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代表質問の内容④【性的少数者(LGBT)への差別のない学校づくり】

文部科学省は2015年4月、同性愛や性同一性障害などを含む性的少数者の子どもについて、配慮を求める通知を全国の国公私立の小中高校などに出されました。その内容は、相談を受けた際のサポートチームの設置やプライバシーへの配慮です。具体事例として制服・トイレについての配慮のほか「児童生徒が希望する呼称を使う」「水泳は補習として別日に実施、またはリポート提出で代替する」などを掲げています。

 

小学校生活の中では、大人に比べて子どもの方が偏見もなく、多様性を柔軟に受け入れられます。多様なジェンダーを認める姿勢を学校教育の中から強く発信することで、子ども達が上記に記されているような配慮を日ごろから目にすることで、性的少数者への理解が学校生活の中で自然に進むと思われます。

配慮するのが当たり前の環境をつくり、私は学校教育の現場の中から差別のない環境を全力で醸成していきたいと思います。

 

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

 

 ☆【性的少数者(LGBT)への差別のない学校づくり】
<長谷川たかこ>

令和3年度に向け足立区ではパートナーシップ制度導入に向けた整備を進めている状況です。性的少数者(LGBT)の方々の中には、「カミングアウトをすると、これまでの人間関係が崩壊してしまうのではないだろうか」と人知れず悩みを抱え、親にさえも打ち明けることができない人たちが多くいます。社会の理解がまだ乏しく、性的少数者であることを表明しづらい雰囲気がある世の中で、多様性を柔軟に受け入れられる社会を築く基盤を学校生活の中から醸成させ、性的少数者への差別のない学校づくりをこの足立区で構築して参りたいと思います。

 

現在、足立区の区立中学校では、ブレザーの制服を採用している学校では、入学前の段階からスラックスやスカートを柔軟に選択できることを周知するとのお話もありますが、そもそも性的少数者であることを親にも打ち明けられない子ども達が制服を選ぶことすら困難な状況です。申告制により制服の選択制があると言っても全く意味を成しません。さらに、現在ではセーラー服5校、学ラン12校が足立区内の区立中学校で使用されておりますが、これらの学校では制服の選択制は事実上困難な状況です。

 

【問】そこで、足立区の全ての中学校の制服を見直し、男女が分け隔てなく着やすい制服のデザインを採用し、性的少数者であることを表明しなくても制服を自由に選択できる配慮をすべきと考えます。(既に千葉県柏市や兵庫県姫路市の公立中学校で導入されています。)多様なジェンダーを認める姿勢を是非とも足立区の学校教育の中から強く発信して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

<教育長>

私からは、性的少数者への差別のない学校づくりに関するご質問のうち、先ず男女が分け隔てなく着用できる制服の採用など、多様なジェンダーを認める姿勢を学校教育の中から強く発信すべきとのご質問にお答えいたします。

新たなデザインの制服を採用するなど、LGTへの対応を進めていくためには、保護者や地域の皆様の理解を得ることが不可欠です。多様なジェンダーを認める姿勢を築くため、PTA連合会や開かれた学校づくり協議会の皆様に向け、(仮称)LGBTガイドラインに示す区の考え方や対応方針を繰り返しご説明し、理解・啓発を進めて参ります。

 

<長谷川たかこ>

【問】性的少数者(LGBT)に配慮した学校づくりとして、トイレ等施設の改善のほか、更衣室の配慮、証明書や卒業証書への通称名使用、性別でのクラス分けやグループ分けへの配慮等が挙げられます。現在、バリアフリー法に基づいたトイレが設けてられており、小・中学校の改修時には、誰もが使えるトイレが整備されました。しかし、改修がまだされていない学校も多くある中で、今後、性的少数者に対する学校のトイレの仕様をどのように改善させていくのか、また、更衣室の問題や性別でのクラス分け、グループ分けへの配慮や証明書や卒業証明書の通称名使用等の課題をどのように解決させていくのか伺います。

<学校運営部長>

私からは先ずLGBTの方に配慮した学校トイレと更衣室の整備に関するご質問にお答えいたします。

LGBTの方に配慮した学校トイレ小中学校合わせて38校に「誰でもトイレ」が設置されておりますが、その他の66校につきましては「誰でもトイレ」の設置に必要なスペースが確保できないため、洋便器への改修時においても設置は困難な状況にあります。

今後も「誰でもトイレ」は、学校改築時や大規模改修時を捉えて整備して参りますが、それまでの間、トイレや更衣室は教職員用トイレや管理者室の活用等により対応して参ります。

<教育指導部長>

私からは、性的少数者への差別のない学校づくりに関するご質問の内、性別でのクラス分け、グループ分けへの配慮や証明書や卒業証明書の通称名使用等の課題をどのように解決させていくのかとのご質問にお答えいたします。

