスが出来るようにして頂きたいと思いますが、区の見解を求めます。

<福祉部長答弁>
私からは養育費の確保についてのご質問にお答えいたします。
先ず、こども養育支援ネットワークに関するご質問に一括してお答えいたします。
こどもの養育支援ネットワークは、ひとり親の方が抱える養育費の問題に法律面など専門的な相談に対応し、必要な支援につないでいくための仕組みと認識しています。
サロン豆の木や豆の木相談室に養育費の相談が寄せられた場合、現在も区や法テラスの法律相談、家庭問題情報センターや東京都ひとり親家庭支援センターはあとの養育費専門相談窓口につなぐなど、関係機関との連携に努めています。
会議体のような形でのネットワーク設立やその窓口の開設は今のところ考えておりませんが、今後も相談者が適切にアドバイスやサポートを受けられるよう、関係機関との情報共有を図りつつ、連携の強化に努めて参ります。

<長谷川たかこ>
昨年、兵庫県明石市においては、離婚相手から不払いとなった養育費を補填するモデル事業を始めており、市が業務委託をした保証会社とひとり親世帯が養育費の保証契約を締結し、契約に必要な保証料は市が負担し、養育費が不払いでも同社からひとり親世帯に年間最大60万円が払われる取り組みを行っています。保証会社は養育費を払わない相手方への督促や給与差し押さえの支援なども担います。大阪市でも、ひとり親家庭と養育費保証会社が契約を結んだ場合、本人費用負担(保証料)を大阪市が補助する補償促進補助制度が既にスタートしています。他自治体においては、福岡県飯塚市、滋賀県湖南市は11月ごろから導入し神奈川県横須賀市においては来年4月から導入される予定です。
養育費を受け取れるか否かは、ひとり親世帯にとって死活問題です。
離婚後、確実に生活資金を確保できる仕組みを足立区でも早急に構築する必要があります。行政が養育費の確保などの対策を図ることは欧米では一般的です。ドイツやスウェーデンでは養育費の未払いがあった場合に公費で補填し、行政機関や裁判所が強制的に徴収する仕組みになっています。
これまでは強制執行手続きで相手の銀行預金などを差し押さえる場合に支払いを求める側が弁護士などを通じて相手の口座を特定する必要があり、対応を諦めざるを得なかったケースが多々ありましたが、今年の5月の通常国会では、改正民事執行法が成立し、裁判所を通じて口座や勤務先の情報を入手することが出来るようになり、不払いに悩んでいるひとり親が強制執行を申し立てやすくなりました。しかし、裁判所への申し立て手続きは時間もかかり心理的なハードルはとても高く、すでに明石市や大阪市でも行われているように行政が中心となって養育費を確保する仕組みが必要です。

【問】
子どもの利益を最大限優先した行政主導の支援の一つとして、明石市や大阪市、そして他自治体でも導入が進められている保証会社と連携した不払いとなった養育費を補填する制度をこの足立区でも構築してもらいたいと強く求めますが、区の見解を伺います。

<福祉部長答弁>
明石市や大阪市で行われているような、保証会社と連携した不払いとなった養育費を補填する制度の構築についてお答えします。
明石市は現時点でモデル運用、大阪市も今年度から事業を開始したばかりであることから、運用上の課題なども踏まえて、足立区での実施の可能性を研究して参ります。