先ず、性別でのクラス分けにつきましては、クラス運営上バランスを考慮する必要がございますことから、性的少数者に配慮して適切に取り組んで参ります。

また、授業等におけるグループ分けにつきましても、教科や学習内容に応じると共に、性的少数者への配慮も含めて柔軟かつ適切に対応するよう各校に指導して参ります。

次に証明書や卒業証明書の通称名等の使用についてですが、証明書提出先から特段の指定がない限り、性別欄の無い当区の様式を用い、申請者の希望に応じて通称名での発行も行っています。今後も可能な範囲で、申請者の希望に寄り添った対応を行って参ります。

 

<長谷川たかこ>

【問】校内に性的少数者の関連図書を置くなどして子どもの理解を深める機会を設け、さらに「多様性の教育」を各小中学校で設けて、その授業の一つに性的少数者の学習ができる取組みも行って頂きたいと強く要望致します。区の見解を伺います。

<教育指導部長>

次に、校内に性的少数者の関連図書を置くなどして子どもの理解を深め、「多様性の教育」を各小中学校で設けて、その授業の一つに性的少数者の学習ができる取組みも行うべきとのご質問にお答えいたします。

多様性の教育につきましては、現在も人権教育プログラムに基づき、特別の教科道徳をはじめとする各教科で指導を行っております。今後、策定されます(仮称)LGBTガイドラインや教員向けマニュアルに学校図書や保健室等に関連書籍を用意すべきことや具体的な書籍の例を示し、性的少数者の学習ができる環境を整えて参ります。

 

<長谷川たかこ>

【問】これらの環境を整備する上で、一番のキーパーソンは教師です。性的少数者の理解を進めるためにも、文部科学省がすでに発行している教職員向けのパンフレット(性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について)を活用し、教員の意識を高める取組みも同時に行って頂きたいと思います。区の見解を求めます。 

<教育指導部長>

次に、性的少数者の理解を進めるために、教員の意識を高める取組みも同時に行うべきとのご質問にお答えいたします。

性的少数者への理解を進めるため、議員からご提示もありました、文部科学省が発行している教職員向けパンフレットの内容を踏まえ、平成28年度から管理者、教員向けの性的少数者に関する研修を実施しておりますが、教員からはまだ、子ども達への指導について不安の声もございます。教員が自信を持って対応できるよう、今後も研修を充実させながら継続することはもとより、来年度からは新たに初任者研修にも組み込み、教員の意識を高める機会を拡大して参ります。

また(仮称)LGBTガイドラインを基に、特に対応が難しいと思われる「相談を受けた時の対応手順」を中心に、教員向けの具体的な対応マニュアルを策定しているところです。こうしたマニュアルも活用し、性的少数者に対する教員の理解を深めて参ります。

 

<長谷川たかこ>

【問】さらに、足立区にある高校や6大学においても、性的少数者の学生支援について足立区と相互に共通認識を持ち、連携し組織的な対応をするための相談窓口の周知、ガイドラインの作成(例えば、セクシュアル・ハラスメント防止に性的マイノリティの例示を規定すること)、教職員への研修、カウンセリングにおける二次被害の防止等を求めます。区の見解を伺います。

<地域のちから推進部長>

私からは、性的少数者(LGBT)への差別のない学校づくりのうち、性的少数者の学生支援についてお答えいたします。

区では、昨年末に開設したあだちLGBT相談窓口のチラシを小学校、中学校のみならず、高校や大学に対しても配布し、相談窓口の周知を行い、当事者だけでなく、関係する方々の窓口の活用を促しているところです。今後につきましては、これから策定される区のLGBTガイドラインを区内高校、大学へ周知し、活用して頂けるよう促して参ります。

また、カウンセリングにおける二次被害を防ぐためにも、教職員を対象とする研修を行うなど、幅広く意識啓発に取り組んでいくことで、高校・大学において組織的に対応して頂けるよう連携して参ります。

 

<長谷川たかこ>

【問】全国的に注目を浴びている足立区が性的少数者の就学環境の整備を積極的に行うことは、社会への啓発にもつながります。区の決意を伺います。

<教育指導部長>

次に、性的少数者の就学環境の整備を積極的に行うことが、社会への啓発につながるとのご質問についてお答えいたします。

性的少数者の就学環境の整備を進め、その取組みを区のホームページやあだち教育だよりはもとより、学校ホームページ等で周知することで、保護者の皆様、地域の皆様からご理解を得ることに繋がると考えております。先ずは、(仮称)LGBTガイドラインに示す区の考え方や対応方針をPTA連合会や開かれた学校づくり協議会の皆様に繰り返しご説明し、性の多様性に関する理解促進に取り組んで参ります。